旅人や蝶狂人が待つ茶房 二つ折りの手紙 “Butterfly” が花の番地 “Cotage garden by tyokyojin” を捜している
風流や春蝶を撮る蝶狂人  (撮影2016年度)
 3/29 モンシロチョウ(シロチョウ科シロチョウ亜科)No.01 & ルリシジミ(シジミチョウ科ヒメシジミ亜科)No.02

初蝶や造苑初の揃い踏

 ログハウスが完成し、2010年大晦日を目前に入居、翌年は内外装の仕上げ、実質的なバタフライガーデン造りは2012年から。
 
5年目の春、2種同日に初見日3/29)を迎えることは初めてのことだ。
 「初蝶」(はつちょう、はつてふ)は「仲春の季語」→春になって初めて目にする蝶のこと。紋白蝶や小灰蝶(シジミチョウ)など小さな蝶を目にすることが多い。
 4/2 ヒメギフチョウ(アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科)No.03
 カタクリの開花とヒメギフチョウ、つい先日のように思えるも、早や一年が経つ。カタクリの開花は数日後、代わりにヒヤシンスでの吸蜜シーンが撮れた。以前から青花で撮りたいと思っていた。 だんだらや蝶の友呼ぶ里の山

 岐阜蝶」(ぎふちょう、ぎふてふ)あるいは「だんだら蝶」は「蝶」の「子季語」で「三春の季語」→蝶は彩りあざやかな大きな翅を持つ昆虫。花の蜜を求めてひらひらと舞う。歳時記では「岐阜蝶・姫岐阜蝶」は同一視しているのでは?
 4/4 ヒメギフチョウ(アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科)
里の山蝶より多いカメラマン

 中一日あけ行ってみた。カタクリの開花が始まった。気温が上がらず、カタクリ群落から離れた日溜りを中心に5頭ほど飛んでいた。カタクリでの吸蜜もお義理程度。
 「カタクリ」に関わる季語は、「片栗の花」(初春)で子季語「かたかごの花・ぶんだいゆり・かたばなうばゆり・かたばな・はつゆり」で、単なる「片栗」では季語にならない。→「片栗のを待つや/○○」とする。
 4/14 スジグロシロチョウ(シロチョウ科シロチョウ亜科)No.04
 モンシロチョウと、若干ではあるが飛び方が違う。ゆっくりと何かを探すようにふぁふぁと舞っていたのでタンポポに止まるのを確認、そっと近づき撮影した。 筋黒は紋白蝶の下絵哉

 バタフライガーデンの初年度は、この台地にはスジグロシロチョウは居ないのだろうかと思った。近所の蝶の先輩に訊ねると、そんなことはないとのことだった。気のせいだったのか、以来はちょくちょく見掛けるようになった。今シーズンは「ヤマトスジグロシロチョウ」を見ずに終えてしまうのだろうか・・・・。
 4/18 ツマキチョウ(シロチョウ科シロチョウ亜科)No.05

白蝶や我もと勇む怒肩

 白頭巾を纏った天狗蝶のような怒肩を持つシロチョウ科の蝶。ジェット機のように飛翔するテングチョウとは異なり、弱々しく羽ばたきながら飛ぶ。その割には、なかなか止らない蝶だ。
 ツマキチョウの初見日は14日、多分その個体だと思う。初見日(4/1)から未だに撮れないモンキチョウもいる中、なかなか撮影出来ない本種を4日後に証拠程度のものだが撮れて嬉しかった。
 4/18 ベニシジミ(シジミチョウ科ベニシジミ亜科)No.06
 地面すれすれに飛ぶ小さくも活発な駿足ランナー。目をこらし追いかけないと、瞬く間に見失ってしまう。 紅奴忙しく飛ぶや小灰蝶

 早春の枯野を忙しく飛び回る小さな蝶というイメージが強いベニシジミ、季節が進むにつれいろんな花が咲き出し「四方八方」を花に囲まれ多種多様の生活様式を醸し出す蝶たち。季節に合わせ、最も美しい絵を描いてやりたい。
 4/22・30 コツバメ(シジミチョウ科ミドリシジミ亜科)No.07

小燕や谷筋登る蝶便り

 庭の花を撮影していたら、小さな飛翔生物がカナメに止った。そっと近づいてみるとコツバメだった。七番目の蝶に相応しい一句を詠んでみた。
 目の敵にしているソーラー設置用地の空間が出来たことで段丘縁から見通しが開け来易くなったのか・・・・そう考えると怒りも静まる。コツバメは、蝶狂人の心の内を察し「プラス思考」の素晴らしさを届けてくれた。
 4/23 モンキチョウ(シロチョウ科モンキチョウ亜科)No.08
 モンキチョウの初見日は4月1日、やっとのことで遠距離撮影。この間に5頭に抜かれ銅メダルを逃してしまった。 はし

