-細道を訪ね描くや古希の旅-
矢立初め 奥の細道“千住・草加・粕壁”描き
(東京都足立区/埼玉県草加・春日部市)
2017.02.017(金) 快晴(春一番)
 古希を迎えての「旅の未知草」なる“細道を画稿で綴る古希の旅”(推敲より今回からの標吟)は順調に滑り出した。先月の「深川篇」に続き「千住・草加・粕壁篇」(矢立初め)、ともに公共交通機関を使っての仙台出張だ。西日本から日本海沿いに大荒れになりそう、関東は取り敢えず晴で小雨も降るかも・・・・といった天気予報だ。ここ数日、氷点下の-10℃であったことから以下4句を書き留めておいた。いざ、今日の日和は・・・・。
雨水かな碑撮りに代わる下絵かき(千住)
余寒なほ松風そよぐ矢立橋(草加)
粕壁の某川に百合鴎(春日部)
 襟立てて終バス待つや陸奥路(東京)
 佐久平750分発のバスタ新宿行の高速バス、碓氷峠を下り横川辺りで車窓に紅梅を見つけ一句詠む。
車窓指し梅の秋間は何処なほ(碓氷峠)07.2017.spr
 読み通り「バスタ新宿」到着は25分遅れ、練馬で高速バスのワイパーが一時動くも「南千住」に降り立つと春霞から晴天へと・・・・「二度目の此の道いづこ」・・・・問わず迷わず「千住あらかわ」の旗印頼りに「素戔雄神社」に正午直前に到着した。
  【素戔雄神社】東京都荒川区
 
 「千住あらかわ」・・・・「隅田川」の上流は板橋区で荒川に辿り着く。ここ「荒川区」は、区名通り「隅田川」より「荒川」の方が上位に位置するのだ。芭蕉の奥の細道「矢立初め」を看板に掲げるにも「荒川」なのかと若干気になった。「相棒」の右京さんの口癖「細かいことに・・・・」。
 再来目的は「碑面細部の撮影」にあり、特に「芭蕉像」を「画稿」(スケッチ)対象に考えていた。
 今回の持参は「
TG-4」のみ、コンデジは深度が深い分だけハイコントラストには弱い・・・・快晴も風景写真以外には良し悪しだ。
 
 
 ここ「素戔雄神社」では恒例(第23回)になっている「奥の細道矢立初め全国俳句大会」が開催されていた。2回目の参詣になるが、前回よりハイコントラストでありベターな撮影は出来なかった。
 
 「素戔雄神社」にある句碑は、句碑01「行春や鳥啼魚の目は泪」(ゆくはるや とりなきうおの めはなみだ)、元禄2327日、「奥の細道」旅立ちの句。
文学碑全面拡大
文字部拡大 芭蕉像拡大
 碑文「千住といふ所にて船を上がれば、前途三千里の思ひ胸にふさがりて、幻の巷に離別の涙をそそぐ。 行く春や鳥啼き魚の目は泪 これを矢立の初めとして、行く道なほ進まず。人々は途中に立ち並びて、後影の見ゆるまではと、見送るなるべし。」
  【千住大橋】東京都足立区
 
 「千住大橋」は、46-47年程昔のサラリーマン時代(営業技術職)、東京都大田区の本社から茨城県岩井の日本ビクターに月数回の訪問時に首都高入谷で降り昭和通り(国道4号線)を走っていた。
 
 
雨水かな画稿に代わる下絵撮り(千住)08.2017.spr
 「奥の細道」の旅立は、深川より大川(隅田川)を遡り「千住」という所で船を降りた。「千住大橋」の足立区側に「奥の細道矢立初めの地」がある。この場所はスケッチの対象になりそうだ。
 
 
 その地は「大橋公園」になっていて「おくのほそ道矢立初め碑」があり、句碑02「千じゅと云所に船をあがれば・・・・行春や鳥啼魚の目は泪・・・・」という句が刻まれている。
 
 
 「大橋公園」から「隅田川テラス」に降りると蕪村画が添えられた同上の句が描かれている。また、千住大橋の右手方向(画像右外)にスカイツリーが見える。
  【千住宿歴史プチテラス】東京都足立区
 
 「千住宿」は、日光街道・奥州街道の1番目宿場町で「江戸四宿」の一つである。江戸側大木戸に「千住宿歴史プチテラス」がつくられている。
 芭蕉像は各地に置かれている。彫り物も書き物もある。イケメンからブ男まで多種多様に描かれている。夜間、車のライトに照らしだされた際、ビックリしない程度であって欲しい。
 
