2012年の蝶便り絶滅が危惧される信州の蝶
 
 2012年における特記事項は「バタフライガーデン創始」ということ、家の周りに宿根草を植えたり農道周りの環境を整えたことで64種を撮影出来た。その中には絶滅危惧種が10種含まれる。
 「東信ラベル」の初掲載、そんな記念すべき年にカタクリの開花とヒメギフの発生が一致した。

 発生数は限られるものの東信の他所にも点在しているようだ。
アゲハチョウ科 ヒメギフチョウ  ウスバアゲハ亜科  準絶滅危惧 (東信;04.24-25
 初めて行った発生地である。周知の場所なので撮影者が数人いたので探す手間が省けた。

 この発生地は別の時期に何度も通過している。
 
アゲハチョウ科 ヒメギフチョウ  ウスバアゲハ亜科  準絶滅危惧 (中信;04.28
   ギフチョウもカタクリが綺麗なうちに発生した。カタクリの開花が遅れたのだろう。

 こうなると「イエローバンド」を納得いく形で撮影したい。
アゲハチョウ科 ギフチョウ ウスバアゲハ亜科 準絶滅危惧 (中信;05.05
 
 撮影は一人で行くことが多い。次のクモツキは二人で行った。もし一人だったら見逃していたと思う。2つの目より4つの目の方が360度見回せるし見つける可能性も倍になる。
 数年通っているが発生のタイミングが合わなく撮影出来ていない。

 この発生地では初撮影。陽射しはあるが気温は低い。ヒラヒラと舞い降り足元に止まった。
 
シロチョウ科 クモマツマキチョウ(♀)  シロチョウ亜科 絶滅危惧U類 天然記念物 (北信;05.13
  
   河川敷から採取した砂を池の縁に敷いた。1u程の狭さだがツメレンゲが数株自然発生した。

 そこからクロツが発生したら大ニュースになる。
シジミチョウ科 クロツバメシジミ ヒメシジミ亜科 留意・要注目 (中信;05.18
  
 発生の一声から数日以内に我が家にも飛んでくる。

 損傷の程度を問題にしなければ、一ヶ月近くは家の周りで普通に見られる。(小画像;♀)
 
シジミチョウ科 オオルリシジミ(♂)  ヒメシジミ亜科 絶滅危惧T類 天然記念物 (東信;05.26
 
 2012年の蝶便りは「絶滅が危惧されている種」を中心に信州の蝶を掲載している。絶滅が危惧されている蝶を全て撮影できるのは何時になることか・・・・。
   ギンイチは好きな蝶の一つだ。しばらく前までは中信まで撮影に行っていた。

 東信に安定した発生地を見つけたので嬉しい。(小画像;
06.13
セセリチョウ科 ギンイチモンジセセリ セセリチョウ亜科 準絶滅危惧 (東信;05.27
     
 ヒメシロも好きな蝶の一つだ。しかし春型は撮影するも夏型は見掛けることも少なくなった。

 春型より夏型が好きな蝶だけに今後が心配だ。
 
クロツバメシジミ シジミチョウ科 ヒメシジミ亜科 留意・要注目 (東信;05.27
  
   毎年撮影に行っている発生地とは違う発生地に行った。

 発生地に足を踏み入れると数頭のオスが渓流沿いの登山道を行き来していた。
シロチョウ科 クモマツマキチョウ(♂)  シロチョウ亜科 絶滅危惧U類 天然記念物 (中信;05.30
 
 今年は初めて行く発生地での撮影にヒットしている。正確な情報が如何に大切かを改めて認識した。来シーズンは十分に情報収集してから上高地入りしてみよう。(過去2回空振り)
 クモツキの3枚目は毎年撮影に行っている発生地のもの、今シーズンはメスの撮影のみ・・・・。

 環境が大きく変わり数年は期待薄であろう。
 
シロチョウ科 クモマツマキチョウ(♀)  シロチョウ亜科 絶滅危惧U類 天然記念物 (中信;06.07
     
   全国版では「準絶滅危惧」だが、長野では指定されていない。

 掲載したのは「家の脇で発生」していたからだ。嬉しい出遭いだった。(小画像;
06.29
シジミチョウ科 ヒメシジミ ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧(全国版) (東信;06.11 
     
 アカシジミの仲間は翅表をなかなか見せてくれない。

 ピントが合わなかった蝶だがカメラの性能向上でスッキリ・・・・V字開翅を撮りたい。(小画像;
06.24
 
シジミチョウ科 ウラナミアカシジミ  ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (東信;06.28
 
 次は2012年で初見かつ初撮影の蝶・・・・4〜5年前に生息地であることを教えてもらっていたが、希少種であることから本気で探していなかった。今年は当たり年なのか数が多く容易に撮影出来た。
   足元からヒカゲチョウが飛び出したと思い見過ごしたが・・・・何か変だと引き返した。

 止まったと思う周辺を捜すと本種であった。
シジミチョウ科 クロミドリシジミ ミドリシジミ亜科 準絶滅危惧 (東信;06.28
     
 数年前までは「珍しい蝶」の一つと思っていたのに我家の周辺で発生しているとは・・・・。

 近くに生息地があると習性等を観察出来る楽しみがある。
 
タテハチョウ科 キマダラモドキ ジャノメチョウ亜科 準絶滅危惧 (東信;07.08
     
   絶滅危惧種に指定されているが、発生時期になると家の周りでも普通に見られる。

 数日後には庭の三尺バーベナで吸蜜していた。(小画像;
07.13
セセリチョウ科 キマダラセセリ セセリチョウ亜科 準絶滅危惧 (東信;07.08
 
 次は同定に悩ましい蝶だ。ゼフィルスやヒョウモンの仲間が特に難しい。家の周辺でも見られるので自信を持って同定できるようにしたい。
 同定が難しい蝶の一つ。ネットインし納得いくまで調査したうえでリリースする。

 疑わしいレベルだが暫定的に掲載した。(小画像/中信;
07.27
 
セセリチョウ科 スジグロチャバネセセリ セセリチョウ亜科 絶滅危惧U類 (東信;07.15
     
   2週間近く遅かったのでオスを見つけることが出来なかった。

 アサマシジミ・・・・実は別称「ミョウコウシジミ」と呼ばれるものだ。(小画像/♂;'
11.0702
シジミチョウ科 アサマシジミ(♀) ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;07.16
     
 先を急ぐ予定があった。絶滅危惧T類を差し置いてまで大切なこととはなんだろう・・・・。

 次に掲載する所見の蝶を見たいという気持ちが足を急がせた。
 
シジミチョウ科 クロシジミ ヒメシジミ亜科 絶滅危惧T類 (中信;07.16
 
 2012年の所見、もちろん初撮影の蝶としてクロミドリシジミを紹介した。それは偶然の出遭いだったが、次に掲載するのはネライをつけての探索だ。途中の車中から妄想であれやこれやと・・・・。
   アサマシジミ・・・・何年も前からチャンスがあればと望んでいた「最高の蝶」だ。

 ヤリガタケシジミと同系列の別称「シロウマシジミ」だ。
シジミチョウ科 アサマシジミ(♀) ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;07.16 
     
 アサマシジミば、個性的な「白馬産」しか見たことがない。そして、アサマの魅力に憑りつかれた。

 適切な言い方ではないが「普通タイプ」の発生地を知った。
 
シジミチョウ科 アサマシジミ  ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;07.17
     
   どうしても綺麗に撮れない蝶の一つとして挙げている。

 多分コントラストが強い網目模様のためであろう。画素数の高いカメラだと問題なく撮れる。
アゲハチョウ科 コヒョウモンモドキ タテハチョウ亜科 準絶滅危惧 (東信;07.25
 
 6月から7月はゴールデンタイムだ。バタフライガーデンに集まる蝶もほんの一瞬、それも年に一回だけという蝶もいるので目が離せない。種を定めネライをつけて探索しないと一年を棒に振ることになる。
 アザミにミヤマシロチョウ、これにミツバチが加わったことで面白い絵になった。

 こんな写真を多く撮りたいと思っている。
 
シジミチョウ科 ミヤマシロチョウ シロチョウ亜科 絶滅危惧T類 天然記念物 (東信;07.28
     
   ミヤマモンキチョウの飛翔は飛び立つ瞬間を何度か撮っている。

 飛翔中を真上もしくはやや後方から撮影してみたい。適当な大岩を探し陣取るしかないかな。
アゲハチョウ科 ミヤマモンキチョウ モンキチョウ亜科 準絶滅危惧 天然記念物 (東信;07.28
     
