旅の未知草「芭蕉句碑めぐり」  
  細道を碑撮り馳せるや走馬灯  
  − 「奥の細道」旅中と思える期間に詠まれた作品を中心とした代表的な句碑(青文字;「おくのほそ道」掲載句) −  
   
 
 
田一枚うゑてたち去る柳かな
 
 
早苗にも我色くろき日數かな
 
 
西か東か先早苗にも風の音
 




   関守の宿を水鶏に問はうもの  芭蕉
   
卯の花をかざしに関の晴着かな 曽良
   奥の花や四月に咲くを関の山  桃隣
 

卯の花をかざしに関の晴着かな
 
   「おくのほそ道」(遊行柳)元禄2420日、「芦野遊行柳」での作。歌枕で知られる「遊行柳」、漂泊の歌人「西行」を想う芭蕉と曽良は時の流れを忘れたのか。(栃木県那須町遊行柳)    「おくのほそ道」(白河の関)元禄24月、「白河の関」での作。当時でも「白河の関」は過去のもの、「境の明神」付近に「白河二所の関跡」があり迷ったようだ。(福島県白河市宗祇戻し)    「おくのほそ道」(白河の関)元禄24月、「白河の関」での作。旅人芭蕉をしても生まれて初めての「白河越え」、足を踏み入れた「奥羽」は感慨深かっただろう。(福島県白河市白河関跡)    「おくのほそ道」(白河の関)元禄24月、白河関跡から関山万願寺を訪れたとの伝承。関山山頂の句碑には「関守の宿を水鶏にとはうもの」芭蕉の句も共に刻まれている。(福島県白河市関山満願寺)  
 
 
風流のはしめや奥の田うへ唄
 
 
世の人の見付ぬ花や軒の栗
 
 
五月雨の瀧降うつむ水かさ哉
 
 
浅香山帷子ほして通里介李
 
   「おくのほそ道」(須賀川)元禄24月、「須賀川」での「等躬」への挨拶吟。到着やすぐに等躬「覆盆子を折て我まうけ草」・曽良「水せきて昼寝の石やなをすらん」の三吟歌仙を開いた。(福島県白河市境明神玉津島神社)    「おくのほそ道」(須賀川)元禄2422-29日、「須賀川」滞在中の作。初案「隠れ家や目だたぬ花を軒の栗」。蕉門の僧侶「可伸」は、この木の下で世を捨てた生活をしていた。(福島県須賀川市可伸庵跡)    「おくのほそ道」(須賀川)元禄2427日、「須賀川」滞在中の作。「乙字ヶ滝」は阿武隈川本流にある段差で、当時は「石河の滝」と言われていた。先代の句碑は須賀川市立博物館にある。(福島県玉川村乙字ヶ滝)    「おくのほそ道」(郡山)元禄251日、「郡山」を発ち「安積郡片平」付近での作。久しく存疑の部に掲載されるも、古文書「安藤親重覚書」が発見(2019)された芭蕉作と裏付け。(福島県郡山市善導寺)  
  No.05    
  旅人 & 撮影者 福澤三雄(長野県東御市)