 暫く進むと左手に句碑がある。句碑03「鮎の子の白魚送る別かな」(あゆのこの しらうおおくる わかれかな)、「おくのほそ道」(旅立ち)元禄2327日、千住まで見送りに来た門弟達との別れを詠んだ句。この句には、「若鮎の白魚送る別れかな」という初案があるとか?・・・・出典不詳。この施設はイベント時に開館、通常は閉館という不可解な施設だ。
【千住商店街】東京都足立区  
 
 南千住駅から北千住駅までの区間を歩いた。北千住駅近くの商店街は賑やかだった。店の前の看板等が倒れてころがり回っていた。(夜のTVで、関東に「春一番」が吹き荒れたと知る)
春塵や矢立まさぐり目は涙(千住)09.2017.spr
 北千住から松原団地へ電車移動、強風で架線に物がひっかかり「つくばエクスプレス」が大幅に遅れているとのアナウンスがあった。草加・春日部方面では急行が5分程度の遅れ、たいしたこともなく安心した。
  【草加松原】埼玉県草加市
 
 松原団地駅から「百代橋」、綾瀬川沿いの「草加松原」を「札場河岸公園」まで遊歩道を進み「草加駅」から「春日部駅」へと行くルートをとる。
【文学碑】埼玉県草加市  
 
 おくのほそ道碑「今年元禄二とせや」と「草加松原」、ここはスケッチ対象にと考えていた。
  【百代橋】埼玉県草加市
 
 「千住大橋」の項で記述しているが、46-47年程昔の記憶を紐解くと「百代橋」を見たことがあるような気がしてきた。何で川も無い所に太鼓橋を造っているんだろうか・・・・と。ネットで調べてみると「百代橋」は昭和61年11月、「矢立橋」は平成6年5月に建設されている。昭和61年は1986年・・・・横浜から岩沼に転居した頃?・・・・その頃に行った記憶が無いので「記憶違い」かも
【文学碑】埼玉県草加市  
 
 文学碑「月日は百代の過客にして」・・・・「文学碑」「ドナルド・キーン」が目につく・・・・。
  【風景地の碑】埼玉県草加市
 
 前回(2015.02.20)工事中であった「おくのほそ道の風景地」指定記念碑である。この風景もスケッチの対象として面白い。写真展では「緑なす松や細道ゆかりの地」「自然ゆたかな郷土の誇り」と詠んでみたが・・・・。
【矢立橋】埼玉県草加市  
 
 前回は補修中で通れなかった。「矢立橋そよぐ松風余寒なほ」と詠み、それなりに気に入っていたが、いざ「矢立橋」に立ってみると「春一番」の強風で「そよぐ松風」、気温も上がり薄手コートも脱ぎ「余寒なほ」とは大違い・・・・芭蕉の「五月雨を集めて涼し最上川」→「五月雨を集めて早し最上川」のようになってしまった。
春荒や松原どよむ矢立橋(草加)10.2017.spr
  【日本の道百選碑】埼玉県草加市
 
【芭蕉像と曽良像】埼玉県草加市

 振り向く「芭蕉像」と、手を挙げる「曽良像」・・・・。
 
 一枚にまとめて描くと面白い絵になる。試してみる価値はありそうだ。
【草加商店街】埼玉県草加市  
 
 「草加松原」には「乱立」と思えるほどの“ハード物件”があるのに、商店街はガランとしたものだった。町興しは、ハードに頼り切らず本質にメスを入れることが大切だ。
  【粕壁宿】埼玉県春日部市
 「日光道中粕壁宿」は標柱があるのみで道路自体が広く殺風景、目立つのはSEIBU跡地が大塚家具に変ったことぐらい。「匠大塚」は、人の出入りが無く営業しているのかも分らないほど・・・・全国的に報道された「父娘騒動」(父は春日部駅東口、娘は同西口の繁華街)も遥か昔のように思える。
 新婚当初は熊谷市に住んでいた。その頃、伯母の紹介で「春日部のカイロ」で整体治療をしたことがある。名前は記憶から消えてしまっているので何処か分からない。
【東陽寺】埼玉県春日部市  
 
 芭蕉・曽良が宿したと伝えられる「東陽寺」は工事中で「曽良随行日記碑」(廿七日夜カスカベニ泊ル。江戸ヨリ九里余。)はトラックの陰になっている。→「碑の拡大」「芭蕉・曽良
  【大落古利根川】埼玉県春日部市
粕壁の某川に百合鴎(粕壁)11.2017.spr
 
 東京での買物時間に余裕を持たせたく、予定表より「千住」「草加」で各15分短縮し「画稿」(スケッチ)旅を終えた。上野御徒町で「ふぐヒレ」を購入、向側のお店で「腕時計」を衝動買い、御茶ノ水で「画材」を購入し近くの「江戸遊」で時間潰しの入浴で汗を流した。自宅には通販で購入した「画材」が到着しているだろう。