走馬灯激写! '07年の蝶紀行

− 2007.10.01 −

 07年は全般的に発生数が少なく、種によっては発生時期が前後し読み難いシーズンだったような気がする。今年は活動範囲を少し広げたこともあり、新たに昨年と同数の10種(宮城を除く)が撮影が出来たので大満足だ。
 想い出に残る46種の蝶をもって今シーズンの“蝶と里山の浪漫紀行”を総決算する。活動は北信と東信に集中したが、中信と県外まで足を伸ばしたシーズンであったように思える。来シーズンは南信にも行ってみよう。
 昨年の9月に買い換えたオリンパス“CAMEDIA SP-510UZ”は旧デジカメと構造的に異なり焦点精度が悪くイライラさせられ通しだった。
長野県版レッドリスト;留意・要注目指定種
 愛車を発注したのは3/20、仙台時代にお世話になったルノー代理店で納車は連休前の4/27の予定。

 そんなことで今シーズンは長野駅から中距離バスに乗りヒメギフチョウの撮影ツアーということになった。

 バス停で出迎えて下さったOさんの車に移り幾つかのポイントを回る。少し早かったが何とか撮影出来た。
ヒメギフチョウ 04/15
  
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 この生息地のギフチョウには、縁毛が黄色いイエローバンドと呼ばれるものがごく希に発生する。

 止めた車の左前輪脇に咲いていたカタクリに1頭のギフチョウが、何とイエローバンドではないか。

 表から撮ろうと廻り込んだら逃げられてしまった。それでもすく近くの路上に止まってくれたので撮影成功。
  ギフチョウ 05/05
  
長野県版レッドリスト;留意・要注目指定種
 一昨年に見つけたマイポイント、数の多少はあるものの春から秋まで安定して見ることが出来る。

 絶滅してしまったのかここ数年姿が見えないポイントが近くにある。何とかそうならないで欲しい。

 この地域で探せば他に生息地は数ケ所はあるだろう。来シーズンにでも本格的に探索してみよう。
クロツバメシジミ 05/20
絵になる普通種
 シロチョウは被写体としては難しい種だが本種はアゲハチョウという訳でもないがピントも合い絵になる。

 白花を好むが黄色い菜の花で吸蜜する様もなかなか絵になる。バックの畑のボケが引き立つ。

 一回り小型の山地性のものがいるという。未だ目撃もしていないが来シーズンには撮ってみたい。
  ウスバシロチョウ 05/26
長野県版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 クモツキ撮影に9回(5/3〜6/17)挑戦するも目撃は2回にとどまり撮影出来たのもこの1枚のみ。

 地元の強みでOさんが6/7に定番のハタザオで吸蜜する素晴らしい撮影を羨ましいほど撮られた。

 その数日後に挑戦するも密猟者に採集されたのか影一つなく今シーズンの幕引きとなった。誠に残念でならない。
クモマツマキチョウ 06/02
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 1週間前に“辺りを付けた”県内のある場所で運良くオオルリシジミを撮影することが出来た。

 いつもお世話になっているOさんをご案内した都合で1日遅れの独占撮影会ということになった。

 昨シーズンは“ブルーが美しいオス”中心であったが、今シーズンは“美しい紋のあるメス”に始終した。
  オオルリシジミ 06/03
初めて撮影した感動の普通種
 ゴマダラチョウといえば樹液専科と思いしや訪花もするようだ。吸蜜する様は南国の蝶を思わす。

 出遭いは意外な場所で突然やってくる。簡易舗装上で腹這いになりいろんなスチュエーションで撮りまくった。

 何処で発生しているか特定出来なく出遭いはこの時だけであった。
ゴマダラチョウ 06/10
 長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 ススキ野に棲む妖精と呼ぶに値する細身で妖艶な蝶。蛾でないかと間違えてしまうセセリ族とは信じられない。

 数多く見かけた場所にもう一度行ってみたい。しかし、偶然見つけた場所ゆえ再訪出来ないでいる。

 春先で下草も生えてこなく広角撮影に条件が整っている発生地だ。
  ギンイチモンジセセリ 06/13
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 最も近場のゼフポイントにアカシジミやミズイロオナガシジミがいる。そこでウラナミアカシジミを見つけた。

