後白髪山(宮城県仙台市) ; 自然に戻った登山道

− 2001.7.21 (土) 晴れ −

 今回は、久しぶりに未踏の山を選びました。奥羽山脈「船形連峰」の南方に位置する後白髪山(1423m)です。仙台平野から眺める山容と山名に惹かれ、一度登ってみたかった山です。
 奥羽山脈上にある船形連峰は、東西南北の4方向に尾根を連ねる十字連峰であり、交点で最高峰をなすのが船形山、東方に蛇ケ岳・三峰山・北泉ケ岳・泉ケ岳、西方に仙台カゴ・最上カゴ・柴倉山・白森・長谷山・甑岳、南方に後白髪山・戸立山・寒風山、北方に荒神山・黒森へと達している。後白髪山は、なだらかなラインの山肌に最後まで雪形を残し、ハイマツに囲まれた広い山頂からは遠く朝日・飯豊連峰まで見渡せる。
 関連書籍を参考に「宮城の名山」で紹介した後白髪山、自らの足で確認してきました。・・・・さて、どんな山だったでしょうか?
 
 昨日の東北南部に続き、今日は東北北部も梅雨明けしました。昨日の夕方は、梅雨明けを感じさせない空模様でした。天気予報も「晴れ/曇り、10〜20%」でしたが、快晴を信じ昨夜のうちに決行を決め、私としては珍しく24時に就寝しました。
 家に残した登山計画は、次の通りです。
 
 
岩沼発 登山口 後白髪山 登山口 定義 岩沼着
5:30 7:00 10:30
11:30
14:30 15:30 17:00
後白髪コースの往復ルートで、余裕をみて登り3時間30分/下り3時間とりました。
 中央の山影が後白髪山
  大倉ダムサイドより
 定義林道にある後白髪コース登山口
  4km地点、標高750mの標識
 今朝は4時30分に起床、こんなことは何十年ぶりかです。どんよりした空模様、絶対に晴れる。そう言い聞かせ、予定より10分遅れの5時40分に家を出ました。土曜日の早朝、車の流れは予想以上によく、定義手前の大倉ダムに6時45分に着きました。ダムサイドから後白髪山を撮影(左上写真)、濃霧注意報が出ていましたが青空が広がり登山日和になりました。
 コースの案内本にとらわれ過ぎ、定義林道の入口を直進通過してしまいました。西隣の林道を山頂近くまでドライブし1時間以上のロスタイムが生じ、登山口の後白髪コース4km地点(右上写真)に着いたのは8時15分でした。
 登山道入口の定義林道を、グリーンに輝き勇ましく舞う3頭のオオミドリシジミに見とれ8時30分のスタートになりました。
 ササを撮影したのではありません
  何を撮影したのか・・・・本文に記載
 後白髪コースと横川コースの合流点
  湿地帯で登山道は広くても・・・・
 4km地点からブナ林の中を快適に歩けたのは水茶屋まで・・・・。登山口に「ササが登山道を覆っているので危険、横川登山口より入山するよう」との案内があったことを思い出しました。覆うという意味を甘く受け止めていたようです。
 まさに左上の写真、覆うどころか登山道からササが生え、踏みつけたササで滑り6回も転んでしまいました。この状態が山頂付近まで続きます。標識も朽ち、下空沢と上空沢の渡渉点では道を誤ってしまいました。それに、横川コースと合流する直前の湿地帯も歩けたものではありません。
 後白髪山の山頂
  三角点より目立つ船形山への道標
 横川林道を横切る神掛沢の支流
  
 後白髪山の山頂に着いたのは13時15分、5km、2時間30分(休憩含まず)のコース、何と4時間45分もかかりました。食欲もなくなりました。
 ビギナーの皆さん、後白髪コースは絶対に利用しないでください。山頂の手前鞍部の湿地帯、6〜7月は高山植物が咲きそろうと紹介されていましたが、時期が遅かったのか花一つ見かけませんでした。ササと湿地に悩まされ、何一つ楽しみのない登りでした。
 南方に雲があったので、山頂からの眺めは船形十字連峰の東〜北〜西だけでした。予定を大幅にズレ込んでいるので、30分強で下山することにしました。下山は遠回りの横川コースを選び、横川林道を下り駐車場所に17時着の予定で戻ることにしました。
 山頂を後に、鞍部の湿地帯を通過したとき、アサギマダラがふぁ〜と目の前を横切りました。急坂ですが歩きやすいブナ林の横川コース、横川林道の登山口に着いたのは15時10分でした。
 横川登山口、既に3リットルの飲料水は底をつきました。林道を下っていると沢を流れる水の音が聞こえてきました。右上写真のように、林道を横切る流れです。流れ出してくる方向を見ると、温泉を思わす湯気が出ていました。実は外気との温度差による水蒸気です。水温はどれくらいでしょうか、流れに手を入れ続けられない冷たさです。顔を洗い汗を拭き、乾いた喉を潤し生き返りました。後白髪山登山における最高のオアシスでした。
 4km地点に戻ったのは16時45分、ササと戦った8時間強の山歩き、万歩計のカウンタは16000歩、疲れました。右足も傷みます。里の「定義如来」周辺の店は殆ど閉店、閉店準備に遅れた店で名物の三角揚げを土産に、家に戻ったのは19時でした。