蝶狂人の盛夏 Mid summer 2014
− 7月 −
 初夏のバタフライガーデンを終え55種の訪問を受けた。初顔の6種を銜えると通算で83種になる。東信での生息種は129種、後3種で2/3を超えるが何時になるだろう。それが・・・・7月末になろうとは。
   数日前から飛来していたが活発に飛び回り撮影チャンスが無かった。
 不活発な早朝にチャンスが到来した。相対する2つの背景を選んで撮影した。好みかも知れないが明るい背景が引き立ち好きだ。
(56) タテハチョウ科 ホシミスジ タテハチョウ亜科14.07.01   14.07.01
 本種は2化性だが、信州では1化性なのでこの時期に撮影しておかなければならない。
 よく訪花するが、神経質なのか吸蜜シーンは撮影出来なかった。じっくり落ち着いて撮りたい蝶の一つだ。
 
14.07.02   (57) セセリチョウ科 ヒメキマダラセセリ セセリチョウ亜科14.07.02
  準絶滅危惧
   ヒメキマダラセセリ、そして本種も飛来期間が短く「これだ!」という撮影結果が残せず今シーズンを終えた。
 来シーズンは「山野草」を充実させ訪花を促そう。
 
(58) セセリチョウ科 スジグロチャバネセセリ セセリチョウ亜科14.07.11 14.07.02
 本種と次の83種目は「オオムラサキ」が教えてくれた。
 オオムラサキの撮影に農道の奥を探索した。モミジの樹液にオオムラサキが止まろうとしたら「先客」に拒否され飛び去った。「残りものに福あり」ということ。
 
 
1407.02   (59) タテハチョウ科 コムラサキ タテハチョウ亜科14.07.02
 オオムラサキを摂ろうと200-500mm超望遠ズームを装着していたのでかなり高い枝であったがまずまずの撮影が出来た。
  生息登録種;第83種目
   ・・・・ということで「ラッキー!」な観察が出来た。(ゼフィルス8号)
 蝶の撮影にも「500mm」は必要不可欠だと再認識した。(本当は出番はあまりなし)
 
(60) シジミチョウ科 ミドリシジミ ミドリシジミ亜科14.07.02  
 上のコムラサキの画像を・・・・その時点でチャッカリ写っている。風が吹き小枝が大きく揺れたので小枝から払い落とされ撮影しやすい下方に移動したという「ラッキー!」な出来事でした。
 本種の撮影には補助光(LEDライト)が必要だ。しかし、普通種の本種を狙ってLEDライト装着で撮影観察に見回ることは考えられない。
 内部ストロボでは強すぎ渋い色合いを出すことは出来ない。
 
14.07.05   (61) タテハチョウ科 ジャノメチョウ ジャノメチョウ亜科14.07.05
 写真展で使う「作品」という意識で撮影したことがない。理由は・・・・心理的余裕がないということか、いやいやどうしても「記録撮影」という気持ちが先行しているのかも・・・・。
  準絶滅危惧
   本種を撮影するにつけ、北アルプスでなく浅間山系に(タカネ〇〇)いてくれればと思う。
 毎年、数は少ないが農道北側で見掛ける。そこが発生地かな。
 
(62) セセリチョウ科 キマダラセセリ セセリチョウ亜科14.07.09   14.07.05 
 撮影向きの花は表の庭に集中している。本種は「農道」それも「奥の方」でしか見掛けない。梅の木の周囲を綺麗にして欲しいと頼まれているので訪花適地に改造しようかとも思うのだが。
準絶滅危惧  
 今シーズンは発生数が少ないようで見掛けることが少ない。
 気になって周辺の林縁を見回るが・・・・やはり少ない。それも・・・・著しく少ない。
 
14.07.05   (63) タテハチョウ科 キマダラモドキ ジャノメチョウ亜科14.07.11
 数は少なくても、未撮影の「交尾」(♂♀同時撮影)に出くわし「ラッキー!」だった。多分、上がメスで下がオスだと思う。(裏紋で一目で判別できる)
   毎年、第1化の春型を撮影しているが、今シーズンは第2化の夏型になった。
 本種とミヤマカラスシジミ、今シーズンは農道でよく見掛ける。ともに当り年になったのかな。
 
再掲載(27) シジミチョウ科 トラフシジミ ミドリシジミ亜科14.07.05   14.07.05
 開翅まで10分でも20分でも30分でも待つ。それだけの時間を全ての被写体が与えてくれれば気に入った写真がもっともっと撮れると思う。
 第1化が飛来せず、そして第2化がほんの出棺だけで飛び去ってしまった。これぞ証拠写真という一枚になった。
 一昨年は、8月2日にペチュニアに訪花している。まだ、チャンスは残されている。
 
