茨城の紅葉 ; 袋田の滝・竜神峡・花貫渓谷 |
2018.11.16(金) 晴 |
秋深まる「旅の未知草」、茨城の紅葉は11月上旬から中旬ということで、「袋田の滝」「竜神峡」「花貫渓谷」経由で高萩より常磐自動車道を北上し仙台入り。各所の予定時刻を逆算し、家を 3:00 に出る。 |
【日光の夜明け】 栃木県日光市 |
「ふれあい橋」(日光大谷川)からの「男体山」(日出時刻;6:18)の夜明け、ここでの夜明け撮りは昨年6月に次ぎ二度目。 |
「芭蕉船場の渡し跡」を過ぎ、左手に「玉生宿」を横目に国道461で眺める「見返りの黒髪山」。(順不同) |
【芭蕉船場の渡し跡】 栃木県塩谷町 |
一 同二日 天気快晴。辰ノ中尅、宿ヲ出。ウラ見ノ瀧、カンマンガ淵見巡、漸ク及午。鉢石ヲ立、奈須・太田原ヘ 趣、常ニハ今市へ戻リテ大渡リト云所ヘカヽルト云ドモ、五左衛門、案内ヲ教ヘ、日光ヨリ廿丁程下リ、左へノ方ヘ切レ、川ヲ越、せノ尾・川室ト云村ヘカヽリ、大渡リト云馬次ニ至ル。三リニ少シ遠シ。 〇今市ヨリ大渡ヘ弐リ余。 〇大渡ヨリ船入ヘ壱リ半ト云ドモ壱里程有。絹川(鬼怒川)ヲカリ橋有。大形ハ船渡し。 〇船入ヨリ玉入ヘ弐リ。未ノ上尅ヨリ雷雨甚強。漸ク玉入ヘ着。 一 同晩 玉入泊。宿悪故、無理ニ名主ノ家入テ宿カル。(曾良随行日記) |
寒暁や息染めのぼる川堤 | ||
寒暁(かんぎょう);冬の朝の子季語(三冬の季語) |
「船場の渡し」・・・・地名は「船生」、信号名は「船場」「船場東」、「日光北街道」が「船場の渡し跡」につながっていることが現在の地図でも確認できる。すぐ上流に国道461号の「大渡橋」があり、すぐ上流に景勝地「籠岩」がある。 |
【雲巌寺】 栃木県大田原市 | ||
「雲巌寺」は何度も訪れている。紅葉の時期に一度参詣してみたいと思っていた。「袋田の滝」への道筋にあるので寄らないわけにもいかない。 |
境内に芭蕉句碑がある。「木啄も庵はやぶらず夏木立」(きつつきも いおはやぶらず なつこだち)、元禄2年4月5日、「奥の細道」旅中「雲巌寺」での作。 |
碑らしきもの・・・・今迄は何故かスルーしていた。今回に限って後ろ髪を引かれる思いがし、一旦かけたエンジンを切り碑文を読みに近寄る。何と、「おくのほそ道“雲巌寺”の序文」ではないか。 「当國雲巌寺の奥に仏頂和尚山居あり。“竪横の五尺にたらぬ草の庵結ぶもくやし雨なかりせば”(仏頂和尚の歌)・・・・“木啄も庵はやぶらず夏木立”と、とりあへぬ一句柱に残しはべりし。」と刻まれている。(文学碑、右半分、左半分) |
「雲巌寺」を後にし間もなく橋がある。綺麗な紅葉が二ヶ所、立て続けに目に止った。通行車両もなく邪魔にならないので路肩に停車。 |
【奥久慈茶の里】 茨城県大子町 | ||
茨城は関東有数のお茶の産地、南西部の「さしま茶」、県央部の「古内茶」。当地の「奥久慈茶」は香り高く味の深いお茶で、「北限の碧い雫」(日本海側では新潟県村上市の「村上茶」)として売り出している。久慈川の源流がある八溝山地に近い集落(500軒ほどの農家、茶畑面積119hr、年間生産量120t)で栽培されている。奥久慈茶は、冬は寒さが厳しく、夏は昼夜の寒暖差が大きいという気象条件から、葉に厚みがあり、味にコク・香りも強いのが特徴。 茶葉が厚い分、2煎、3煎になってもお茶の美味しさが楽しめるとのこと。茶摘み時期は5月中旬頃から、茶摘みは1度、1番茶のみが出荷される。 お茶の製造・販売は、町内の30軒前後の茶園がそれぞれで行っている。 |
【袋田の滝】 茨城県大子町 | ||
「袋田の滝」(四度の滝)は「日本三名瀑」のひとつ、兄に誘われ水郡線で行った「氷瀑」撮影を思い出した。 |
「四度の滝」とも呼ばれる所以は、①滝の流れが大岩壁を四段に落下する、②四季毎に来て見なければ真の風趣は味わえない(西行法師)とのことらしい。その西行法師は「花もみちよこたて(経緯)にして山姫の錦織り出す袋田の滝」と詠んでいる。「花もみち」(花紅葉)とは、春の桜と秋の紅葉。春秋の美しい自然の眺め。 | ||
風除の人混み越しや花紅葉 | ||
風除;初冬の季語 北風を防ぐため垣根や塀をめぐらせること |
大子の自然・星空・水を表現した「光のトンネル」ライトアップ(ダイゴライト)は、平成30年11月1日~来年1月31日まで、日没から11月は20時・12-1月は19時迄。滝のライトアップは見事であろう。光の玉はその一つ。 |
「四度の滝」とも呼ばれる所以は、①滝の流れが大岩壁を四段に落下する、②四季毎に来て見なければ真の風趣は味わえない(西行法師)とのことらしい。その西行法師は「花紅葉よこたてにして山姫の錦織り出す袋田の滝」と詠んでいる。「花紅葉」とは、春の桜と秋の紅葉。春秋の美しい自然の眺め。 |
「袋田の滝」直下に架かる吊橋を渡り月居山ハイキングコースを登って行くと同滝上流に出るらしい。そこには「生瀬滝」(落差15m)があるようだ。滝は勿論、吊橋を渡ることも時間の関係で見合わせた。 |
