神室岳(宮城県川崎町);奥羽二口山塊の怪峰

− 2002.8.23 (金) 晴れ −

 二口山塊は、蔵王連峰と船形連峰の間に位置し、盟主「大東岳」と怪峰「神室岳」は仙台平野から容易に指呼できる特徴ある山地です。また二口山塊の山は、北蔵王の雁戸山や船形連峰の盟主船形山とともに登山口が奥まっているので敬遠気味でした。

 神室岳(かむろだけ;1356m)は、侵食が進み切り落ちた南壁を有し威圧感をたたえる特異な山容を誇る怪峰で、なかなか厳しい山であります。そんなこともあり、山と渓谷社の分県登山ガイド「宮城県の山」では、熊野岳と水引入道に並ぶ3つ星三山です。

 熊野岳は刈田岳方面からなので1つ星相当、そうなると3つ星登山は初めてということになります。7月27日に、笹谷峠までドライブした際に登山口の様子は既に下見してあります。
 
旧286号笹谷峠手前よりの山容 ハマグリ山登山道より笹谷峠を見下ろす
 昨夜の就寝は、いつものように1時を回っていました。友人からの電話で5時50分に目を覚まし予定通り6時30分に家を出発し、286号の旧笹谷峠には宮城側から行きました。登山口がある峠頂の駐車場には7時45分に着きました。平野部は快晴でしたが、奥羽山脈の山々には雲がかかっていました。
 
ハマグリ山尾根道よりトンガリ山を眺める トンガリ山の東壁は仙人沢までの絶壁
 笹谷峠の標高は906m、神室岳は1356m、標高差450mを水平距離で約5kmという登山、まず通過時刻を記します。休憩なしの標準タイムは、往路2時間30分、復路2時間10分です。
往路 07:50 08:50 09:35 10:10 10:40 11:20 (3:30)
笹谷峠 ハマグリ山 トンガリ山 山形神室山 ダンゴ平 神室岳
復路 14:50 14:00 13:35 12:50 12:10 11:50 (3:00)
ダンゴ平から山形神室への復路で神室岳が姿を現す 復路で振り返って眺めた山形神室
 ハマグリ山の稜線までは、一気に登る急坂です。登山口から見上げた時は「こりゃ大変だ!」と思いましたが、疲れを感じることもなく登りきりました。稜線から山形市街がよく見えました。

 宮城側からガスが覆い始め、気分爽快であるはずの尾根歩きは霧の中です。午後になり、神室岳から引き返し山形神室山を通過する辺りからガスが消え周囲の眺望を楽しむことができました。
 
トンガリ山の絶壁縁道より眺める二口山塊 笹谷峠頂の宮城側より眺める神室岳の山容
 トンガリ山の東壁は、仙人沢まで切り落ちる絶壁です。往路はガスが立ち込めていたので何となくという程度、復路では谷底まで見通せ足がすくみました。

 その絶壁縁に築かれている登山道より神室岳を返り見ることができました。左上写真、神室岳のスームアップ写真(Click Me !)をご覧ください。左端に縦に真っ直ぐにのびる急坂が確認できると思います。ロープもなく、腹這いになってよじ登りました。

 二口山塊の怪峰「神室岳」、3つ星コースは「仙人大滝標識」から入山する場合でしょう。笹谷峠からの往復コースは、所要7時間(万歩計のカウンタで15300歩)ですが、山形神室山〜ダンゴ平〜神室岳の急坂と、トンガリ山の絶壁縁を注意すれば気分爽快な尾根歩きです。

 「蝶と里山の浪漫紀行(Annex)」の山野草の花園に、「二口山塊に咲く花」と題して20枚の写真を掲載しました。また、山の写真館もご覧ください。