  (64) セセリチョウ科 ダイミョウセセリ チャマダラセセリ亜科14.07.05
 近くの林道からオカトラノオを移植した。ダイミョウセセリを初めとするセセリチョウの吸蜜シーンを撮りたいからだ。オカトラノオは根を張るのか一年でも大分増える。
  情報不足/旧村蝶
   オオムラサキは、7月一杯観察出来る。大きな翅を広げ家の周囲を滑空する。
 今シーズンも、テラスの手すりに止まった。猫のトイレを外に出しておくと寄ってくる。
 
(65) タテハチョウ科 オオムラサキ タテハチョウ亜科14.07.05   14.07.05 
 農道奥の沢にエノキの大木が何本もある。梢の上部周辺を滑空している。家の前の休耕田に柳が生えている。樹液を吸汁に集まっている。
絶滅危惧U類/環境省  
 ウラギンスジヒョウモンは7月一杯見られる。
 発生初期は地面で吸水する姿を多く見掛ける。後半にはブッドレアを独り占めしている。
 
14.07.05   (66) タテハチョウ科 ウラギンスジヒョウモン タテハチョウ亜科14.07.05
 大型ヒョウモンの中で「モデルセンス」に長けている蝶の一つだ。翅の表裏が見えるということもあるが「V字開翅」がやはり絵になる。
   初夏(6月中旬)に顔を見せて以来の飛来だ。
 アカタテハは常連と呼ばれるほど日参するが本種は秋にならないと長居しない。
再掲載(42) タテハチョウ科 ヒメアカタテハ タテハチョウ亜科14.07.05 
 昨年購入した「スプレーマム・セザンヌ」が1m弱に伸び蕾をつけている。花期は8月〜11月なので本種を含めアカタテハやキタテハが吸蜜飛来すると思う。(蝶の立場からいえば園芸種でない方が良い)
 昨年、霧ヶ峰で70〜80頭のウラギンスジヒョウモンの集団吸水を見た。
 そこまでの大集団でなくてもと、昨年のうちに農道を掘削し水飲場を造った。
 180mmマクロの合焦範囲に2頭が並んだところを撮影。
 
再掲載 (66) タテハチョウ科 ウラギンスジヒョウモン タテハチョウ亜科14.07.06
 集団吸水は、本種以外に「スジボソヤマキチョウ」「キタキチョウ」「ルリシジミ」「テングチョウ」等でも良く見掛ける。研究&工夫を重ねいろんなシーンを撮影していきたい。
   ゼフィルスのシーズンも終盤、どんな蝶がいるか様子を見に行った。
 目と鼻の先なので我が家に飛来するのも数日中だろう。
 キバネセセリ、一足先に撮影しておきましょう。
(67) セセリチョウ科 キバネセセリ アオバセセリ亜科14.07.08   14.07.08
 キバネセセリとオカトラノオ、何かパッとしない絵になってしまった。白一色の花に勝ような色合い・柄の蝶でないと映えないだろう。
 オオムラサキを撮影すべく超望遠ズームレンズを装着し探索する。
 いることはいるが撮影にはそぐわない。諦めて戻る途中、農道のヒメジオンで吸蜜する本種を見つけた。
 
 
14.07.08   再掲載(55) シジミチョウ科 カラスシジミ ミドリシジミ亜科14.07.08
 その時はミヤマカラスシジミだと思い500mm端で試写を楽しんだ。パソコンに取込みビックリ、180mmマクロに交換しリベンジ・・・・待ってはくれなかった。
   今シーズンは4種あるブッドレアの中で一番パッとしないブラックナイドが良く咲いた。
 花屋さんのコメントでは蝶が最も集まるような書き方であった。他の3種より地味だが高貴な感じに撮れている。
再掲載(67) セセリチョウ科 キバネセセリ アオバセセリ亜科14.07.10   14.07.10
 バタフライブッシは「ブラックナイド」「イエローマジック」「フラワーパワー」「ピンクパール」の順に開花し、昨日全て咲きそろった。
 7月末まで、ほぼ毎日のように家の周りを滑空している。
 飛翔撮影はあまり行わないが、本種の飛翔を正面から撮影してみたいものだ。
 
 
14.07.17   再掲載 (65) タテハチョウ科 オオムラサキ タテハチョウ亜科14.07.11
 千曲川に面した崖で発生した個体が飛来していると思われる。台地に上がる随所のヘアピンカーブ周辺が「オオムラサキウォッチング」のポイントになっている。
   本種は1化性であるが、「ウラギンヒョウモン」と同じく、この時期のオス(翅裏)は綺麗になる。
 トンボは「成熟」し、中には「別種」かと思うほどの種もいる。蝶においては、そのようなことは聞いたことがないが・・・・。
 
