蝶を撮る風流な蝶狂人
- 写真集づくりに励む“3月編” -
【平成28年3月1日】蝶の図鑑(No.023);オナガシジミ No.041
露地裏や夢の夏蝶撮りまくり
ろじうら ゆめのなつちょう とりまくり
夏蝶や初撮り叶う露地の奥(初案)→夏蝶や捜しあぐむも叶う露地(改案)
 朝一で白馬まで撮影に出向くも撮り逃していたゼフィルス仲間で憧れのオナガシジミ。撮れる時はあっけないもの、我が家の露地裏で初撮影が叶うとは夢のような出来事。興奮で手が震え、更に背伸びをして足元まで撮影出来た。
   オナガシジミは、山麓部平地から山地にかけた渓流沿いのオニグルミを食樹とし、年1回、7~8月に発生する山地性のシジミチョウ。本種が発生(7月中旬)すると、ゼフィルスも終盤に近い。
 
 散歩道にオニクルミの老木が1本、オナガシジミの発生時期になると様子を見に行った。農道で撮影が叶った翌年、ふとしたことで老木周辺での集団発生に遭遇した。思わず時刻を確認、未探索であった午前11時であった。
【平成28年3月1日】蝶の図鑑(No.024);ミズイロオナガンシジミ No.042
銀鼠は余所着の母や初夏の蝶
ぎんねずは よそぎのはは しょかのちょう
銀鼠や伝統美つぐ初夏の蝶(初案)→銀鼠に母の姿や見せる蝶(改案)
 ゼフィルスの発生、第一集団に含まれるミズイロオナガシジミ。地味な蝶だが何とも言えない銀鼠色、明治生まれであった母が好んで着た和服を思い出させる。
 ミズイロオナガシジミは、ブナ科のクヌギ・コナラ・カシワ・ミズナラを食樹とし、低地から山地の二次林に生息する。年1回、6月~7月、ゼフィルスの仲間では先頭集団として発生。翅裏の紋に変異がみられる。  
 
 「銀鼠」は、銀色のようなほんのり青味を含んだ明るい灰色(錫色)。江戸時代(四十八茶百鼠)に着物の色として流行した鼠色系の明るい日本の伝統色。着物に限らず車にもシルバーメタリックというカラーが多く使われている。
【平成28年3月2日】蝶の図鑑(No.025);ミドリシジミ No.043
四季の庭ひょいと覗くや小灰蝶
しきのにわ ひょいとのぞく しじみちょう
夏蝶もすり抜けるや若楓(初案)→見付けるや青葉の茂み潜む蝶 & 夏風につと顔出すや小灰蝶(改案)
 農道奥のカエデで梢でコムラサキを見つけ、500mm望遠ズームで撮影していると、そこに小さなゼフが「私も撮って!」と割り込んできた。そうこうしていると、風に煽られ低い場所に降りてきたのが初撮りのミドリシジミだった。
   ミドリシジミは、カバノキ科のハンノキ(湿地や河川敷等湿潤な立地)やヤマハンノキ(渓流沿いや林道法面)の自生地で食樹として生息する。年1回、7月~8月にかけ発生、オスの翅表は鈍い金緑色、メスは黒褐色に4タイプの紋を持つ。
 
 ゼフィルスと呼ばれる蝶は、シジミチョウ科のミドリシジミ亜科に属す一部の蝶。その亜科名を持つミドリシジミには四つのタイプ(多型現象=O型/無紋・A型/橙紋・B型/青紋・AB型/橙・青紋)のメスがいる。ハンノキは、河川敷や水田耕作放棄地に繁殖し森林を構成するので、ブナ林が減少する中でゼフィルスの仲間のミドリシジミにとっては生息範囲の拡大につながっている。東側に広がる遊休地を探索してみよう。
【平成28年3月2日】蝶の図鑑(No.026);メスアカミドリシジミ No.044
初夏の山実桜食むや小灰蝶
しょかのやま みざくらはむしじみちょう
樫喰わぬ/蝶の女神や/美女桜(初案)→樫除けて実桜食むや蝶のむし(改案)
 山桜の葉を食べ大きくなり、栗の花で吸蜜する(甘党)メスアカミドリシジミ。同じゼフィルスの仲間の多くはブナ科のカシワ等を食べる。蝶の世界にも樫(菓子)嫌いという風変わりなものもいる。
 落葉広葉樹林帯の渓谷斜面などに自生するサクラ類(ヤマザクラ・オオヤマザクラ・マメザクラ等)で発生する。年1回、6~7月にかけ出現する。  
 
 オスは午前中に活動し占有行動をとり、なわばりに侵入した他の個体を激しく追尾し卍巴飛翔をする。オスの翅表は輝きの強い金黄緑色、メスは黒褐色に橙色の斑紋がある。
 雑木林に棲むゼフィルスの多くは、林道や天空が開けた空地等で見られる。そのような立地環境は、土地開発に限らず僅かな変化で発生状況が大きく異なる。また、林道が使われなくなり路肩部の林縁が荒廃しただけでも発生しなくなる。
 
【平成28年3月2日】蝶の図鑑(No.027);クロミドリシジミ No.045
初夏の蝶無垢こそ優美虜かな
しょかのちょう むくこそゆうび とりこかな
黒みどり茶に白銀の小灰蝶(色遊び) 白南風に黒や緑と小灰蝶(初案)→珍しやゼフと思えぬ地味な蝶(改案)
 早朝の林床、足元から飛び立っても他のゼフのように樹上に向わず這うように逃げ近くの下草に止る。止ったところに朝日が照らすと開翅する。サービス精神旺盛だが、表も裏も黒褐色というゼフィルス切っての地味なクロミドリシジミ。思い切って6色を並べ、序でに蝶名もフルに詠み込んでみました。気の毒に色気のない蝶になってしまいました。
   クロミドリシジミは、ブナ科のクヌギを食樹とし、年1回、6~7月に発生する。
 ゼフィルス系では珍しく、オスの翅表は無紋で黒銅色。準絶滅危惧種に指定されている。
 
 かつて、県外の方から「この雑木林は、クロミドリシジミの生息地として知られています」と、某所を教えられた。環境的には、①類似・②陸続き(当たり前か)ということもあり我が家付近を探索したところ偶然にも足元から飛び出したのが本種だった。本種に限らずマイ・フィールドには珍しい蝶も少なからずいる。ゼフの散歩道周辺の環境変化が激しいことが気になる。周辺は別荘地として開発した場所なので何時までも塩漬けにしておく訳にはいかないだろう。
 
【平成28年3月3日】蝶の図鑑(No.028);オオミドリシジミ No.046
煌めくや若葉の上で揺れる蝶
きらめく わかばのうえで ゆれるちょう
椈の葉や揺れ耀くは初夏の蝶(初案)→白南風や帰路で出逢うや木陰道(改案)
 卍巴飛翔するゼフィルスの撮影を終え、帰り道の林道の木の下闇で見掛けることの多いゼフィルス。金緑色で輝く派手な蝶というより、落ち着きのがある気品高い蝶というイメージが強い。
 市街地近郊の雑木林から山地まで、ブナ科のコナラ・クヌギ・カシワ・ミズナラ等多様な食樹を持ち生息範囲が広い。年1回、6~7月に発生するