思えば懐かしく 39種で綴る'09年の蝶紀行

− 2009.11.03 −

 シーズン明けに第1回写真展“信州の蝶と千曲川”を東御市の道の駅“雷電くるみの里”で開催(4月13日〜25日)した。そしてシーズンの締め括りに時を合わせ第2回写真展(10月11日〜25日)を行った。
 写真展の開催は今年の最大目標であった。第1回と第2回は“信州の珍しい蝶15種”というサブテーマであった。今シーズンから180mmマクロが戦力に加わったこともあり作風も第2回から異なった。
 今シーズンでの宝物は、何と言っても“ベニヒカゲの紋なし型”と“ヤマトシジミの斑紋異常型”である。撮影紀行は奥会津と南信濃の遠征が思い出に残る。来シーズンも飛び回れるようシーズンオフは里山歩きをして体を鍛えたい。
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 カタクリでの吸蜜シーン、ここ数年ねらているのだが開花と発生時期が合わない。これも温暖化の影響だろうか。
 昨年に続き今年もイエローバンドの出現率が高かったように思える。県外からの遠征組はキッチリと収めているのに地元なのに空振りばかり。
 一応、イエローバンドであるが確認しにくい構図であり残念だ。暗い背景を選びストロボをたくとクッキリとバンドが浮かびあがるのだが。
ギフチョウ(イエローバンド) アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科 撮影日;05/03
 
長野県版レッドリスト;留意・要注目指定種
 ギフチョウとの混生地での撮影。そのうちにギフとヒメギフの混種個体が撮影されるかも知れない。そうなったら大ニュースになるだろう。
 地元産を探索したのだが撮れていない。すぐ近くにいるというので来シーズンこそ時期を合わせて行ってみよう。
 東信にも何箇所か生息地があるようだ。リスクを負って探索するのも楽しいが空振りを恐れ毎年同じ場所に足を運んでしまう。
ヒメギフチョウ アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科 撮影日;05/04
 
静止開翅の目撃・撮影は初めて
 奥能登の棚田を撮影に行った。結構遠かった。棚田を見下ろす高台で偶然にも開翅虎を見つけ棚田撮影に先駆け蝶撮影になってしまった。
 海の見える場所であったので、何とか海と棚田を入れ広角撮影に挑戦してはみたものの足場固定で草の根を踏みつけ逃げられてしまった。
 数カットの撮影であったが表翅の構造色が忠実に表現出来たと・・・・自己満足の一枚だ。なかなか開翅する種ではないので嬉しかった。
トラフシジミ シジミチョウ科ミドリシジミ亜科 撮影日;05/09
安定的発生地を見つけた信州生まれの蝶
 春から秋まで安定的に確認出来る発生地を見つけることが出来たので安心して案内できる種の一つになった。
 アサマ・・・・、皮肉にも浅間山系の東信での産地は未確認である。浅間山の噴煙を遠景に広角撮影できたら・・・・やり過ぎかな。
 羽化直で綺麗な個体だが全体が丸く閉じかかっているためイチモンジでありながらイチモンジらしからぬ蝶に見えてしまう。
アサマイチモンジ タテハチョウ科タテハチョウ亜科 撮影日;05/28
 
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 ヒメジオンでの吸蜜シーン、東御市の保護地でも見られないことはないだろうが少しばかり様子が違うような気がする。
 当地はごく狭い場所に多くの個体が放蝶されているので探し回る必要もなく撮影には向いているが自然さが薄いのは残念だ。
 メスの個体、表翅周辺部の黒い部分があり、その黒さで飼育品(濃い)か自然品(薄い)かが判別できるようだ。
オオルリシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;05/28
 
絶滅危惧U類指定種
 今年は北海道からYさんがクモツキ・オオルリ・山ギフ撮影で来られた。オオルリと山ギフの撮影は出来たがクモツキは目撃で終えたようだ。
 その時に撮影したピンの甘い一枚が今シーズンの唯一とは寂しい結果である。これも地元勢の油断かな・・・・。
 ここ数年で撮影者が大分増えた。それぞれの方がブログに成果を掲載されている。このことが採集者を呼び寄せることにならねば良いのだが。
クモマツマキチョウ シロチョウ科シロチョウ亜科 撮影日;05/30
 
一回り小振りのウスバシロチョウ
 北アルプスの山麓に一回り小振りなウスバシロチョウが生息していると聞いてから何年も経つのに一度も目撃していない。
 発見に3年を費やした。写真では相対的な比較物がないのでその小ささが伝わらなく残念だ。それにしても小さかったですよ。
 高標高なので北海道に生息するヒメウスバシロチョウの仲間じゃないかと期待が膨らむ。どうも変異型ではなく単なる栄養失調らしい。
ウスバシロチョウ アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科 撮影日;06/07
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 今シーズン、アサマシジミの発生は少なかったような気がする。例年の発生場所に行っても全く目撃出来ない日もあった。
 密かに知っていた場所に行ってみたが見当たらない。今年ばかりは絶滅危惧種だなと実感した。来シーズンはどうだろうか。
 来シーズンは東信で安定的発生地の探索(確認)をしてみようと思う。簡単に行ける場所ではないので時期を合わせる難しさがある。
アサマシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;06/21
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 安定的(多産)発生地、例年より個体数が少なかったが余り知られていないこともあり良い状態で発生していた。
 寒冷地ということもあり当地は1化性である。この作品を見て思うのだが、来シーズンはスポットフラッシュを取り入れてみたい。
 あの場所にも生息しているのではという心当たりがあるので来シーズンは探索してみたい。(時期的に他種がいないのでリスキーだが)
ギンイチモンジセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;06/21
 
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 狭い発生地だが安定的に発生しているので安心している。時々採集者を見かけるが、捕獲はほどほどにして欲しいものだ。
 背の高い萱場なので撮影者が踏み潰す足跡を見るこ心苦しい。踏み潰す度合いは採集者より高いので地権者からみれば迷惑な存在だろう。
 アリと一緒にいる場面を撮りたいとチャンスをねらっているのだが未だに実現出来ていない。本種での撮影課題として早期に実現したいものだ。
クロシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;06/24
 
全国版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 キマルリとチョウアカ、同一日での撮影は難しいとTさんから返信メールが届いた。一方のみでの撮影紀行は厳しい。
 Tさんのホームページをチェックしていたら「まだ行ける」との書き込みがあったので迷うことなく日帰りで峠越えをした。
 やや擦れてはいたが開翅してくれたところを撮影出来た。撮影は15時から17時なので、どう急いでも帰宅は22時を回ってしまう。
 キマダラルリツバメ シジミチョウ科ミドリシジミ亜科 撮影日;06/27
全国版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 数10年昔に持ち込んだ飼育種とのこと、これだけ続いているので生息環境が合っているので当地産として認めても良さそうだ。
 撮影の足場が悪かったので逆光で表紋の透かしをチラチラと眺めるに止まり撮影出来なかったのが残念だ。
 アカシジミの仲間とは思えない綺麗さに撮影を忘れ、しばし眼の保養をした。片道5時間の遠路を来た甲斐があった。
 チョウセンアカシジミ シジミチョウ科ミドリシジミ亜科 撮影日;06/27
 
人為的に海外から持ち込まれた蝶(県外撮影)
 ついでとはいえTさんの蝶の森で本種もおまけで撮影した。これも飼育種だ。羽化直なのでとても綺麗だった。
 もともと海外から人為的に持ち込まれて広がった種なので何処で撮影しようと同じことだ。繁殖力の強い害虫なので取り扱いには注意したい。
 今年、クマソ(クロマダラソテツシジミ)の上陸ということが関東圏でニュースになったようだ。かなり強烈な繁殖力、早い段階で対処せねば。
ホソオチョウ アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科 撮影日;06/27
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 当地は工場用地として雑木林の伐採が進んでいる。オオムラサキの生息地でもあり本種においても絶滅が危惧されている。
 例年に比べ個体数が少ない。農道も下草が刈り取られていなく鬱蒼としていた。後数年で当地から本種の姿が見られなくなるであろう。
 来シーズンから本種の撮影地は東信から大北に変わるであろう。証拠撮影でなく絵になるオオヒカゲも撮影してみよう。
キマダラモドキ タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科 撮影日;07/05
 
長野に転居し6シーズン目で普通種になる
 ミスジチョウの仲間で宮城に生息しているのは多分コミスジぐらいではなかろうか。ミスジチョウを見つけると何だろうかと胸が躍る。
 イチモンジ、フタスジ、ミスジ、南方系を除けばこれらの仲間を全部見ることが出来る。未撮影はオオイチモンジ、来シーズンこそは・・・・。
 本種もオオミスジも注意して探すと以外にも出会うチャンスが多い。ようやく私的にも“普通種”として定着してきた。
ホシミスジ タテハチョウ科タテハチョウ亜科 撮影日;07/05
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 大北地域に生息する本種は亜高山帯のものと比べて大きさと色合いの点で異なる。本種は栄養が良いのか一回り大きく色合いも瑞々しい。
 撮影のし難い種の5本指に入るのが本種である。裏面の銀紋の美しさに比べ、表翅のくすみの表現が難しく納得の一枚が未だに撮れていない。
 来シーズンは低地性の本種で納得の一枚を撮ってみたい。食草であるクガイソウでの吸蜜体が撮影出来ることを目標とする。
コヒョウモンモドキ タテハチョウ科タテハチョウ亜科 撮影日;07/19
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 注意して探すと以外に撮影チャンスが多い。背景処理が綺麗に仕上がった一枚でお気に入りフォルダに収まっている。
 出来れば上のコヒョウモンモドキと足して割ったぐらいが最高かもしれない。このような撮影には外部ストロボの活用が不可欠だと思う。
 光量調整がきくピンポイントフラッシュ(レンズと反射板)装置をシーズンオフを利用して改造製作してみよう。
スジグロチャバネセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;07/19
 
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 浅間山系と八ヶ岳とでは生息環境が若干異なるのだろうか、撮影されたものにもその差が現れているように思える。
 そう言いながら今シーズンも浅間山系になってしまった。今年は本種の他、ミヤマモンキチョウも1回しか行っていない。
 もしかして、ベニヒカゲの撮影にも行っていないような気がする。高瀬川・梓川撮影紀行とオオゴマ・ゴマ撮影で機会を失っていたのだろう。
ミヤマシロチョウ シロチョウ科シロチョウ亜科 撮影日;07/20
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 ロープが張られ撮影が難しくなってきた。それでも遊歩道で座り込みチャンスを狙っての一コマが開翅シーン。満足だったね。
 被写体から離れていたこともあり180mmマクロだが背景処理がイマイチ綺麗にあがっていないく残念だ。
 ミヤマシロチョウとのツーショットが撮影できた。ミヤマシロチョウの静止に本種の飛翔という組み合わせ。飛翔がイマイチでボツ写真。
ミヤマモンキチョウ シロチョウ科モンキチョウ亜科 撮影日;07/20
身近になってきたフタスジチョウ
 本種も私的には珍しく憧れの蝶の一つである。そんな理由で毎回登場する。サカハチ同様、子供の頃に家の庭で見たような記憶もあるが・・・・。
 信州でも平野部では余り見かけない。やや高標高地に生息することを考えれば北方系の蝶なのかな・・・・やはり環北極ヨーロッパ系だものね。
 東北に分布するも、確か宮城では見ることが無かったような気がする。北海道産に比べると筋細が特徴のようだ。
フタスジチョウ タテハチョウ科タテハチョウ亜科 撮影日;07/23
 
時期遅れの高地性ヒメシジミ
 時期遅れのヒメシジミであるが高標高地であったので新鮮な個体も多く一味違った撮影が出来た。それにしてもメスばかりだ。
 来シーズンは当地でテントを貼り高山蝶を執拗に追い求めてみたい。そんな話をしたら千曲川の撮影をしている兄が付き合うと言ってくれた。
 高瀬川噴湯丘撮影のように二泊三日でチャンスを待てば3種ぐらいは撮影できるかも知れない。それまでに撮影地の情報収集をしておこう。
ヒメシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;07/26
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 今シーズンの目標の一つにタカネキマダラセセリがある。撮れない代替という訳でないが稀少種なのでキチンと撮影しておいた。
 裏面も綺麗なので表裏を同時に写し込みたい。もう少し開いたところも記憶にあるので撮影出来たらとチャンスを狙うのだが・・・・。
 被写体の目標を決めて出掛けるので、ある種に集中してしまう。来シーズンは漏れのないよう貪欲に撮影種を増やしたい。
キマダラセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;07/27
 
