夏盛り 蝶狂人(2015)の暑中見舞い
 
 「夏盛りって何処のこと・・・・」梅雨空で肌寒い七月の幕開け、愛猫が寒いと膝に乗ってくる。一旦仕舞った電気ストーブを持ち出すと、彼(愛猫)が噴出口に近づき「点けて」と目で催促する。
   昼過ぎに重たく圧し掛かっていた雲が切れ青空が見えてきた。早速、駐車場に舞い降りた蝶、先月末の個体(小画像)と異なり一目瞭然のウラギンスジだ。雨上がりの泥濘、足元がしっかりしている砕石がある地面の方が水飲み場より良さそうだ。
 
(46) タテハチョウ科 ウラギンスジヒョウモン タテハチョウ亜科15.07.03/06.28
 昨夜の雨も上がったが陽は射さない。こんな日は蝶も少ない。
 そんな中で最も多く見られたのは梅雨が似合うルリシジミ・・・・ワレモコウの葉に付いている水滴が何ともいえない。
 
 
再掲載(03) シジミチョウ科 ルリシジミ ヒメシジミ亜科15.07.04
   羽化無不全のツバメシジミ(♂)だ。前翅前部が部分白化している。白化個体は別種でもよく見られる。
 
再掲載(06) シジミチョウ科 ツバメシジミ ヒメシジミ亜科15.07.04
 天気が悪いので蝶も飛来してこないだろうと諦めていたら、窓の外を蝶影が何度も横切り「出ておいでよ」と呼んでいるようだ。ウラギンスジを含め何種も集まっていた。
 損傷個体だが、雰囲気が写し撮れているので再掲載した。花は、リアトリス「スピカータ」・・・・咲き始めたところだ。  
 
再掲載(35) セセリチョウ科 ヒメキマダラセセリ セセリチョウ亜科15.07.04
 バーベナハスタータ「ブルースパイヤー」の繁殖力は凄まじい。三尺バーベナほどではないが適度に抜いて増えるのを抑えている。似た花でベロニカロンギフォリア「アルバ」は遠慮気味に咲いている。
   ブルースパイヤーは、蝶を集めるパワーが強そうだ。シロチョウ・シジミチョウ・ヒョウモンチョウ・セセリチョウが訪花する。花の色が濃いので小さな蝶だと撮影には向かない。
 
再掲載(42) セセリチョウ科 キマダラセセリ セセリチョウ亜科15.07.04
 昨年は「お義理の顔見せ」だったオオチャバネセセリ、今シーズン初見だが・・・・どう展開するだろうか。環境的には悪くないが・・・・この個体は「初夏」発生の第1化だろう。  
 
(47) セセリチョウ科 オオチャバネセセリ セセリチョウ亜科15.07.04
 飛来した3種のセセリチョウ、3種の花で掲載したが、3種ともブッドレアで吸蜜した。原種に近い「ブラックナイド」が最も訪花すると紹介されていた。(我が家ではフラワーパワーが最強)
 ブッドレアは、今年の導入種「アルテニフォリア」は来期に開花・・・・、既にある4種中「ブラックナイド」は満開、「ピンクパール」と「イエローマジック」は咲き始め、「フラワーパワー」は中旬以降になりそうだ。
   ブッドレアの開花を待っていたかのように「ウラギンスジ」や「アカタテハ」が雨交じりの梅雨空にも関わらず訪花を始めた。
 
(48) タテハチョウ科 アカタテハ タテハチョウ亜科15.07.04
 カラフルなスカシユリにキアゲハが似合う。いろんなスカシユリが咲いているが、自身が最も映える種を選ぶとはセンスに長けている(選んでいるように同じユリだけに止る)アゲハだね。  
 
再掲載(02) アゲハチョウ科 キアゲハ アゲハチョウ亜科15.07.05
 陽が陰ると一斉に消え、陽が射すと何処からか現れる。次から次へと種が代わるのではなく、一斉に現れ一斉に消えていく・・・・面白い習性だね。
   オカトラノオが満開になった。セセリチョウが止ると絵になる。そろそろダイミョウセセリも顔を見せても良さそうだが・・・・。
 
