オオルリシジミの棲む家終着駅から始まる2011年の蝶
 
1棟目土台組み(2010,09,14) 1棟目組立完了(2010,09,26) 入居直前(2010,12,16)
何もかもガレキに(2011,04,06) 地盤沈下で湿地化(2011,05,21) 消えた常磐線山元駅(2011,08,20)
 昨年はログハウスのセルフビルドに集中した年であった。今年は未曾有の東日本大震災(2011,3,11;M9.0)が発生し東北沿岸部を襲った巨大津波で2万人を超す死者不明者、私たち家族の心の故郷も甚大な被災地と化した。
 地元のヒメギフチョウ探索に明け暮れ撮影紀行が出遅れた。結果は空振り、それでもと白馬に行くことは行ったが目撃すら出来なかった。

 全くの未撮影というのも寂しいので、高地性を求めて新たな場所を探索する。高標高なのでカタクリも新鮮であった。(白馬村;
05,18
ギフチョウ アゲハチョウ科 ウスバアゲハ亜科 準絶滅危惧 白馬三山
 第1化のクロツバメシジミ、ここでは年3回発生する。本河川中流域には広く食草のツメレンゲが自生し本種もそれに沿って発生している。

 早春の若葉から晩秋の紅葉までの3シーズン、河川敷の四季折々の植物と調和し実にいろんな形で楽しませてくれる。(大町市;05,18
交尾(羽化不全) クロツバメシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 留意・要注目
 トラフシジミの春型、信州では夏型も見られるので2化性であろう。食草周辺で生活するというが結構いろんな場所で見られる。

 「あっ居た」とカメラを向けても大抵の場合は飛び去ってしまう。そのくらい敏感な蝶のため気に入った作品は少ない。(大町市;
05,18
トラフシジミ シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科 夏型(霧ケ峰07,23
 県指定の天然記念物である。そんな蝶が庭先に飛んでくる。非公式であるが、我が家に“オオルリシジミの棲む家”と名付けた。

 光線の角度で強調され面白い絵になった。まるでオス・メス混成体のようにも見える。(東御市;05,18
 
求愛されるオス オオルリシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 絶滅危惧T類
 阿武隈川(宮城)の河川敷で偶然出遭ったのが最初で最後、長野では棲息するも局所で居場所も不詳、何時かは撮影したいもの・・・・。

 ところが、某ブログから昨年まで住んでいた近くに棲息地が2ケ所もあるというのではないか、ならば里帰り撮影せねば。(長野市;
05,28
ジャコウアゲハ アゲハチョウ科 アゲハチョウ亜科 オス
 今シーズンは2回、沢奥まで行くも撮影は姉と山菜採りに行った時に撮影出来たのみである。

 しかし、蟻との激戦模様を一部始終撮影出来たのは偶然とは言え最高の出来であった。吸蜜時間が極めて短く風も吹いていたが、ジャスピンだった。(白馬村;
06,03
蟻との激戦で宙返り クモマツマキチョウ シロチョウ科 シロチョウ亜科 絶滅危惧U類
 今シーズンで最も熱の入ったのはアサマシジミの撮影だ。まずは、食草のナンテンハギで吸蜜する低地性のオスだ。

 このポイントは、同地の棲息地で最もブルーが美しい個体が多く発生する。残念ながら下草刈の最中で個体は少なかった。(白馬村;
07,02
アサマシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 同一個体を正面から
 信州にはヤリガタケ・シロウマ・ミョウコウという高地性のアサマシジミがいる。ヤリガタケは天然記念物に指定された時期もあった。

 これらの撮影が夢であった。折りしもミョウコウシジミの撮影が適った。比較する意味でアサマシジミと並べる。(撮影場所・日時不問)
別の棲息地で撮影 ミョウコウシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧
 ミスジチョウ属の中で最も大型のオオミスジはコミスジと同じような舞い方をするが、その大きさから優雅さに加え迫力もある。

 たまに見かけるだけで、じっくりと見詰めたこともなく撮影記録も少ない。まさか我が家の庭に飛んで来ようとは。(東御市;
06,22
オオミスジ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科 我が家への珍客
 普段は開翅しないキマダラモドキも、早朝では・・・・この通り全開状態でした。早起きは三文の徳とは良く言ったものです。

 樹の幹・小枝・葉・下草でも、こぞって開翅。工場団地の造成で雑木林が激減、近くで棲息している場所を探さなきゃ。(上田市;
07,11
日中はなかなか開かない キマダラモドキ タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 準絶滅危惧
 湿原を囲む遊歩道、樹林帯の中で木漏れ日があたる狭い場所でウラジャノメが屯していた。そして、交互に開翅していた。

 今まで幾度となく見かけるも、まともに撮影出来たことがない蝶の一つ、心行くまで楽しめ満足ゆく撮影が出来た。(霧ケ峰;
07,11
ウラジャノメ タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 表翅はこんな感じ
 仕事で塩尻に行った帰りに霧ケ峰に立ち寄った。湿原を囲む遊歩道脇でギンイチモンジセセリを多数見掛けた。(霧ケ峰;07,11