標高の高いところで普通に見られる蝶
 本種に初めて出会ったのは白老ポロト湖畔の草地でのこと、小さなヒョウモンという感動的な出会いであった。
 宮城にはいないと思う。長野に来て高標高地に行くと普通に見られる。大型のヒョウモンに比べ小型であるので愛らしい。
 ヒョウモンチョウとの区別がつけにくい。ヒョウモンチョウの方が数が少ないので意識の中では飲み込まれてしまっている。
コヒョウモン タテハチョウ科タテハチョウ亜科 撮影日;08/01
長野県版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 黒ゴマ(山ゴマ)の開翅、ほんのりとした紋を鮮やかに撮影出来たらと悔しい思いを残す一枚になってしまった。
 本種の撮影は朝方が勝負のように思える。今回は少し油断し現着前の道草が祟ってしまい到着したばかりのワンチャンスだけで終えてしまった。
 今シーズンの180mmマクロ撮影、その殆どがオートフォーカスの追従不良に手を焼きマニュアル撮影になっている。
ゴマシジミ(山ゴマ/黒ゴマ) シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;08/01
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 本種を初めて撮影した場所では、個体数が減少しているように思える。当撮影地での存続も危ぶまれる雰囲気だ。
 ホシチャを含め、廃スキー場等で安定的に発生してくれることを望みたい。ギンイチのマイポイントのような場所を見つけよう。
 セセリチョウといえば蝶より蛾に近い雰囲気を持っている。しかし顔の表情は縫い包みのような童顔で魅力的なものを持っている。
アカセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;08/08
 
長野県版レッドリスト;絶滅危惧T類指定種
 お気に入りの一枚、贅沢を言えば深度を深め花にもピンが合えばと思うのだが。縦位置の構図だが編集の関係で横位置撮影がどうしても多くなる。
 一色の背景にぼかしたら被写体がもう少し引き立っただろう。撮影時には、どうしても逃げてしまったら・・・・との思いが先行し余裕が持てない。
 土地開発で人の手が入ったら狭い場所なので即絶滅してしまうだろう。この場所もあと数年かな?撮れるうちに通っておこう。
  
ホシチャバネセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;08/08
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 飛び始めるのが14時、その少し前に現地入りした。御神木の幹周辺を這い回っていた。露出不足のため近くでの撮影なのにお気に入りがない。
 近すぎるのでストロボをたくと色飛びを起こす。光線度合いを確認しながら被写体の移動を祈りながらの撮影。なかなか思うようにいかない。
 デジカメが苦手とする黄色系の被写体なのでRAW撮影すれば良いだろうが保存を考えると切り替えにいま一歩踏み出せない。
ムモンアカシジミ シジミチョウ科ミドリシジミ亜科 撮影日;08/08
長野県版レッドリスト;留意・要注意指定種
 ネライ始めて2シーズン目、今シーズンは初回で幸運が訪れた。前夜の集中豪雨で通行止めになっていたので事の他嬉しかった。
 小雨が振り出し下草に潜り込んだ個体の撮影、根元から這い上がる際に1回転、幸運にもその始終を撮ることが出来た。
 他に撮影対象種が居ない場所なので今シーズンの撮影紀行は1回だけになった。前日と撮影地を入れ替えたのが大ヒットにつながった。
ベニヒカゲ(眼状紋なし) タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科 撮影日;08/09
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 憧れのオオゴマ撮影、新鮮な個体には巡り会えなかったものの思いもほか多くの個体がいることに感動した。
 撮影出来たのはボロボロの個体、傷口を覆い隠すべく撮影角度に苦労した。やはりもう一周早い方が良かったと思う。
 本種の生息地も残念なことに蝶より採集者の数の方が多かった。夫婦子連れの採集者にはいろんな意味で疑問を感じた。
 オオゴマシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;08/15
 
長野県版レッドリスト;絶滅危惧U類指定種
 青ゴマの開翅シーンを撮りたく2週に渡り遠征した。様子が分かったので来シーズンはリベンジツアーを計画しよう。
 当地のゴマは午後14時以降が撮影には適していそうだ。それも天候の変化が著しい日の方が開翅チャンスにも恵まれると思われる。
 来シーズンの撮影ツアーの企画(オオゴマ→青ゴマ→夏チャマ)がまとまった。今シーズン同様一泊二日になりそうだ。
ゴマシジミ(青ゴマ) シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;08/16
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 麟粉の少ない夏型が撮影には向いている。弱々しく舞うにも係わらずなかなか止まってくれないので撮り難くく空振りも少なくない。
 止まっても開翅してくれないので飛翔撮影の対象種の一つとしている。こうなると飛翔専用カメラが欲しくなる。
 今シーズンから180mmマクロを導入したが、来シーズンは90mmマクロも考えねばならないのかな・・・・。
ヒメシロチョウ シロチョウ科コバネシロチョウ亜科 撮影日;08/29
集団吸水が絵になる普通種
 集団吸水の場面を捕らえたく意識しているのだがチャンスに恵まれない。水溜りの周辺を巴で舞っていたがフレームに入るのは絶えず1頭のみ。
 林道での吸水場面を地面すれすれから林道の奥行きを取り込めて撮影したい。このようにああしてみたい、こうしてみたいというのも楽しい。
 種の生態特徴を取り入れての撮影、ずっと思い描いているのだが実現出来ていない。だからこそ毎シーズン同じ種を撮り続けるのであろう。
ミヤマカラスアゲハ アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科 撮影日;08/29
 