 本種も同定に悩む蝶の一つだ。近似種のコヒョウモンと見比べ頭を抱え込むことしきり・・・・。

 本種・コヒョウモンは好きな蝶なので自信持って同定したい。
 
タテハチョウ科 ヒョウモンチョウ タテハチョウ亜科 留意・要注目 (東信;07.28
 
 絶滅が危惧されている種を掲載しているが、個人的に「指定希望種」も挙げてみたので誤解なきようご覧いただきたい。
   フィールドで見掛けなくなったという声を聞くようになった。

 レッドデーターブックに登録準備中だと聞いた・・・・我家に飛んでくるがやはりという気持ちだ。
タテハチョウ科 ウラギンスジヒョウモン タテハチョウ亜科 登録準備中 (東信;07.30
     
 タイミングが合いピカピカの羽化直個体が多かった。

 採集者が10人近く行ったり来たりしていた。その中かで同数近い個体が見れたことは嬉しい。
 
シジミチョウ科 オオゴマシジミ ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;07.31
     
   棲息情報を得ていたが特定できずにいた。

 某氏から詳細場所を教えい頂き、早朝に探索出動した。現着即発見というラッキーな出会い。
シジミチョウ科 ゴマシジミ ヒメシジミ亜科 絶滅危惧U類 (中信;08.03
 
 前述のゴマシジミ。山ゴマを暫く見ていない。また、青ゴマの開翅は一度も見ていない。来シーズンの課題としてメモっておこう。
 偶然に出会った県内の発生地、昨年は発生数が多かった。

 油断したのか今シーズンは旬を越えたのか擦り切れた個体ばかりで撮影に苦慮した。
 
セセリチョウ科 ホシチャバネセセリ セセリチョウ亜科 絶滅危惧T類 (中信;08.03
     
   昨シーズン、我家のペチュニアの花棚を訪れた。

 今シーズンもと待ち受けた。庭の三尺バーベナで吸蜜しているのを見つけた。
セセリチョウ科 ミヤマチャバネセセリ セセリチョウ亜科 絶滅危惧U類 (東信;08.04
     
 宮城の里山で何度も出遭ったが信州ではサッパリ・・・・。

 某氏から生息地を教えて頂いた。正に「ホソバ村」・・・・本種ばかりがいくつも・・・・。
 
セセリチョウ科 ホソバセセリ セセリチョウ亜科 登録希望 (中信;08.09
 
  信州産にどうしても会いたくてネットで検索した。1件だけヒットしたのが何と北海道のYさん。その情報で探索したところその場所は既に住宅地、発生地を教えてくださった某氏がお住まいの場所なのだ・・・・ご縁だね。
   家の近くにも生息しているが撮影のチャンスがない。

 上記のホソバ村の薄暗い林間にいたのを撮影した。露出不足の写真になってしまった。
シジミチョウ科 ムモンアカシジミ ミドリシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;08.09 
 
 手を抜いてキャンプ場で撮影したので証拠写真程度の仕上がりになってしまった。

 来シーズンは一点ネライで撮影に行こう。
 
タテハチョウ科 ベニヒカゲ ジャノメチョウ亜科 留意・要注目 (東信;08.16
 
   6月撮影(我家の農道)のものを掲載するつもりであったが飛ばしてしまった。

 大北での撮影記録があったので順番を崩さずに済んだ。
シジミチョウ科 ミヤマシジミ ヒメシジミ亜科 準絶滅危惧 (中信;09.19
 
  最後になって「国蝶」の掲載を忘れていることに気づいた。「旧村蝶」でもあり家の周囲にも発生地がいくつもある。珍しくないので撮影記録も少なくこの程度のものしかなかった。
   身近に発生地があるので見下ろす角度で撮影出来る場所をロケハンしておこうと思う。

 オオムラサキはオスの輝きを撮らないと話にならない。
タテハチョウ科 オオムラサキ タテハチョウ亜科 留意・要注目 国蝶 (東信;07.29 
 既撮影の蝶で今シーズン撮り損ねたものとして「ウラジロミドリシジミ」「ヒメヒカゲ」「アカセセリ」がある。来シーズンは「クモマベニヒカゲ」を何とか撮影したい。