 昨年この場所でオオムラサキの集団羽化に遭遇した。今年は数が少なく梢を旋回する程度だ。

 来シーズンは、どのようなゼフがいるか観察してみよう。
ウラナミアカシジミ 06/24
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種  
 新規撮影種の3番目は何と超希少種のクロシジミである。地元のOさんに案内して頂いた。

 萱場に潜り込み長靴に上下の雨具着用での撮影。事前に聞いていたので気が絵の下着を持参した。

 この場所はカシワ林でもありカシワ系ゼフもいるようだ。来シーズンはウラジロミドリシジミを撮ってみたい。
  クロシジミ 07/01
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 コヒョウモンモドキは好きな蝶の一つである。まさか里山の林間に棲むとは思ってもいなかった。

 食草の違いなのか浅間山系等に比べ一回り大型、それでもコヒョウモンモドキとは如何にも不思議な名前を付けたものだ。

 少し離れた場所だが車を止め、その脇で撮影出来る貴重な生息地であり保護しておきたいものだ。
コヒョウモンモドキ 07/01
春先の山歩きで出会う普通種
 ヒオドシチョウといえば発生時より春先の山歩きで出遭う最もポピュラーな越冬蝶として知られている。

 “ゼフの道”で見つけた羽化直個体、素晴らしい色合いで今シーズンのお気に入りの1枚である。

 緋縅に限らずこの種の蝶は背後から撮るより斜めこの形が様になる。
  ヒオドシチョウ 07/08
表翅を見せて欲しい普通種
 開翅し綺麗なブルーの紋がある表翅を見せて欲しかった。今シーズンもチャンスに恵まれなかった。

 林の縁を飛び交う本種、時々ブルーが輝く。宮城で最初に見た時は何と大きな青いシジミチョウかと驚いた。

 他のゼフと同様に早朝だと開翅写真を撮ることが出来るのだろうか。
ウラゴマダラシジミ 07/09
コバルトブルーに光り輝くゼフの普通種
 早起きが苦手なためゼフの開翅態を撮るチャンスは非常に少なかった。6時前に家を出ての撮影た。

 光モノが好きな人であれば堪らない光景だ。私はといえば・・・・綺麗だなぁという程度かな。

 ここ“ゼフの道”には高地性のミドリシジミの他にウラクロ、アカ、ウラナミアカ等多数のゼフが飛び交っている。
  ジョウザンミドリシジミ 07/09
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 今シーズンのアサマシジミの発生は早く、ほぼヒメシジミと同時期(初見日;6/16)であった。

 “ゼフの道”で撮ったお気に入りの飛翔写真。オス同士でなく求愛シーンだと最高だったのに。

 今シーズンこそ高地性アサマ(シロウマシジミ)を撮ろうと春先から幼虫探索をしていたが実現出来なかった。
アサマシジミ 07/09
信州らしい高地性の普通種
 いつになってもコヒョウモンとヒョウモンチョウの区別に自信が持てない。今シーズンはコヒョウモンしか撮影出来なかった。

 ヒョウモンチョウの仲間では本種とヒョウモンチョウそしてコヒョウモンモドキが好きな種である。

 ヒョウモンチョウの撮り残しの原因は、どうもターゲットを絞り込みすぎたようだ。
  コヒョウモン 07/09
北海道以来初めて撮影した高地性の普通種
 1週間前にギンボシヒョウモンは長野県下のあちこちで見られることを知りそのポイントも教えてもらった。

 そして、意外な高原で本種の交尾態を見かけ普通種に近いことに納得した。

 北海道以来の対面で懐かしさを感じた。初撮影4種目である。
ギンボシヒョウモン 07/09
ちょっと惜しい気もする普通種
 宮城ではカラスが絶滅危惧T類、そして本種きU類に指定されていたが、信州では普通種の扱いだ。

 クロウメモドキをあちこちで見かける。本種も食草に拘り周辺に生きるグルメ派のようだ。

 この写真を見て蝶に合わせ、小さな蝶は小さめに、大きな蝶は大きめに撮ろうと思った。その方が雰囲気も出そうだ。
  ミヤマカラスシジミ 07/16
長野県版レッドリスト;留意・要注目指定種
 多く発生している場所だと前々から聞いていたが、ある蝶が見られると聞くまで行ってみようとしなかった。