再掲載(28) タテハチョウ科 メスグロヒョウモン タテハチョウ亜科14.07.11
 ヒョウモンチョウの仲間で多く見られるのは「ウラギン」「ウラギンスジ」あたり。一方「本種」「クモガタ」「ミドリ」等は、どちらかといえば少ない方だ。
 今迄といっても2シーズンだが、撮影は越冬体ばかりだった。
 初めて(目撃はしているが)新生蝶を撮影することが出来た。
 
14.07.11   (68) タテハチョウ科 ルリタテハ タテハチョウ亜科14.07.11
 ホトトギスを10本ばかり植えたが「乾燥地」なので生き生きと育っていない。木陰だと雨が届かず、これまた乾燥してしまう。何処か環境の良い場所に移植したいものだ。
   蝶は、翅表と翅裏を同時に撮影出来るローアングル撮影が多い。
 背景のボケもうまい具合に表現出来て(空間が活かされ明るい)好みの絵になる。
(69) タテハチョウ科 ミドリヒョウモン タテハチョウ亜科14.07.14   14.07.14
 ヒョウモンチョウの仲間は7種飛来する。ミドリヒョウモンは最後に姿を見せる。もっとも、本種のメスは一目で判別できるがオスは他のヒョウモンチョウに紛れ見逃しているかも知れない。
 左前翅が白化した異常個体が飛来し2日間に渡り観察出来た。
 本種は素早く飛ぶが、飛んでいる状態で「何か白いぞ」と感じるほどだった。
 
 
14.07.15 再掲載(10) シジミチョウ科 ベニシジミ ベニシジミ亜科14.07.15
 温暖化に伴う異常気象(未曽有の大雪やすごい雹)の影響なのかと危惧するほどに、今年は「斑紋異常」を例年以上に見掛ける。
  生息登録種;第84種目
   100%の自信あっての同定結果ではないが「ヘリグロ」ということに落ち着いた。
 後方にあるブルーシートも、ここまでボケると綺麗なものだ。
 
(70) セセリチョウ科 ヘリグロチャバネセセリ セセリチョウ亜科14.07.17
 セセリチョウで飛来する可能性を残すのは「コキマダラセセリ」のみになった。それでも13種を撮影しているのだからすごいものだ。
生息登録種;第85種目  
 ゼフィルス9号は、フィールドを含め初撮影(何度か目撃あり)のオナガシジミ、第85種目だ。
 高所に止まったが、胴体の部分まで撮影出来たので大成功だ。
 
 
14.07.17 (71) シジミチョウ科 オナガシジミ ミドリシジミ亜科14.07.17
 まともに撮影していない「キタキチョウ」を摂ろうと農道を行ったり来たり、いざ撮影しようとしたら目の前の草の葉に何やらの蝶影が。慌てたのが悪く飛ばしてしまった。合歓の木に止まったところを撮影。
   昨シーズンにボロボロの個体を証拠写真として撮影した本種。
 今シーズンは何とかと気に留めていた。すぐに飛び上空へと・・・・それでも何とか撮影出来た。
(72) タテハチョウ科 サカハチチョウ タテハチョウ亜科14.07.17   14.07.17
 幼少の頃、実家(当地より標高で170m低い盆地)の庭で見た記憶がある。大分むかしの話になるが、本種も絶滅危惧種に登録される日は近いのかな・・・・。
 ここまで待ったのに損傷している個体、それでも新規登録2種を誘導してくれたので感謝したい。
 秋には綺麗な個体を選び再掲載してあげようと思う。
 
14.07.17 (73) シロチョウ科 キタキチョウ モンキチョウ亜科14.07.17
 本種もなかなか翅表を見せてくれない蝶の一つだ。飛翔撮影に興味を高めないといけないのかな・・・・。集団吸水も、まだ見ていない。
   本種は2化性(3化もあるらしい)で、夏型を撮影した。
 頻繁にブッドレアに訪花、何時のままにか表庭の主役、他のヒョウモンやキタテハ等を追い払う。
 
再掲載(41) タテハチョウ科 アカタテハ タテハチョウ亜科14.07.17
 フィールドでは、そう頻繁に出合う蝶ではなかったが「また君か」というほどの蝶になっている。ブッドレアの蜜が相当好きらしい。
 本種は2化性。第2化の夏型が発生しブッドレアに吸蜜飛来した。
 羽化直の個体は無傷は当たり前だが「色合い」がとても綺麗だ。
 