 撮影日は前後するが、嬉しいことに市内15分足らずの所でギンイチモンジセセリの発生地を突き止めることが出来た。
市内発生地を発見(06,24 ギンイチモンジセセリ セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 準絶滅危惧
 ゼフィルスの輝きは魅力的だが、撮影記録となれば本当に少ない。嫌いな蝶というわけでもない。早起きが苦手なだけ。(上田市;07,03

 本種の地域変異は大きいようだ。大北地域には副画像のように斑紋が太くなる個体が多く、慣れないとメスと見誤ることがある。
ミズイロオナガシジミ シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科 地域変異(小谷村;07,03
 橙地に黒縞模様、撮影深度が浅いので全面にピントを合わせるのが難しい。そんなこともあり満足する写真は一枚もない。

 アカシジミの仲間は、なかなか開翅してくれないので鮮やかな橙の表翅を撮影することが出来ない。一つの課題だろう。(上田市;07,03
ウラナミアカシジミ シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科 準絶滅危惧
 クロシジミは渋い蝶の代表格、今シーズンは一度だけ撮影に行った。自信ないけど主画像がメスで副画像はオスだと思う。どうだろうか?

 クロオオアリとツーショットの写真、以前に一度撮影したことがあるが決定打になっていない。いつか撮りたいものだ。(小谷村;
07,02
クロシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 絶滅危惧T類 多分オスかな?
 ハイシーズンは、どうしてもメジャーな蝶ばかりに目が奪われる。昨シーズンの終わりに“身近な蝶”を収録してみたが寂しい限りだ。

 身近な蝶ほど、お気に入りの一枚というものがない。普段から、もっと注意深く観察しカメラを向けないといけないね。(上田市;07,01
(山ノ内町;08,27 ダイミョウセセリ セセリチョウ科 チャマダラセセリ亜科
 車で行く仙台出張の道草は、シルビアシジミとツマグロキチョウの撮影である。シルビアシジミは初見の蝶である。

 河川敷での探索は熱中症との戦いになる。ヤマトシジミが飛び交う中から1頭を探したときは流石に興奮した。(栃木県;
07,15
シルビアシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 (栃木県;08,19
 シルビアシジミ同様、車で行く仙台出張の楽しみである。シルビアシジミより1シーズン早く撮影出来ている珍蝶だ。 (栃木県;07,15

 一目でツマグロと判別できる秋型を撮影するも、現着はいつも昼になる。灼熱の河原、暑さを避け草むらに潜り込み絵にならない。
秋型(栃木県;09,16 ツマグロキチョウ シロチョウ科 モンキチョウ亜科 絶滅危惧U類
 今シーズンから霧が峰に行く回数が増えた。思いの外、蝶の宝庫であることにビックリした。1時間強なので長野から白馬に行く程度だ。

 コヒョウモンモドキの表紋は独特で好きな蝶の一つ、しかし“これだ!”と言える写真は残念ながら未だにない。(霧ケ峰;
07,22
コヒョウモンモドキ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科 準絶滅危惧 獣糞に集まっていた
 スジボソヤマキチョウは今まで里のものばかり撮影していた。掲載画像は、いずれも山岳部で撮影したものを掲載する。(霧ケ峰;07,23

 今シーズンから八ヶ岳方面に出掛けたいと思っていたが、実行できたのは副画像のみ。いつか、クモベニを撮りたい。
(佐久穂町;07,23 スジボソヤマキチョウ シロチョウ科 モンキチョウ亜科
 平地性に比べ高地性のヒメシジミは、アサマシジミに近い雰囲気を感じさせブルーも格別に綺麗だ。発生は1ケ月程度遅いようだ。

 副画像は、斑紋異常とまでは言えないが橙帯の内側に並ぶ黒斑点がいやに濃く感じる。(霧ケ峰;
07,22
 
ヒメシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 ちょっと色黒のメス
 今までホシチャバネセセリは群馬まで撮影に行っていた。ひょんなことで長野県産を見つけた時は驚きより嬉しかった。

 誰からも情報を得ずに探索した成果としては、今シーズンのトピックスに値する。(撮影場所・日時不問)
 
(撮影場所・日時不問) ホシチャバネセセリ セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 絶滅危惧T類
 今シーズン、執拗に追跡したのは高地性のアサマシジミ、オスはどんなブルーなのか・・・・突き止めるのは来シーズンへの課題になった。

 メスは多くの個体を撮影できたが、オスは主画像の交尾体と擦れた個体のみ。交尾を引き離して撮影したかった。(撮影場所・日時不問)
アサマシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 メス
 国蝶オオムラサキは、旧北御牧村の村蝶でもあった。村内広く棲息し、我が家への珍客(家に入り込む)でもあった。(東御市;07,30

 副画像は車のフロントガラスに止まったオオムラサキを車内から見上げたものです。面白い画像になりました。
車窓の蝶(上田市;07,01 オオムラサキ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科 留意・要注目
 高原の湿性草原に棲むセセリチョウ、正に信州特有の蝶といえる。浅間山系や八ヶ岳中信高原では普通に見られる。

