旅の未知草「芭蕉句碑めぐり」  
  細道を碑撮り馳せるや走馬灯  
  − 「奥の細道」旅中と思える期間に詠まれた作品を中心とした代表的な句碑(青文字;「おくのほそ道」掲載句) −  
   
 
 
行すゑは誰肌ふれむ紅の花
 
 
閑さや巌にしみ入蝉の聲
 
 
静かさや岩にしみ入蝉の聲
 
 
五月雨をあつめて早し最上川
 
   元禄25月、「奥の細道」旅中「尾花沢」での作とするも、「此句はいかなるときの作にかあらん・・・・」と付されている。(山形県天童市念仏寺跡)    「おくのほそ道」(立石寺)元禄2527日、初案「山寺や石にしみつく蝉の声」。尾花沢を発ち16時頃に山寺に到着、従って夕方の山内拝観と何とも忙しない旅だ。(山形県山形市立石寺)    「おくのほそ道」(立石寺)元禄2527日、初案「山寺や石にしみつく蝉の声」。尾花沢を発ち16時頃に山寺に到着、従って夕方の山内拝観と何とも忙しない旅だ。(山形県山形市立石寺)    「おくのほそ道」(最上川)元禄2528-29日、「大石田」での作。句碑は新庄市の「芭蕉乗船の地」と、庄内町の「芭蕉上陸の地」にある。(山形県新庄市芭蕉乗船の地)  
 
     四吟歌仙「さみだれ」表六句



  さみ堂礼遠あつめてすゝしもかミ川(芭蕉)
  岸にほたるを繋ぐ舟杭(一榮)

  瓜ばたけいさよふ空に影待ちて(曽良)

  里をむかひに桑のほそミち(川水)

  うしのこにこゝろなくさむゆふまくれ(一榮)
  水雲重しふところの吟(芭蕉)
 















 
 
水の奥氷室尋る柳哉
 
 
風の香も南に近し最上川
 
 
有難や雪をかほらす南谷
 
   「おくのほそ道」(最上川)元禄2528-29日、「大石田」での作。大石田は、当時の最上川舟下りの起点、前句「あつめて早し」の初案。(山形県大石田町高野一榮邸跡)    「おくのほそ道」(最上川)元禄261日、「大石田から羽黒山」道中(新庄)の「風流亭」(澁谷甚兵衛宅)で詠んだ句。曽良は「風渡る的の変矢に鳩鳴て」を詠む。(山形県新庄市柳の清水跡)    「おくのほそ道」(最上川)元禄261日、「大石田から羽黒山」道中(新庄)の「盛信亭」で盛信へ「薫風は南より至る」(白楽天の詩)を引用した挨拶吟。(山形県舟形町猿羽根山地蔵堂)    「おくのほそ道」(出羽三山)元禄263-10日、芭蕉は、羽黒山の「南谷別院」に舎す。本坊で巻いた八人歌仙での発句。曽良は「川船のつなに螢を引立て」を詠む。(山形県鶴岡市羽黒山南谷別院跡)  
  No.08    
  旅人 & 撮影者 福澤三雄(長野県東御市)