夫婦岩(宮城県丸森町) ; 静けさと松籟の岩山

− 2001.7.10 (火) 曇り −

 丸森町筆甫にある夫婦岩(572m)は、今回で5回目です。阿武隈山地の北端に位置する丸森町筆甫は、宮城県内でも雨量の多いところです。
 夫婦岩は、堆積した凝灰角れき岩(霊山層)が河川の浸食作用で、高さ50m、総延長4500mにも及ぶ岩稜・断崖地帯を形成したものだそうです。昭和63年に阿武隈渓谷県立自然公園に指定され、登山コースもきちんと整備されています。
 杉林を抜けると階段が
  煩わしいブヨもここでサヨナラ
 急坂にはクサリが敷設
  この辺りで松籟を聞きながら休憩
 夫婦岩は、ゼフィルスの仲間を多く見つけたり、山頂で群舞するオオムラサキに出合ったり、松籟の聞こえる山として記憶に残っています。
 山頂の岩場に咲く可憐な花
  ミヤママンネングサ ベンケイソウ科
 凝灰角れき岩(霊山層)
  河川の浸食作用で形成された奇岩
 天気予報だと晴れ、でも霞のかかった天気です。オオムラサキを撮影するため、私にとっては早起きです。9時に家を出て、10時に登山口の駐車場に着きました。
 風が無く湿度もあるのか、杉林を抜け階段にさしかかった所で、早くも500ccのペットボトルは空になりました。まだ、15分も歩いていません。
 階段の中程で「メスアカミドリシジミ」を見つけ、3枚の写真を撮りました。結果的には、これが成果の全てです。昨年の7月1日に来た時、ウラクロシジミがいくつもいた場所、今年は全く見かけません。メスアカミドリシジミやオオミドリシジミ、ウラナミアカシジミもいた階段上の尾根、ここにもいません。そして山頂、オオムラサキの影もありません。いつたい、どうしたことか?
 見晴らし岩に続く岩場に咲くミヤママンネングサ、そこで吸蜜するベニシジミ、時折訪れるウラギンヒョウモン、メスグロヒョウモン、トラフシジミ、ルリシジミ、キアゲハ、ミヤマカラスアゲハを眺めての昼食です。
 見晴らし岩まで探索、そして約1時間が経過しました。もう一度、オオムラサキがいるか確認、キアゲハだけで影一つなし。
 見晴らし岩からの展望
  これ以上は怖くて近寄れない・・・・
 夫婦岩からの展望・・・・やっぱり怖い
  樹木の間に見える岩からの展望
 方向違いの夫婦岩まで片道10分足らず、途中にイチヤクソウが一輪だけ咲いていました。それにしても暑い、汗が目に流れ込みナキベソ顔になってしまいました。夫婦岩で、上半身裸になりシャツと下着を乾かしていると、珍しく(過去4回、出合ったことありません)人声が聞こえてきたので慌てて身支度をしました。
 今日は、何しに来たのだろうか・・・・そう思いたくなるような結果、でも、メスアカミドリシジミの撮影や松籟(松の梢を吹く風の音、特にアカマツの風切り音が素晴らしい)も聞けたことだし良しとしましょう。駐車場に戻ったのは13時45分、約4時間弱の自然とのふれあい、万歩計のカウンタは5400歩でした。