別所温泉 (長野県上田市) 史跡“信州の鎌倉”
2018.03.029(木) 晴
 東京の兄が「恒例の同窓会」で別所温泉に泊まっている。宿は「中松屋旅館」だ。宿泊客は出立してなく駐車場は満車、やむなく少し離れた「安楽寺」さんの駐車場に止めさせて頂いた。
 
 石段を降り「湯川」を渡ると右手に「慈覚大師之湯」があった。別所温泉は「真田氏」も癒された信州最古の湯処。みやげ店は開店前、時々「朝湯」(外湯;150円)に入る地元住人とすれ違う。
 
 これから行く「北向観音」は天台宗の寺院で、近隣にある天台宗常楽寺が本坊であり、その伽藍の一部として同寺が所有・管理している。
 
 北向観音堂は、平安時代初期の天長2年(825年)、比叡山延暦寺座主の慈覚大師円仁により開創された霊場。安和2年(969年)、平維茂は一山を修理し、三楽寺、四院、六十坊を増築したと伝えられている。
 
 寿永元年(1182年)には源平争乱の中、木曾義仲の手により八角三重塔と石造多宝塔を残して全て焼失するも、源頼朝の命のもと伽藍復興がおこなわれ、建長4年(1252年)、塩田陸奥守北条国時により再興され。
 
 ここには、芭蕉の句碑がある。「観音のいらか見やりつはなの雲」、貞享3年(1686)江戸深川の草庵で伏せっていたときに詠んだ句。安永3年(1774)に建立された古い句碑。
 
 「安楽寺」さんの駐車場に車を止めさせて頂いているので、「八角三重塔」(国宝)を撮影させて頂くべく参道を登って本堂へ。
 「八角三重塔」は、本堂裏手の山懐にある。そこは、拝観料がいる。朝、早いので無人かと思ったら受付が開いていた。(早いとおもっていたら、もう10:00でした)
 
 安楽寺は禅宗では、鎌倉の建長寺などと並んで日本では最も古い臨済禅宗寺院の一つです。その安楽寺にある木造八角三重塔(裳階付き木造八角三重塔)は、木造の八角塔としては全国で一つしかないという貴重な建築です。
 鎌倉時代、この別所温泉のある塩田平は、当時の政治の中心連署地鎌倉と深い関係がありました。とくに、鎌倉幕府の連署(副総理)をやっていた北条義政などは、塩田の地、前山に館を構え、その子孫は三代にわたって鎌倉幕府の重臣として活躍しました。そんなことから鎌倉からの文化がたくさん移入され、その影響をうけた文化財が多く残っているので信州の鎌倉などとも言われ、大勢の観光客がやってくるようになりました。