口太山(福島県川俣町) ; 急坂な上級者コース

− 2001.11.11 (日) 快晴 −

 信仰の山(花塚山)を後に、伝説の山(口太山)に向かいました。

 
口太山(843m)の山名は「朽ち人」に由来し、昔は姨捨山であったそうです。最近は、南西の針道登山道から20分程度で登れるので眺望を楽しむ山として知られています。
 
口太山(中央左のピーク)の山容(花塚山より) 川俣コース登山口方向からの山容
 花塚の里から車で30分弱、北西の川俣コース登山口に着いたのは12時25分でした。キャンプ場と記された狭い空き地、林道直進が初級者コース(70分)、右手の水場方向に上級者コースの登山口があります。

 年甲斐もなく「上級者コース」を選びました。キャンプ場の水場から湿った斜面を尾根上まで登れば、後は緩やかな尾根道かと思いました。ところが尾根道は徐々に傾斜を増し、やがてロープもない45度を超える急坂続きです。
 
 
始終急坂な上級者コース 剣状岩が祀られている(左端)
 急坂は、登ると言うより這い上がると言った方が適切でしょう。登山道は明確ですが、脇の20cmぐらいの杭がいけません。10m間隔だと思いますが、番号が打ってあります。99・98・97・・・・、山頂に向け減っていきますが・・・・。

 登山道を遮る大きな石、その右側を回り込み這い上がります。そこに、鋭い剣状の岩が垂直に立っていました。消えかけた文字があることから、祀られたものだと解りました。伝説にある「姨捨、朽ち人」の霊を断ち切るものなのでしょうか。

 剣状岩の祀られている場所を通過すると、まもなく石尊神社があります。もう口太山の山頂は間近です。山頂に着いたのは14:00分、1時間半の急坂は正しく上級者コースでした。山頂の杭番号は忘れましたが80前後だったと思います。  
芝生広場になっている山頂 水量わずかな猿滑りノ滝
 山頂は芝生の広場になっていて、西から北が一望できます。眼下にゴツゴツした木幡山、その向こうに安達太良山、花塚山で見た眺望と同じです。午後になったためか、霞が増した分だけ写真写りが悪くなっています。

 山頂で、残しておいた「おにぎりと林檎」を食べたらリックは空です。30分ほど眺望を楽しみ、初心者コースを下山しました。山頂下の雑木林は「迷い平」と名付けられている如く、落ち葉で登山道を見失いそうになりました。

 初級者コースは緩やかな道でした。「猿滑りノ滝」の脇を通り、キャンプ場まで45分で戻りました。振り返ると口太山は夕暮れを感じさせる色合いに変わっていました。約3時間、万歩計のカウンタは5400歩でした。

口太山の山陰中納言伝説
 その昔、山陰中納言がこの山にさしかかったところ、大猿に化けた山賊が中納言に襲いかかったとさ。その時どこからともなく現れた白い鹿が加勢し中納言を救ってくれました。その時に猿の首を取った場所が「猿ノ首取り」(登山道の脇にある岩です)で、中納言が逃げ込んだ岩穴が「乳子岩」(近くを通過しました)だそうです。そして、猿が落ちた滝が「猿滑りノ滝」と伝えられています。(山と渓谷社「福島県の山」より)

 
伝説にイチャモン付けちゃいけませんが、猿の首は誰が取ったのでしょう。それに、猿は滝に落ちた後で首を取られたのでしょうか、どうでも良いことですが筋がハッキリしていないと気が収まらない性分なので・・・・