鬼女紅葉 春の紅葉狩り
2019.05.04(土) 快晴
 雪崩で流され朽ちた古株にスミレが生えていた。自然の盆栽、こんなところに「鬼女紅葉」が腰かけたら、シルビア・クリスティル演じるエマニエル夫人。ミヤマハタザオで吸密するのは、「鬼女紅葉」御付きの侍女「スジグロシロチョウ」。今日は、妻を誘っての「春の紅葉狩り」・・・・4/28のリベンジだ。
 
 「雪解水」が流れだし林道の至る所で横切っている。そんな所で吸水する「スギタニルリシジミ」、ガードレールのない林道、流れ落ちる谷側路肩は霧落ちている。撮影を終え立ったときに「立ち眩み」を起こして谷に落下したらひとたまりも無い。乾いた場所を探し膝をつき、恐る恐るカメラを近づけての撮影。
 
 車の後方の空地に敷布を広げ朝食を摂りながらチャンスを待つ。ほどなくして「鬼女紅葉」(クモマツマキチョウ)のメスが侍女を引き連れ飛来した。林道山側の崖伝いに行ったり来たり、目線位置にわずかに咲くスミレを横目にヨモギに止る。ワンチャンスだけだった。あとは、18-400mmの望遠端でミヤマハタザオでの吸密シーン。
 
 引き上げる前にとポイントを替える。車を停めると、目の前を「鬼女紅葉」のオスが横切る。後を追い、雪解水が横切る林道を、飛び石を踏み外さぬように渡り更に追いかける。過去、何度も顔合わせをしたO氏と交互に撮る。
 
 正午少し前、昼寝の時間が迫る。雲の流れで陽射しがやや弱まるとフキノトウで動かなくなる。毎回思うに、フキノトウで昼寝をする。翅裏の「大理石模様」が、「フキノトウ色!」・・・・こりゃ「保護色」だよ。「鬼女紅葉」は「迷彩服」を纏う「忍者」かい、全く「フキノトウ」になりきって[色気」がないよ。
蕗の薹岳の恋人雲隠し
 
 しばらくして、翅が開き始める。動画で撮る・・・・ダメダメ、そんな余裕全くありませんし、考えも及ばない。そして、舞い立つや否や私の右肘に止る。何と可愛い・・・・・
 今年は、スミレの開花が遅く、咲いているものも寒波で枯れて貧弱だ。そんな、萎みスミレでの吸密シーンは全く絵にならない。
 
戸隠に伝わる「鬼女紅葉伝説」
(長野市鬼無里・上田市別所)
 937年のこと奥州会津に住む夫婦には子がなく、第六天の魔王に願ったところ女児を得て「呉葉」と名付けます。美貌と琴を弾く才知に恵まれた呉葉は、庄屋の息子を妖術でだまし大金を手にし「紅葉」と名を改め京の都に上がります。その美しい姿と琴の音は都中の評判となり「源経基」の寵愛を受け、側室となった紅葉は経基の正妻を第六天の魔王の力を借り呪術で亡きものにしようと企むも、露見し戸隠に追放されます。956年、19歳で罪人として戸隠・水無瀬に流されましたが呪術で村人の病を癒し、裁縫や琴を教えたりとその紅葉の善行は村々から尊ばれることになります。しかしながら栄華な都への思いが断ち切れない紅葉は、次第に鬼の心を宿し山賊を呪術で従え京に戻る資金作りのため悪事を働くことになり、その行いは「戸隠の鬼女」として京の都にも伝わりました。
 鬼女紅葉の討伐に「平維茂」が任じられますが、その行く手を火の雨・大洪水と紅葉の妖術により阻まれ、打つ手がなくなった維茂は北向観音に
17日の断食の願をかけ、夢枕で白髪の老僧から「降魔の剣」を授かります。969年、鬼女紅葉は剣の力により妖術が使えなくなり一刀のもとに首をはねられ、その首はどこかへ飛び去り、呉葉(鬼女紅葉)の33年の生涯は閉じます。
 紅葉がたどり着いた戸隠の水無瀬には、東京・西京・高尾・東山・清水・二条・加茂川など、紅葉が京を懐かしみ名付けたと言われる地名等が数多く残っています。また、水無瀬は紅葉が討たれた以降、鬼無里と呼ばれるようになったとされています。この伝説は、室町時代から江戸時代にかけて題目「紅葉狩」として能や浄瑠璃、歌舞伎で描かれました。
信濃なる北向き山の風誘い妖(あや)し紅葉(こうよう)(と)くと散りけり
・・・・と、平維茂将軍(平重盛の子、平安時代中期の武将、大掾維茂とも。父子ともに生没年不明)は詠みました。
 妻への誘い文句は「本場の戸隠蕎麦を食べよう」でした。時は10連休の昼時、順番待ち客で臨時の待合室が満席、難たることだと妻が好む「ビックリドンキー」へとメニュー変更。
 
 
 「ループ橋」上流の「浅川ダム」、建設反対・建設中止と長い間の反対運動があるも・・・・このように立派なダムが完成している。
 里に下りビックリドンキーで、妻が「チーズバーグディッシュ300g」、私は「コロコロステーキとライス」をオーダーし、何時ものように妻と半々にシェアする。戸隠で採ってきた「コゴミ」は、翌日の夕食で天ぷらで食す。
 追記;後にO氏がご自身のFacebookに投稿された画像を記念にと拝借(画像使用許可済み)
 
 
 手持ちのカメラでは、こうは撮れない。「Cannon XY650」だと・・・・何処まで撮れるだろうか。これに近い撮影が可能なら是非欲しいものだ。