ぎ過ぎメダル逃すや紋黄蝶
 」は三春の季語であることは既述のこと、その子季語から「シロチョウ科」に特化した子季語として「白蝶・黄蝶・紋白蝶・紋黄蝶」がある。一方、「山蝶」という子季語もあるが「山で見る蝶」と説明されているが、「山」の定義が曖昧なので何ともいえない。(我が家のような環境では全て“山蝶”?)
 4/23 ヒメギフチョウ(アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科)
絶えぬよう春の女神を守る里

 カタクリの開花とヒメギフチョウ、つい先日のように思えるも、早や一年が経つ。カタクリの開花は数日後、代わりにヒヤシンスでの吸蜜シーンが撮れた。以前から青花で撮りたいと思っていた。
 「岐阜蝶」(ぎふちょう、ぎふてふ)あるいは「だんだら蝶」は「蝶」の「子季語」で「三春の季語」→蝶は彩りあざやかな大きな翅を持つ昆虫。花の蜜を求めてひらひらと舞う。歳時記では「岐阜蝶・姫岐阜蝶」は同一視しているのでは?
 今シーズン、ふとした場所でヒメギフチョウと出遭った。東信では限りなく絶滅と思っていたが、まだまだ点在ながらも多くの場所で生息している。嬉しいことだ。
 4/27 コミスジ(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)No.09
 ミスジチョウの仲間(タテハチョウ科)は「ワルツ」のステップを踏む。リズミカルで、何時まで眺めても飽きない。
春の苑ワルツ踊るや三筋蝶

 次々と新生蝶が現れ俳句を添えるのに間に合わない。正直言って少ししんどくなってきた。説明にならぬよう。季重ねにならぬよう。散文調にならぬよう。考えれば考えるほど手も足も出なくなる。生涯学習講座の「川柳」を、5月から受講することにした。蝶に添える「俳句」に「川柳」も加え併用していきたいと思ってのことだ。
 4/27・30 ヤマトシジミ(シジミチョウ科ヒメシジミ亜科)No.10
なに待つや狗尾草にとまる蝶

 「ヤマトシジミ」の思い出は、十数年前になるが、記憶に新しく“夕闇迫る雷神山古墳(宮城県名取市)狗尾草(エノコログサ)にじっと止まるヤマトシジミの集団”をシャッターが下りなくなるまで撮り続けたことだ。
 撮影した「」の画像を紐解き眺める。そのうちの「良く撮れている」と思えるものは、「何処で撮影したか」「その時の心情はどうだったか」まで覚えている。そんな写真を、一つでも多く撮りたい。また、そう努力している。
 4/30 キアゲハ(アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科)No.11
 「ヤマトシジミ」に続くが、この「キアゲハ」を撮影してから1ヶ月も経ていない。それなのに、「誰の写真?」と思ってしまうものもある。蝶を撮り、感情を撮っていないからであろう。
蝶を撮り蝶を撮らない撮り心
 数多く蝶の撮影をしていると、当然ながら自分で撮ったのに全く記憶にないものもある。何を見て、何を考えて撮ったのだろうか・・・・これは、そんな画像の一つだ。キアゲハは晩夏から初秋が美しいので、その時期に撮ってやろうと思う。昨年はスカシユリで吸蜜する最高のシーンが撮れた。スカシユリは初夏になれば咲く、大分増えたので(キアゲハともども)待望の境地にある。
 4/30 ツバメシジミ(シジミチョウ科ヒメシジミ亜科)No.12
汝より五日前ぞや初燕


 蝶のツハメ(シジミ)は、初燕は4/26(昨年より1日遅れ)より5日遅れで顔を見せた。例年だと8番目だが、今年は9位タイ(6種)、
 鳥の「」(つばめ)は「仲春」の季語になっている。→燕は春半ば南方から渡ってきて、人家の軒などに巣を作り雛を育てる。「初燕」(子季語)を見れば春たけなわも近い。ツバメシジミのオスのブルー、メスのブラック、何処でも見掛ける蝶だが、よく見るとなかなかの美人だ。もっと、いろんなシチュエーションを創り出し撮っていこうと思う。 
 5/1→7 ミヤマセセリ(セセリチョウ科チャマダラセセリ亜科)No.13
 野菜の苗を植えていたら、ヤマガラシでミヤマセセリが吸蜜していた。これは絵になるとカメラを取に行き戻ってみると姿を消していた。辺りを見回すと農道のタンポポに移動していた。 じぐざくに忙しく撥ねる