 行ってみてビックリ“ブラボー、国蝶オオムラサキ”何でこんなにいるのかと我が目を疑っ。

 高台から見下ろし開翅撮影をしたい。そのようなロケーションが無いので木に登るしかなさそうだ。
オオムラサキ 07/16
宮城では希少種でも信州では普通種
 今シーズンはキバネセセリを見る機会が少なかった。発生数そのものが少なかったのだろうか。

 セセリチョウは“ぬいぐるみ”のように愛らしいが、本種はダイナミックスさで群を抜いている。

 キバネセセリはこんなシチュエーションで撮りたいというイメージを描いているが、未だチャンスがない。
  キバネセセリ 07/16
ちょっと無視しすぎたかな普通種
 ウラギンスジヒョウモン、ふぅ〜ん。そう聞き流したが“この辺りでは珍しい”と聞き慌てて撮る始末。
 他のヒョウモンチョウと見た目には大きな違いがないので感動もなく無理ないですね。知らないとは怖い。
 その後、何度となく通うたびに愛着が高まっていった。そして、ヒョウモンの季節が終わり姿が見えなく・・・・。
ウラギンスジヒョウモン 07/20
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 この目で裏翅の美しさを確かめてみたいと思っていた。実家近くのポイントを群馬のSさんに教えて頂くとは。

 これしかないという構図、A3版で印刷して飾ってみた。なかなかいいと思うのは撮影者ゆえか。

 行くたびに見ることが出来る貴重なポイント、工場団地としての開発がすぐ近くまで迫っている。
  キマダラモドキ 07/20
信州産はブルーの濃さが特徴の普通種
 もっと早い時期の蝶だが高地性の個体を撮りたく7月も終えようという時期になってしまった。

 ブルーの澄み具合が青空に近いようだ。草原のヒメシジミも良いが山の斜面も様になる。

 今シーズン、アサマシジミと同時期に発生した。ヒメシジミが遅いのでなくアサマシジミが早かったのだ。
ヒメシジミ 07/28
長野県版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 東北の湘南と呼ばれる亘理町で初見した時は何と大きなヒカゲチョウなんだろうと思った。

 特別な場所でない所での初見かつ撮影したという経験からして珍しい蝶という感覚は無いに等しい。

 地元のOさんの電話ナビで某所に辿り着く。夕闇が迫り諦めて帰ろうとした時に現れ薄暗い木立にとまった。
  オオヒカゲ 07/28
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 時々フィールドでお会いする埼玉のTさんに教えて頂きその美しさに魅了されていた本種の撮影に遠征した。

 草むらで腹這いになり広角撮影。今シーズンのお気に入りでA3版で印刷して部屋に飾ってある。

 その土産が一昼夜経った夜に届いた。左腕の付け根に山ダニが喰らいついているのではないか。
ヒメヒカゲ 07/28
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 ミヤマシジミ、ヒメシジミ、アサマシジミの中で春から秋まで見られるブルーのシジミチョウ。

 今シーズンは新鮮な個体に出遭えなかったように思える。発生数が例年より少なかったことも起因している。

 まだ撮影のチャンスが残っている。今度の週末にクロツと青いりん粉が表れたメスを撮りに行こう。
  ミヤマシジミ 08/03
全国版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 群馬のSさんと現地で待ち合わせということなので詳細な場所と電話番号は聞いておかなかった。

 約束時刻より早く到着するも連絡の取りようがない。やむなく自宅に電話をし携帯番号を教えて頂いた。

 1時間以上到着が遅れるとのことでポイントを聞く。大凡の見当をつけ草むらに滑り込み探索する。
ホシチャバネセセリ 08/04
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 昨シーズンと同じ鞍部で求愛・交尾撮影のチャンスがあったが満足いく撮影が出来なく残念だった。

 アザミで吸蜜するアサギマダラを3頭のミヤマシロチョウが襲い追い払う様は壮絶であった。動画で撮りたい。

 撮影は不満足な結果で終えたが目の保養が出来て大満足な一日であった。
  ミヤマシロチョウ 08/06
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 諦めていたのに新鮮な個体が撮れてラッキーだった。やはり今年は全体に発生が遅れているのかな。