再掲載(24) タテハチョウ科 アサマイチモンジ タテハチョウ亜科14.07.25
 今シーズンは飛来種も多いなか、第2化も積極的に掲載することにしたのでページ容量がかさむ。200MBのサーバーも2/3ほどになり今後どうするか頭を痛めている。
   本種は1化性だが、この時期の翅裏の色合い(翅裏の地色)はとても綺麗だ。
 ウラギンヒョウモンには「ヤマ」と「サト」があると聞いたことがある。果たしてその差かな・・・・。
再掲載(21) タテハチョウ科 ウラギンヒョウモン タテハチョウ亜科14.07.26 
 この個体は「ギンボシヒョウモン」に近い色合いに見える。一見し「高貴」さを感じさせる「裏銀」だ。来シーズンは意識して「出始めのウラギン」と「夏眠間近のウラギン」の個体差異を観察してみよう。
 本種は2化性。農道のアカツメクサ・シロツメクサ・ヒメジオンの咲き終えて枯れたものが目立ってきたので全面的に除草した。
 朝食後に片付けるので早朝に見回ると「何で刈ったのよ」と止まっていた。
 
再掲載(19) セセリチョウ科 ミヤマチャバネセセリ セセリチョウ亜科14.07.27
 当地では、イチモンジセセリと同様に数多く見られる。今シーズンでは、最も飛来数の多いセセリチョウとして挙げられる。
  生息登録種;第86種目
   東信では数少ないクロアゲハ(夏型)が飛来した。
 短時間の吸蜜飛来で全容姿を撮影するポジションがとれなかったが特徴的な丸みのある尾を捉えた。
 
(74) アゲハチョウ科 クロアゲハ(♀) アゲハチョウ亜科14.07.27   14.07.27
 そういえば、本種の撮影記録は、「泉ヶ岳」(仙台市)と「あづみの公園」(安曇野市)ぐらいしか記憶に残っていない。
 今シーズンは、第1化の春型が何度も飛来したものの「目の保養」で終えた。
 第2化の夏型(♂)が木陰で静止しているのを見つけ撮影、内部ストロボで補光するも手振れ状態。
 
14.07.28 (75) アゲハチョウ科 ジャコウアゲハ(♂) アゲハチョウ亜科14.07.28
 昨シーズンはブッドレアに吸蜜飛来した。かなり損傷したメスであった。今シーズンはオスで左尾が欠けているが記録写真として残せる。
   前年比2日遅れの飛来、今シーズンは第1化を撮影しているので第2化は再掲載。
 2〜3日のズレは「自然界」の出来事で考えれば「無い」に等しい。
 
再掲載(18) セセリチョウ科 アオバセセリ アオバセセリ亜科14.07.29   14.07.29
 キバネセセリは約3週間、それに比べアオバセセリは約1週間と飛来期間は短い。アオバセセリはオミナエシ・三尺バーベナ・ブッドレアに訪花する。キバネもアオバも夕方しか飛来しない。
 第2化のオスが昨日から飛来している。メスを捜しているらしくコマツナギが満開だというのに全く関心を示さない。
 素早い飛び方で証拠写真を撮るのが精いっぱい。僅かな滞在で飛び去った。
 
 
14.07.30 再掲載(30) シジミチョウ科 ミヤマシジミ ヒメシジミ亜科14.07.30
 コマツナギは台地に生えているものと比べると「ほけ過ぎ」て、ミヤマシジミは圧倒されているのかな。冗談はさておき「何がお気に召さない」のか問題点を顕在化させなきゃ・・・・コマツナギの周囲に日本芝を植えなきゃいかんのかな・・・・。
 これまでに観察・撮影した数は86種になる。今シーズン新たに加わったのは9種、7月末までに観察・撮影出来たのは75種とまさに当り年になっている。今シーズン未観察・未撮影の11種について考察してみよう。
 【アゲハチョウ科】では「カラスアゲハ」「アオスジアゲハ」だが、「アオスジアゲハ」は暖地より飛来した偶産個体ゆえ「カラスアゲハ」の2化(夏型)に期待しよう。
 【シロチョウ科】は全て撮影済み、当台地に生息する「ヒメシロチョウ」が何らかの条件で飛来しない限り今後の新規登録は奇跡だ。
 【シジミチョウ科】では「ウラギンシジミ」と「メスアカミドリシジミ」「オオミドリシジミ」それに「ウラナミシジミ」だが、ゼフィルスの2種は来シーズンに期待、他はこれからなので心配はしていない。
 【タテハチョウ科】では「アサギマダラ」「ツマグロヒョウモン」「ヒカゲチョウ」「サトキマダラヒカゲ」だが「サトキマダラヒカゲ」は来シーズンに期待。「ヒカゲチョウ」はどうしちゃったのかな。
 【セセリチョウ科】では「オオチャバネセセリ」が残っている。一回撮影しているが証拠写真程度の出来なので「まぁ、そんなに難易度も高くないから」と油断していたら7月も終わり。10月までに何とかしよう。
丘の上にある家