旅の未知草「芭蕉句碑めぐり」  
  細道を碑撮り馳せるや走馬灯  
  − 「奥の細道」旅中と思える期間に詠まれた作品を中心とした代表的な句碑(青文字;「おくのほそ道」掲載句) −  
   
 
 
露を見しりて影うつす月
 
 
濡れて行くや人もをかしき雨の萩
 
 
あなむさん甲の下のきりきりす
 
 
むさんやな甲の下のきりきりす
 
   「おくのほそ道」(小松)元禄2724-26日、「小松」の「鼓蠣の館」で催された「山王句会」(芭蕉・曽良・北枝・鼓蠣等10人)での「鼓蠣」の句。(石川県小松市本折日吉神社)    「おくのほそ道」(小松)元禄2726日、「小松」の「歓生亭」での五十韻発句での挨拶吟。曽良は「心せよ下駄のひゞきも萩露」を詠む。(石川県白山市小舞子児童公園)    「おくのほそ道」(多太神社)元禄2724-26日、次の句「むざんやな」の初案。芭蕉が敬慕する「義仲」が実盛の兜を奉納したのが多太神社。(石川県小松市多太神社)    「おくのほそ道」(多太神社)元禄2724-26日、芭蕉翁一行が「多太神社」に詣でたのは25日、小松を発ち山中温泉に向かう27日に再び詣で「前句」を奉納した。(石川県小松市多太神社)  
  


          奉納吟碑

    むさんやな甲の下のきりきりす 芭蕉

    幾秋か甲にきえぬ鬢の霜 曽良

    くさすりのうら珍しや秋の風 北枝
 
幾秋か甲にきえぬ鬢の霜
 
 
山中や菊は手折らし湯の匂ひ
 
 
桃の木の其葉ちらすな秋の風
 
 
紙鳶きれて白根ケ嶽を行方かな
 
   「おくのほそ道」(多太神社)元禄2724-26日、曽良の作。芭蕉翁一行が「多太神社」に詣でたのは25日、小松を発ち山中温泉に向かう27日に再び詣で曽良・北枝も奉納した。(石川県小松市多太神社)    「おくのほそ道」(山中)元禄2727日-85日、謡曲「菊慈童」を題材に山中温泉を讃えた「桃妖」への挨拶吟。曽良は「秋の哀入かハる湯や世の氣色」と詠む。(石川県加賀市醫王寺)    「おくのほそ道」(山中)元禄2727日-85日、芭蕉一行は和泉屋で8泊、主人は14歳の久米之助、このとき蕉門に入門し「桃妖」という俳名を付け「本句」を渡す。(石川県加賀市桃の木公園)    元禄2727日-85日、「山中温泉」で宿した和泉屋の主人「久米之助」(桃妖)の作。芭蕉は久米之助を大きく気に入り、彼の話を題材にした句も多いので幾つか掲載する。(石川県加賀市芭蕉堂)  
  No.14    
  旅人 & 撮影者 福澤三雄(長野県東御市)