旅人や蝶狂人が待つ茶房 二つ折りの手紙 “Butterfly” が 花の番地 “Cotage garden by tyokyojin” を捜している
風流や冬蝶を撮る蝶狂人 (撮影2016年度)
 3/8 テングチョウ(タテハチョウ科テングチョウ亜科)No.01
凍て蝶や鈍
った勘の腕試し

 越冬明けのテングチョウ、かなり空腹のようで梅花で爆吸、三脚を立て目線位置で鈍り切った勘を(天狗の鼻が折れぬよう)取り戻すべく試し撮りをした。
 越冬蝶に相応しい「季語」には「冬の蝶」(三冬)がある。その子季語に「冬蝶・越年蝶」がある。→冬に見掛ける蝶のこと。冬の蝶として特別な種類があるわけではない。その蝶も寒さが強まるにしたがい飛ぶ力もなくなり、じっと動かなくなってしまう。
 3/10 氷結した名残雪の朝
 天気予報では来週後半まで寒波が居座るとのこと・・・・雪は融けても初蝶は月末まで伸びそうです。しかし、あと一ヶ月も経てばヒメギフチョウが発生します。 凍て蝶よ一息つけや名残雪

 「雪の果」(仲春)という季語があり、子季語に「名残の雪・雪の名残」等があるも「名残雪・なごり雪」はない。ただ、気象協会では「なごり雪」(3月)を挙げている。「増季語」のレベルなので「季重ね」とは考えない。
 3/17 キタテハ(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)No.02

は名残雪後の目覚かな

 彼岸入。午後16℃まで上がった。ビオラでキタテハが吸蜜していた。梅が満開、先日のテングチョウが吸蜜していた。
 一方、「晩冬」の季語として「凍蝶」(いてちょう、いててふ)があり、子季語として「蝶凍つ」というものがある。
 3/30 スジボソヤマキチョウ(シロチョウ科モンキチョウ亜科)No.03
 乾燥した場所を選ばず越冬するため、翅はボロボロに傷んでいる。(類似種のヤマキチョウは真逆で越冬体とは思えないほど綺麗である)。 耐え抜くや痛
々しくも冬の蝶

 「越冬蝶」を詠むとなれば、必然的に「季語と季節のずれ」が生じてくる。詠んだ時期は「春」でも「冬の句」になってしまう。「蝶」(動物)を使わず「季節感」のみを詠むように心掛けるべきだろうか・・・・。
 4/2 & 4/23 ヒオドシチョウ(タテハチョウ科タテハチョウ亜科)No.02
緋縅や武士のいでたち冬の蝶

 「緋縅」(ひおどし)→「縅」(おどし)は「鎧」(よろい)のこと、「甲冑」(かっちゅう)の一部である。
 「緋縅」(ひおどし)→「縅」(おどし)は「鎧」(よろい)のこと、「甲冑」(かっちゅう)の一部である。
 今シーズンの春の訪れは早く、新生蝶の発生も2週間程度繰り上がっているように感じられた。・・・・という訳で「冬蝶」の部はこの辺りで一旦〆るとしましょう。なお、撮影は叶わなかったが「キタキチョウ」「ルリタテハ」を目撃したが、目標だった「キベリタテハ」は目撃すら出来なかった。それにしても温暖化で越冬蝶を見掛けなくなったような・・・・そのうちに、越冬そのものが不要になる時代になるかも知れない。3ヶ月づつの四季があるのも、あとどれくらいのことだろうか。