「モード選択撮影」から「絞り優先」で撮りだした。今度は、「シャッタースピート優先」モードにし、露出オーバーにならぬところで撮影、流れ落ちる水が飛沫を上げる荒々しい表現から、糸を引くように柔らかいソフトな表現に変った。水の流れを美しく引き出すシャッター速度は1秒前後、水を止めるには1/500秒という。これは、絞りf/20、ISO200、シャッター速度1/2秒。マクロの背景ボケと同じく、「バーチャル撮影」、好みであろう。 |
【竜神峡(竜神大吊橋)】 茨城県常陸太田市 | ||
竜神峡は、奥久慈県立自然公園に位置し、V字形の美しい渓谷の中を流れる竜神川をせき止めた竜神ダムの上に架けられている。橋の長さは375mで、歩行者専用として国内最大級の長さを誇り、ダム湖面からの高さは100m、中央付近にバンジージャンプのロープが下がっていた。 |
駐車待ちの車列が長く続いていた。最後尾付近にある民家の有料駐車場に止め徒歩で大吊橋駐車場へ。 |
駐車場奥まで下がっても広角レンズ(10mm)で全容を捉えることが出来なかった。TG-4のパノラマ撮影(縦3枚)でトライ、3度目にしてつなぎ目の段差がなくなった。 |
吊橋の中央付近で恐る恐る竜神ダムを見下ろす。もともと高所恐怖症、それにゆっくりと揺れる吊橋、やっとの思いでシャッターを切る。吊橋の通路には、直下を見下ろせる窓が所々に付いている。なるべく見ないようにし除けて通った。正直いってありがた迷惑だ。 |
吊橋を渡り対岸へ、そこからダム湖サイドの遊歩道までの急坂を下る。手摺りに捕まらなければ危ないほどの場所もあり、戻る時の辛さを案ずるほどだった。登ってきた人に尋ねると一方通行らしい、ダム湖サイドの遊歩道に戻れないゲートがあるとのこと・・・・ダム上で対岸に渡り、再び急坂を登り戻るらしい。 |
吊橋直下で見上げて・・・・木漏れ日の程好い場所で100m上空の大吊橋を撮る。竜神峡は11:00-13:30の予定、到着は予定通りの11:00、これ程に歩くつもりはなかったが絵になる場所ゆえ時間を気にすることなく撮影を楽しんだ。 |
事前にチェックした観光紹介ポータルサイトで見た紅葉の写真はこの場所からのものだと分かり嬉しかった。時間帯が違うのかカエデのシルエット(カエデの先に太陽がある)が異なり残念だ。 |
滞在予定の1:30を13分超え、今回の最終予定地である「花貫渓谷」に向け竜神峡を後にする。駐車場待ちの列は更に長くなっていた。 |
【花貫渓谷】 茨城県高萩市 | ||
予定通り40分程で大熊駐車場に着く、途中の様子で紅葉はピークを越えたのか歓声をあげる程の鮮やかさは期待薄と失望への心づもりも固まっていた。花貫渓谷「紅葉並木」を抜け、目的地である「汐見滝吊橋」までは15分足らずだと駐車場の係員がガドマップを手渡し説明してくれた。 |
それでも「彩の良さそうなスポット」を選び撮りした。結論を先に述べよう。「花貫渓谷」の滞在時間は予定の1時間にピッタリ、時刻は着と発にしか見ていないが13:24-14:24分(竜神峡でのズレをそのまま引き継いだことになる)、その中で撮影したものを抜粋した。画像を見直し「まあまあ」だったと思う。右上の画像は、モミジの黄緑が全体の景色を引き締めたかと思う |
1時半というのに(曇でもないのに)陽射しが弱い。落葉樹、落葉3~4分落ち(何と表現したらよいだろうか)で木漏れ日撮影には適度である。 |
観光紹介ポータルサイトで見た吊橋は落葉が敷き詰められていた。作為的だなぁ・・・・と感じてはいたが、あまりにも掃き掃除が行き届いているかのようでガッカリしてしまった。紅葉が程々であったことが、かえって吊橋を引き立たせたという絵が右上・・・・そういった視点で眺めるとバランスがとれている。 |
汐見滝と吊橋、滝とは言えそうにない規模・・・・池に水を引く土管から流れ落ちている・・・・そんな感じである。「竜神大吊橋」とは比較すべきものではなく、渓流に架かる小さな橋。この橋は生活橋だろうか、それとも紅葉名所として造った橋だろうか・・・・多分、後者であろう。 |
この川の名は「花貫川」、阿武隈高地の南部に属する多賀山地、標高688mの高萩市大能奥付近に水源を発し高萩市南部を流れ太平洋に注ぐ。二級水系・花貫川水系の本流であり、流路延長19.4kmの小河川である。流域は全て高萩市域にあり、その殆どは花崗岩を中心とする山地で占められ、上流部は紅葉の名所「花貫渓谷」を形成する。 |
吊橋で撮影を終え同じ道(紅葉並木)を駐車場へと戻る。眺める方向が逆になり逆光ということで、異なった紅葉を楽しむことが出来た。 |
この後、「高萩IC」から「新地IC」まで「常磐自動車道」を北上、車窓から眺める「帰宅困難地域」の様子は胸を痛める形相(草木が伸び廃墟と化していた)であった。 | ||
Midi 里の小さい秋みつけた |