長野県版レッドリスト;準絶滅危惧指定種
 早春から晩秋まで楽しませてくれる珍しい蝶といえば本種とクロツぐらいしか思い浮かばない。3化もしくは4化ぐらいの発生だろうか。
 春は春らしく夏は夏らしく、そして秋は秋らしいブルーの輝きを魅せてくれる。なかなか見つけられないが青麟の発達したメスも魅力だ。
 姫御三家、ヒメシジミは勿論のこと本種も至る所で見ることができるので嬉しい。いつまでも種の継続を維持したいものである。
ミヤマシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;09/05
 
渡り蝶として知られている
 アサギマダラの渡り・・・・蝶シーズンの終盤における一大イベントだ。今シーズンは10名程の顔なじみによる撮影会が催された。
 サブテーマは“飛翔”、コントラストがはっきりしている被写体がふあふあ舞うのでビギナーでもそれなりにまとめられる。
 アサギマダラの渡りを町興しにしようという計画があるようで、フジバカマの栽培ノウハウ等について視察団が来られたとの事を耳にした。
アサギマダラ タテハチョウ科マダラチョウ亜科 撮影日;09/20
  
主役違いではあるが
 クロツバメシジミと同居しているといえばミヤマシジミを挙げることが出来る。他にあまり花がなかったためか意外な組み合わせになった。
 例年、その発生を確認する犀川左岸の山肌に広がる耕作地、今年はマメの耕作を止めたのか土肌が広がっていた。
 マメ科植物を食草とする本種とツメレンゲ、似合わないが結構普通に集まっている。今年の初見は、ゴマシジミの撮影に行った8月であった。
ウラナミシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;10/04
長野県版レッドリスト;留意・要注意指定種
 早春から晩秋まで楽しませてくれる蝶といえば本種とミヤマシジミかな。本種はギラギラ照りつける真夏の石垣の蝶という印象が強い。
 季節感を出そうとするなら紅葉したウルシ科のヌルデ(塩麩子)で開翅するクロツバメシジミが絵になる。
 今年は新たな生息地を探してみた。点在ではあるが以外にも広範囲かつ多くの場所に生息していることが分かり嬉しくなった。
クロツバメシジミ シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;10/04
 
移動性を持つセセリ?
 宮城に居た頃、生息地でもないのに自宅庭先で吸蜜している個体を見かけた。確か台風が去った後だったかと記憶している。
 長野に転居してからは実家の庭で何度か見かけていた。移動性を持つのか温暖化で北上しているのか分からないが普通種のように見かける。
 どことなく遠慮がちな斑点が印象的で親しみ深いセセリチョウだ。ちょっとアップで撮りすぎたようだが斑点を表現したかったからだ。
チャバネセセリ セセリチョウ科セセリチョウ亜科 撮影日;10/04
 
普通種なるも鮮やかな斑紋異常の絶品
 クロツバメシジミの発生地とミヤマシジミの青麟発達したメスを探しに某河川敷を定点より数kmに渡り川下へと探索した。
 期限が迫っている仕事を抱えていたが、余りにも綺麗な秋晴れに誘われ午前中と決め込み出掛けたものの現地を後にしたのは14時を回った。
 堤防道路を走り国道に戻ろうとしたとき、河川敷に広場があり何か強い引力のようなものが働いた。そこでの出遭いがこれである。
 ヤマトシジミ(斑紋異常) シジミチョウ科ヒメシジミ亜科 撮影日;10/04
 
橙赤色紋の発達した珍品
 明日からの写真展開催で来ている兄のお伴をして犀川撮影紀行に出掛けた。蝶の少ない年のようだが本種は例年より多く見かけている。
 県歌“信濃の国”で詠われている久米路橋を撮影し車に戻る途中で日光浴をしている本種を見つけた。異常型とまではいかないが赤味が強い。
 今シーズンの締め括りは“ウラギンシジミ”になった。急激に冷え込み今朝の善光寺平を囲む里山は薄っすらと初雪化粧をした。(09,11,3
ウラギンシジミ シジミチョウ科ウラギンシジミ亜科 撮影日;10/10