鹿島紀行 ; 霞ヶ浦周辺の芭蕉句碑 |
2015.11.20(金) 曇/小雨 |
楼門をくぐり本殿の前を抜け神宮の杜の突き当りに「奥宮」がある。その前に2つ目の句碑がある。 句碑02「此松の実生せし代や神の秋」(このまつの みばえせしよか かみのあき)、貞享4年8月の「鹿島紀行」で詠んだ句。→句部の拡大 |
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「本堂」右手、05「月はやし梢は雨を持ちながら」(つきはやし こずえはあめを もちながら)、「鹿島紀行」での作。芭蕉参禅の師である「佛頂禅師」の寺(江戸での居住は臨川庵/臨川寺)、この頃は付近の草庵(大儀寺)に隠棲していた。「鹿島詣」の目的の一つは「佛頂禅師」を訪ねることだったようだ。 |
【大六天神社】茨城県潮来市 | ||
県道50・101の交差点脇にある神社。句碑06「刈かけし田面能鶴や左と農秋」/「刈りかけし田づらのつるや里の秋」(かりかけし たづらのつるや さとのあき)、「鹿島紀行」での作。 |
「時雨塚」は「笈の小文」(其角亭餞別会)で詠んだもの、句碑10「旅人と我名よばれむはつしぐれ」(たびびとと わがなよばれん はつしぐれ)、貞享4年の作。個人的には「旅に病で」同様に好きな句の一つ、出逢えて嬉しかった。 | ||
【三熊野神社】茨城県潮来市 | ||
雨も本降りになり傘を差しての撮影になった。 句碑11「春もやゝけしきとゝのふ月と梅」(はるもやや けしきととのう つきとうめ)、元禄6年春の画賛句。この句に出逢うのは6回目だ。 |
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芭蕉の「月はやし」「寺に寝て」に続く、曾良句13「雨に寝て竹起かへるつきみかな」/(あめにねて たけおきかえる つきみかな)、宗波句14「月さびし堂の軒端の雨しづく」/(つきさびし どうののきばの あめしずく)。「仏頂塔」に並んで句碑が建てられている。 | ||
【化蘇沼稲荷神社】茨城県行方市 | ||
社殿右手の句碑、15「この道やゆく人なしに秋のくれ」(このみちや いくひとなしに あきのくれ)。元禄7年9月の作。句碑で見えているのは句碑を立てた俳人「洞海舎凉谷」の「名月も昨日になりぬ峰の松」、肝心の芭蕉の句は小枝の陰。広角レンズでやっとの思いで撮影→「芭蕉句面」 |
ここには句碑か2つ、すっかり忘れ、次の場所で気付き戻っての撮影。社殿右手奥、上句碑とは目と鼻の先。句碑16「永き日も囀たらぬひばり哉」(ながきひも さえずりたらぬ ひばりかな)。貞享4年の作。(句面の拡大) |
【月蔵寺大教院跡】茨城県鉾田市 | ||
「月蔵寺大教院跡」(地蔵堂)に芭蕉句碑がある。句碑17「氣婦計人気登し与麗者津志くれ」/「今日ばかり人も年寄れ初時雨」(きょうばかり ひともとしよれ はつしぐれ)。元禄5年の作。 |
【石八戸会館】茨城県鉾田市 | ||
句碑、18「梅かゝにのっと日の出る山路哉」/「梅が香にのっと日の出る山路哉(うめがかに のっとひのでる やまじかな)、元禄7年の芭蕉最後の春、野坡との両吟歌仙の句。「炭俵」の冒頭を飾った名句。 |
【天聖寺跡】茨城県小美玉市 | ||
「天聖廃寺」は斎場・共同墓地になっている。「本間家(松江/道悦)の墓」に「鹿島紀行」の「帰路自準に宿す」で詠んだ「三吟句碑」がある。(墓地を物色するようで気が引けたが解り易かったので安心した) | ||
主人(松江/道悦)句20「ねぐらせよわらほすの宿友すずめ」/「塒せよわらほす宿の友すヾめ」(ねぐらせよ わらほすやどの ともすずめ)、客(桃青/芭蕉)句21「あきをこめたるくねの指杉」(あきをこめたる くねのさしすぎ)、ソラ(曽良)句22「月見んと汐引のぼる船とめて」/(つきみんと しおひきのぼる ふねとめて)。→説明板 |
【常陸国分寺跡】茨城県石岡市 | ||
参道左手にある大師堂前に芭蕉句碑がある。句碑23「以左行ん雪見爾古呂婦所ま天」/「いざ行む雪見にころぶ所まで(いざゆかん ゆきみにころぶ ところまで)、貞享4年、「笈の小文」旅中「名古屋の風月堂」で詠まれた句。 |
【如来寺】茨城県石岡市 | ||
句碑24「能見れは薺花さく垣根哉」/「よく見れば薺花咲く垣根かな」(よくみれば なずなはなさく かきねかな)。貞享3年の作。 |
【愛宕神社】茨城県笠間市 | ||
標高305mの愛宕山山頂にある神社、社殿裏手飯綱神社左手前に芭蕉句碑がある。句碑25「夏來ても只一つ葉のひとつかな」/「夏来てもただひとつ葉の一葉かな」(なつきても ただひとつばの ひとはかな)。元禄元年、「笈の小文」旅の帰路「岐阜付近の山中」にて詠んだ句。 |
【玄勝院】茨城県笠間市 | ||
本堂裏手の庭園に芭蕉句碑がある。句碑26「古池や蛙飛込水の音」(ふるいけや かわずとびこむ みずのおと)、貞享3年の作。芭蕉作品中、最も人口に膾炙した俳句中の俳句だけあってこの句碑で13回目になる。 |
【笠間稲荷神社】茨城県笠間市 | ||
「笠間稲荷神社」(日本三大稲荷の一つ)楼門右手の藤棚の下に芭蕉句碑がある。句碑 27「志波羅く盤花能うへなる月夜哉」/「しばらくは花の上なる月夜かな(しばらくは はなのうえなる つきよかな)、元禄4年春の作。 |