 挵蝶」(せせりちょう)は、「蝶」の「子季語」で「三春の季語」。日本に分布する蝶は、5科(アゲハチョウ・シロチョウ・シジミチョウ・タテハチョウ・セセリチョウ)に分類される。ミヤマセセリは、里山の登山道でよく見掛ける。花好きな蝶だが、どうも園芸種は好かないようだ。
 5/7 ウスバシロチョウ(アゲハチョウ科ウスバアゲハ亜科)No.14

空に浮く薄羽や蝶の障子紙

 初見日の翌々日の撮影、農道のヤマガラシは本種のために植えたもの、好きなネギ坊主は未だ咲いていない。
 ウスバシロチョウやアサギマダラは、上昇気流を捕え翔というより浮くように舞う。本種は和紙を張り付けた菊柄の障子のようだ。白いウスバシロチョウ、黄色のヤマカラシが良く似合うと思っていたが、白花アイリスも、なかなかのお似合いだと見直した。
 5/14 オナガアゲハ(アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科)No.15
春深し香極める花忍

 ツルハナシノブはミヤマチャバネセセリの指定席であった。今シーズンは蝶の発生は前倒しになっているというのに一向に現れない。そこで我がその席にという吾人が現れ、気に入ったようで長居してくれた。グランドカバーの小花にミヤマカラスアゲハが吸蜜飛来しているのを見たことがある。珍しい光景ではないが新鮮さを感じた。
 5/15 ウラギンヒョウモン(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)No.16

温暖化季節狂わす初夏の蝶

 年々進む温暖化、「初夏の蝶」も一様に「晩春の蝶」になりつつある。四季折々、詠んできた俳句の歴史も塗り替えられ古き時代の季語はどうなるだろうか・・・・例えば「五月雨」(梅雨)、「五月晴」(梅雨の晴れ間)等。何よりも、「旧暦」(月)と「新暦」(太陽)・・・・芭蕉は「月見」を好んでいたようだが。それはともかく、今シーズンのヒョウモンチョウの仲間の発生順はどうなるだろう。「初夏の蝶」の認識も改めなければならなくなるかも・・・・複雑だ。
 5/18 アサマイチモンジ(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)No.17
 アサマイチモンジは浅間山の麓で見つかったイチモンジチョウだ。そんな蝶を、どう撮りたいか考えてみた。 一つ絵に浅間や蝶を描く夢

 我が家から浅間山が眺められる。農道の路肩に植えてあるコマツナギに止った。広角撮影をしようとカメラを取りに戻っている間に飛び去っていた。何時かは撮りたいシーンの一つだ。
 5/18 アゲハ(アゲハチョウ科アゲハチョウ亜科)No.18

泡沫や汝は蝶

夢の恋

 蝶に興味が無くても、アゲハは広く知られている。ごく普通に見られるが、その行動範囲は沿岸から高嶺まで垂直分布は他に観られないし、その行動範囲の広さに頭が下がる。
 アゲハの横顔をじっと見ていると・・・・クレオパトラが脳裏に浮かんできた(私だけだろうか?)。昨年はスカシユリで吸蜜するシーンを撮影した。その時は[楊貴妃」に見えた。いずれにしても“凛々しい”姿を見せてくれた。「泡沫や」(うたかたや)と「夢の恋」は重複するだろうか。
 5/22 オオルリシジミ(シジミチョウ科ヒメシジミ亜科)No.19
市宝蝶守る絆に姫女苑

 オオルリシジミ」は、市の蝶かつ天然記念物として保護している。最も絵になる花は「ヒメジョオン」だと思う。「姫女苑」は夏の季語。花言葉は「素朴で清楚」、保護活動の心も・・・・そうあって欲しいと思います。
 5/26 ミヤマチャバネセセリ(セセリチョウ科セセリチョウ亜科)No.20

春深し案ずる我を待たす蝶

 暖冬故、今年は揃って早い発生というのに、待ちわびていた「ミヤマチャバネセセリ」は夏寸前に顔を見せた。お前だけ昨年より23日も遅れ、何処ほっつき歩いていたのか・・・・まぁいいさ、無事が何より嬉しい。「春蝶の部」を掲載するに手間がかかった。「初夏の部」は蝶種が目白押し、「俳句を添える」は一旦お休みにします。