再掲載(27) セセリチョウ科 コチャバネセセリ セセリチョウ亜科15.07.05 
 ブッドレアの開花状況だが、一日経つと随分違う。ブラックナイドは花枯れが目立つ、イエローマジックは大分咲いた。ピンクパールも幾つか咲き出している。まだ先かと思っていたフラワーパワーも色づきだした。
 ぐずつく朝が続いているので「ゼフ観察」が遠のいている。クライマックスも過ぎようとしているので早めに未撮影の種を減らしておきたいものだ。
 「花ジャノメ」が発生した。初見で撮影出来た。
 オニヤンマの餌食に・・・・ミソハギが折れているのは「蝶と蜻蛉の死闘」の凄まじさを物語るものだ。
 
 
(49) タテハチョウ科 ジャノメチョウ ジャノメチョウ亜科15.07.11/07.05
 大型のヒョウモンチョウ、翅裏の筋で「ミドリ」と直感で分かった。ツマグロを別にすれば、未撮影は「クモガタ」のみになった。「夏眠」に入ってしまっただろうか・・・・。
   確か、昨シーズンは夏眠後の個体しか撮影出来ていなかったと思う。発生直後の顔見せは短期間なので注視していないと見逃してしまう。
 
(50) タテハチョウ科 ミドリヒョウモン タテハチョウ亜科15.07.05/07.10
 今にも泣き出しそうな梅雨空だがゼフシーズンが終えてしまうという焦りもあり様子を見に行った。表面の鱗粉が飛んだのか輝きがイマイチのジョウザン(ゼフ6号)がテリ張りをしていた。  
 
(51) シジミチョウ科 ジョウザンミドリシジミ ミドリシジミ亜科15.07.06
 ゼフは久し振りだが、この間にボロボロのウラナミアカを撮影した。あまりにも傷ついた個体なので掲載は見送ることにした。今シーズンのウラナミアカは終わりだろう。
 昨日発生した、第2化の「某蝶」を捜していたら「酷似」している本種がいた。その「某蝶」を今朝撮影した画像を確認していたら、どうも別個体の可能性がありそうなので大捜査網をしいたわけだった。
   ヤマトシジミは普通種の代表格なのに当地では少ない。ややもすれば「あれれ・・・・」というはめになる。そんな蝶も88種の中には含まれている。
 
(52) シジミチョウ科 ヤマトシジミ ヒメシジミ亜科15.07.06 
 「キバネセセリ」の季節がやってきた。しばらくは夕方の楽しみが出来た。昨シーズンよりブッドレアの咲き方は数日遅れ、キバネセセリの訪花は逆に数日早い。  
 
(36) セセリチョウ科 キバネセセリ アオバセセリ亜科15.07.07/07.06
 キバネセセリはアオバセセリ亜科、同じ仲間だが「食べ物」も「発生化数」も違う。飛来のタイミングも不思議と重ならない。本種の飛来が終わる頃、7月下旬になるとアオバセセリが飛来する。
 
   今日は小雨交りだが気温が上がり暖かく感じた(暖かく? 夏だよ!)・・・・その勢か小雨の中でも良くお出でくださいましたよ蝶さん達が。
 
(53) セセリチョウ科 スジグロチャバネセセリ セセリチョウ亜科15.07.08 
 例の「某蝶」だが・・・・隣の野菜畑から前の庭等を飛び回っていた。食草依存度が高く離れないだろうと思っていたが、結構飛び回り活動範囲も広いことが分かった。
 サカハチチョウ(夏型)を昨年、一昨年と2年続けて見掛けた谷側の林縁に行ってみた。出来ればキマダラモドキも撮影してこようと期待していた。
 木陰の足元を何かが飛んだ。ウラナミヒメジャノメとは違う飛び方をしている。止った所にそっと近づくとオオミドリシジミ(ゼフ7号)だ。数日前に農道奥の沢で見掛たものと同じだ。  
 
(54) シジミチョウ科 オオミドリシジミ ミドリシジミ亜科15.07.14
 やや翅を広げた時に翅表が確認出来た。舞った時にも分かったがメスだ。大分、間が開いたが「ゼフ7号」の撮影は嬉しかった。
   オナガシジミは、なかなか出会えない「珍蝶」の部類だ。昨シーズンに初めて「我が家」の農道で撮影した。そして、今シーズンに何と6頭も・・・・今朝発生したのだろうか。「ゼフ8号」・・・・あと数種は期待したいものだ。
 