 どうしても確実性を優先してしまいポピュラーな場所に足が向く。来シーズンこそ違う場所に行ってみよう。

 表翅を撮るには飛翔撮影を熟す必要がある。マニュアル設定値が定まらなく確実性に自信がない。
ミヤマモンキチョウ 08/06
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 最盛期を過ぎ意外な場所でムモンアカシジミを見つけた。来シーズンは綺麗な個体を撮影しよう。

 宮城では8月になってからの発生であったので時期が読めなかった。長野では7月下旬が最盛期のようだ。

 本種の発生をもってゼフの季節が終わる。通常であれば、これより高山蝶の季節ということになる。
  ムモンアカシジミ 08/08
全国版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 仙台出張に土日フリー切符を利用しているが8月は割引期間外なので昨年から車で行こう。

 今年は群馬のSさんにポイントを教わり若干遠回りだがツマグロキチョウの撮影を計画に入れた。

 フィールドでの見分けに心配したがキチョウと容易に判別出来た。灼熱の河原で約2時間楽しんだ。
ツマグロキチョウ 08/17
長野県版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 全体的に発生時期が遅れ気味のなか本種は昨年に比べ早かったようで新鮮な個体に出遭えなかった。

 山岳撮影にとWCLを装着していたので、接写撮影時にラッパ部がワレモコウに触れ逃げられてしまった。

 昨シーズンはびっくりするほど多く目撃出来たが今シーズンは擦れたものを含めても2頭だけだった。
  ゴマシジミ 08/20
長野県版レッドリスト;留意・要注目指定種
 今シーズンは少し発生が遅れたようだ。北アルプス産の撮影に行ったが発生初期であった。

 天候の関係で最盛期を逸してしまったが浅間山系で終盤に間に合い広角撮影に楽しむことが出来た。

 この写真は個人的に気に入っている。レンゲツツジの枯枝でなく花の方がより絵になっろだろうが。
ベニヒカゲ 08/25
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 春型より夏型が好きだ。反射して白飛びを起こすより逆光で透ける方が生々しくて絵になる。

 宮城では極限られた狭い場所に生息していたので絶滅危惧T類に指定されていたのも理解出来た。

 長野では普通に見られる。弱々しい蝶なので環境の影響を受けやすいので保護していきたいものだ。
  ヒメシロチョウ 09/08
人気が高い南国生まれの普通種
 アサギマダラの“渡り(南下)”が始まると蝶シーズンも終盤を迎える。あと何種類撮れるかな。

 今年は例年より遅く9月末がピークであった。多い日には1000頭を越える旅立ちがあったとか。

 フジバカマで吸蜜する大集団や高原の岩場で集団吸水する様を地元テレビが放映し人気の高さを感じさせた。
アサギマダラ 09/16
たくましくも哀しい“さまよえる蝶”なる普通種
 大好きな蝶の一つであり宮城にもいるが長野に来た年に信濃追分で初めて見ることが出来た。

 アサギマダラの渡り(南帰行)を見に行ったときにフジバカマで吸蜜する1頭を見かけたが撮れなかった。

 千日紅とバランスが取れたお気に入りの一枚。わざわざ遠くまで撮りに行った甲斐があった。
  ウラナミシジミ 10/05
懐かしき番外編の普通種
 安房峠を越え飛騨白川郷から富山・糸魚川・白馬と北アルプス一回りドライブで撮影した番外編。

 宮城で見た南国トロピカル風の蝶、ここ信州では見られないのだろうか、未だに目撃していない。

 富山市の外れ国道415号を走っていたとき道端の花に来ていたアオスジアゲハを見かけ急停車して撮影した。
 アオスジアゲハ 10/06
 今シーズンも終えた。感動の思い出はいくつもあった。最後に“悔しい思い出”として画像なきコヒオドシを掲載した。また来年も元気で蝶紀行を楽しもうという決意でもある。
 昨年そして今年、結構お気に入りの写真が撮れている。シーズンオフにでも“二つ折りの手紙”を入れ替えようかと思っている。
 今年は蝶の撮影に傾注したことで里山歩きが少なかったようだ。来シーズンは風景写真も増やしたいので計画的に里山歩きをしよう。