南蔵王 ; 新涼の尾根歩き

− 2000.9.22 (金) 晴れ −

 屏風岳(1817m)は宮城県の最高峰で南蔵王の中核をなし、北西面(山形)の鞍部に広がる芝草平は池塘が点在する高層湿原で、高山植物の宝庫として知られています。一方東面(宮城)は急峻な爆裂火口壁が続き、山名通りの山姿です。
 蔵王ハイラインの刈田峠頂にある“南蔵王縦走コース”登山口に、9時30分に着きました。コースは、刈田峠(40分)前山(20分)杉ガ峰(40分)芝草平(20分)屏風岳まで片道4km、2時間(休憩除く)の尾根歩きです。
 屏風岳山頂を通過し、水引入道への道を左に分ける地点で、南屏風岳の爆裂火口壁と水引入道の茶褐色の稜線を眺めながら正午に昼食をとりました。帰りは来た道を引き返し、15時30分に登山口に戻りました。 
 登山口から深い溝状の下り道で、すぐ右手に高山植物の群生する湿地帯が広がります。

 前山の登りは、板状の砕石道です。露出した岩場から、刈田峠に続く来た道と蔵王ハイラインで痛々しい刈田岳を振り返り休憩です。前山(1684m)から尾根道を緩く下りハイマツ帯を登りかえすと杉ガ峰に着きます。
後烏帽子岳と雲海(杉ガ峰東方の眺望)
 杉ガ峰(1745m)山頂は360度開けた広場で、当コース最大の展望が楽しめます。西に月山や朝日連峰、南に目指す屏風岳の右彼方に吾妻連峰、東に仙台平野から太平洋が見渡せます。

 杉ガ峰を後に緩やかに下りきると広大な芝草平(1652m)が右手に広がっています。蔵王連峰最大のお花畑で、6〜7月が最盛期です。植物は、まだお友達でないので名前がわかりません。名前の分かる方、メールで教えてください。
 芝草平を後に、屏風岳に向かいます。穏やかな登りで、道は深い溝状になっています。途中で後烏帽子岳への道を左に分け、岩場を通り過ぎ傾斜も緩やかになり視界が開けると屏風岳(1817m)の山頂に着きます。

 1等三角点の頂上には、灌木に囲まれた広場で木のベンチがあります。南蔵王縦走コースの頂点に作られた“バス停”という風情を漂わせていました。あまり眺望がよくないので、一休みしたらもう少し先にいきます。約15分も行くと、水引入道への道を左に分ける地点に着きます。ここの眺めがよいので、お昼を食べ来た道を引き返します。
 このコースは、8月24日に次ぐ二度目です。蔵王連峰は、コバルトブルーの秋空に心地よい微風、一日中絶好の登山日和に恵まれました。また、平野部が曇りということもあり、思わぬ雲海を眺めることができました。8月に来た時は、刈田峠で群舞するアサギマダラや登山道に日光浴するキベリタテハを多く見かけました。9月中旬ともなれば、これらの姿もなく、越冬に備えるキタテハや秋を代表するアキアカネが物寂しく舞っていました。
 刈田峠を起点に往復するコース、水引入道(1656m)か南屏風岳(1810m)を経て不忘山(1705m)まで往復するのもよいでしょう。それには、前者で1時間、後者で2時間ぐらい早く登山口に着く必要があります。