(55) シジミチョウ科 オナガシジミ ミドリシジミ亜科15.07.14 
 
 「今日こそ」・・・・そう思って早や一ヶ月、やっとトラップ(パイナップル)を吊るした。「待ってました」とばかり1時間余りで第1号の国蝶が飛来した。  
 
再掲載(45) タテハチョウ科 オオムラサキ タテハチョウ亜科15.07.14
 さて・・・・明日のトラップに引っ掛かるのは誰だろう。そろそろ、コムラサキも飛来してもよさそうだが・・・・。キマダラヒカゲに来て欲しいんだが・・・・。
 3種のブッドレアが満開だ。常連客(ウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモン、アカタテハ、キバネセセリ、イチモンジセセリ等)で大賑わいだ。
   そんな中で、カップル成立がウラギンスジだ。若干高い場所なので撮影しにくい、ブッドレアの小枝を引き下げようとすると飛び去った。あちこち追跡、まるで嫌らしいストーカーだね。
 
(46) タテハチョウ科 ウラギンスジヒョウモン タテハチョウ亜科15.07.19 
 
 今シーズンは、アゲハの飛来が少ない。ウスバシロチョウを除けばキアゲハぐらいだ。ブッドレアには黒色系アゲハが集まるので楽しみにしていた。先陣を切って現れたのがアゲハだ。  
 
(56) アゲハチョウ科 アゲハ アゲハチョウ亜科15.07.20
 早朝なので光線の角度が悪い。また、そんな位置ばかりで吸蜜するのでスクラップの山になった。1GB以上撮影したのに、この2枚を選ぶにも苦労した。
   初夏の発生時には数回ほど目撃したが未撮影だった。夏眠するため里から山に移動する途中に立ち寄ったのかな・・・・。メスだが、鱗粉は落ちているが傷は少なく嬉しい出会いだった。
 
(57) タテハチョウ科 クモガタヒョウモン タテハチョウ亜科15.07.26 
 さて、「盛夏の蝶」も残すところ5日、今日は農道を横切るジャコウアゲハとウラギンシジミを目撃した。昨シーズンは7月末で撮影蝶種は75だった。何でこんなに出遅れてしまったのだろう。
 この分だと、今シーズン撮影種は70種に満たなく昨年比で激減しそうだ。「盛夏」の吸蜜源になる花が少ないので来シーズンは考えねばならない。
 
 ミヤマチャバネセセリの夏型が頻繁に飛来している。夕日の逆光で撮影して見た。  
 
再掲載(13) セセリチョウ科 ミヤマチャバネセセリ セセリチョウ亜科15.07.20
【総括】
 7月末時点で飛来した蝶の累計撮影記録数は57種(昨シーズンは75種)。「春〜初夏」の飛来状況は、「春」では「平年並み、ただし早いもので10日〜2週間」と異常さを感じた。「初夏」では一転して「著しく少ない」結果になった。
【蝶種別分析】
 撮影はしたものの著しく損傷していたので未掲載扱いにした「ウラナミアカシジミ」、目撃のみは、「オナガアゲハ」「ジャコウアゲハ」「ミヤマカラスシジミ」「クロミドリシジミ」、ここまでで5種。  
 未確認は、「クロアゲハ」「ヤマキチョウ」「ヤマトスジグロシロチョウ」「ミヤマシジミ」「ウラミスジシジミ」「カラスシジミ」「ミドリシジミ」「シータテハ」「ゴマダラチョウ」「クジャクチョウ」「ヒメアカタテハ」「コムラサキ」「キマダラモドキ」「ルリタテハ」の14種。
 先行撮影は、「オオチャバネセセリ」そして昨シーズン未撮影、「オオミドリシジミ」の2種。新規撮影は、「エゾミドリシジミ」「ハヤシミドリシジミ」の2種。前年75種比−18種。
 撮影済みだけで判断しなければ「平年より先行」というシーズン・イン時点での直観通りということかな・・・・。