 撮影の旬は短く、何シーズンもタイミングを逸している。スジグロチャバネセセリと混生するようなので注視してみよう。(霧ケ峰;
07,22
アカセセリ セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 準絶滅危惧 高原の蝶
 我が家への常連客は、タテハチョウ家(科)からは、ウラギンヒョウモンやテングチョウそしてアサマイチモンジだ。

 タテハチョウに混じってヒオドシチョウが訪れた。我が家は確か海抜600mだったと思う。千曲川から見れば里山だ。(東御市;
06,30
ヒオドシチョウ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科
 時期を逸し少し遅いと思いつつも、何年ぶりかで発生地をのぞいて見た。牛伏寺断層で発生した地震の後なので道路状況が心配だった。

 若干擦れていたが数は多く、メスに混じってオスもわずかだがいた。前回は山ダニに取り付かれたので長居を避けた。(岡谷市;
08,04
ヒメヒカゲ タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 絶滅危惧T類 オス
 アオバセセリは、信州では局所分布。今までに、軽井沢と美麻で目撃しているだけでまともな撮影は初めてであった。

 林道入口の待ち合せ場所、道路脇の湿った空き地でサカハチかと見過ごすところであった。そんな偶然の出遭いだった。(須坂市;
08,06
アオバセセリ セセリチョウ科 アオバセセリ亜科
 ベニヒカゲには地域変異が認められる。谷一つ挟み変異が認められることは珍しくない。当地での地域変異は“紋なし”と大きい。

 一昨年の撮影に続き、再び“紋なしベニヒカゲ”に会いたいと出向いたが、一般のベニヒカゲですら1頭だけだった。(須坂市;
08,06
ベニヒカゲ タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 留意・要注目 天然記念物 人懐っこい蝶(東御市;08,16
 朝食中、窓の外に取り付けた花棚のサフィニア・ペチニアにセセリチョウが・・・・珈琲カップを手に翅裏が眺められるのを待った。

 チラッと、後翅裏にある特徴的斑点が目に入る。カメラ片手にスクランブル、勿論、絶Uの本種と判別できてのことだ。(東御市;
08,04
我が家への珍客 ミヤマチャバネセセリ セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 絶滅危惧U類
 コヒョウモンは県下山麓の草原に広く発生している。たまにヒョウモンチョウを見るが本種の方が多く見掛ける。

 この時期、大分擦れてきてはいたが、何とか良さそうな個体を探し撮影することができた。多くの個体はメスであろう。(小諸市;
08,09
コヒョウモン タテハチョウ科 タテハチョウ亜科 (車坂峠;08,09
 本種は副画像のように地べた撮影が殆どであった。主画像はバイクという人工物だが、表裏とも近い色合いで撮れているので掲載した。

 今年は、キベリタテハを良く見掛ける。例年に比べて発生数が多かったのだろうか。(東御市;
08,16
 
(須坂市;08,06 キベリタテハ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科
 東御市はオオムラサキの多産地域だが、未だにゴマダラチョウを見掛けていない。

 主画像の個体は、舞寄ってくる時から何か変に感じた。オオムラサキと間違えるほど黒っぽ過ぎる気がする。(野沢温泉村;
08,15
 
ゴマダラチョウ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科 (中野市;08,27
 夏も終わろうとする時期に登場する蝶ではないはず。整理していたら我が家の庭で撮影したものが出てきました。

 他所から飛んできたのではなく、敷地内で発生しているようだ。昨年、ログハウス建築中にも作業場で舞っていた
(東御市;06,20
(池田町;09,09 アサマイチモンジ タテハチョウ科 タテハチョウ亜科
 キマダラセセリは、発生期だと比較的容易に信州でも見られる。今シーズンは撮影のチャンスを逸してしまった。

 たまたま仙台出張時に、シルビアシジミとツマグロキチョウに混じっていたので撮影、面白い絵になったので掲載した。
(栃木県;09,16
キマダラセセリ セセリチョウ科 セセリチョウ亜科 準絶滅危惧
 台風15号が関東を超特急で縦断し北海道沖の太平洋で温帯低気圧に変わった。台風一過という程ではないが青空が広がった。

 造作中の庭の池端に2頭のウラナミシジミが吸水に来た。無傷で綺麗な個体で、我が家で見るのは今年初めてになる。(東御市;
09,22
(白馬村;09,24 ウラナミシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科
 今年のアサギマダラの渡りは時期を逸したと半ば諦めていた。白馬まで用事があって行った帰りにダメ元で寄ってみた。

 6年ぶりの大量渡りだったとのこと、逸したと思いきや昨日は約3K頭の渡りがあったとのこと。何とか間に合った。(大町市;
09,24
アサギマダラ タテハチョウ科 マダラチョウ亜科 渡り(南下)の中継地点
 今年のトリは、ヤマトシジミの斑紋異常と期待するも、一向に羽化しようとしない。

 途中のクラフトパークで撮影した温帯性の元気印“ツマグロヒョウモン”に決定しました。来シーズンも期待します。(池田町;
10,07
 
メス ツマグロヒョウモン タテハチョウ科 タテハチョウ亜科
 来シーズンに向け新しいカメラを購入した。また「バタフライガーデン」造りを考えている。乞うご期待!