旅の未知草「芭蕉句碑めぐり」  
  細道を碑撮り馳せるや走馬灯  
  − 「奥の細道」旅中と思える期間に詠まれた作品を中心とした代表的な句碑(青文字;「おくのほそ道」掲載句) −  
   
 
 
うら見せて涼しき瀧の心哉
 
 
かさねとは八重なてしこの名なるへし
 
 
秣おふ人を枝折の夏野かな
 
 
今日も又朝日を拝む石の上
 
   「おくのほそ道」(日光)元禄242日、曽良の作。須賀川滞在中の428日に「諏訪明神」参詣、曽良は本句、芭蕉は「ほとゝぎすへだつか瀧の裏表」を奉納と曽良書留。(福島県須賀川市神炊館神社)    「おくのほそ道」(那須野)元禄242-3日、曽良の作。「・・ちいさき者ふたり、馬の跡したひてはしる。独は小姫にて、名をかさねと云。聞なれぬ名のやさしかりければ・・」。(栃木県矢板市沢観音寺)    「おくのほそ道」(黒羽)元禄244日、「那須余瀬」の「翠桃」を尋ねての歌仙発句。「青き覆盆子をこぼす椎の葉」翠桃、「村雨に市のかりやを吹きとりて」曽良。(栃木県大田原市玉藻稲荷神社)    「おくのほそ道」(黒羽)元禄244日、「那須余瀬」の「翠桃」を尋ねての歌仙(芭蕉・曽良・翠桃・桃雪・土地の俳人)での「秣負ふ」で始まる歌仙での一句。(栃木県大田原市明王寺)  
 
 
山も庭もうこき入るや夏座敷
 


    黒羽の門人「秋鴉」邸での歌仙

    雨晴て栗の花咲跡見哉 桃雪

    いづれの草に啼おつる蝉 等躬

    夕食くふ賤が外図に月出て 芭蕉
    秋來にけりと布たぐる也 曽良

 
夕食くふ賤が外図に月出て
 
 
木つ
ゝきもいほはやふらす夏こたち
 
 
田や麦や中にも夏のほと

きす
 
   「おくのほそ道」(黒羽)元禄244日、「黒羽」の門人「秋鴉」(浄法寺桃雪)を訪ねての挨拶吟。(栃木県大田原市浄法寺桃雪邸跡)    「おくのほそ道」(黒羽)元禄244日、「黒羽」の門人「秋鴉」邸で行われた歌仙。(栃木県大田原市浄法寺桃雪邸跡)    「おくのほそ道」(雲巌寺)元禄245日、「佛頂和尚山居跡」を訪ね柱に残した「留守に来て棚さがしする藤の花」も詠む。佛頂和尚(江東区臨川寺)は芭蕉の禅の師。(栃木県大田原市雲巌寺)    「おくのほそ道」(黒羽)元禄247日、「奥の細道」旅中「黒羽」の門人「秋鴉」(浄法寺桃雪)を訪ねての挨拶吟。この時に「山も庭も」も詠んでいる。(栃木県大田原市黒羽城黒門跡)  
  No.03    
  旅人 & 撮影者 福澤三雄(長野県東御市)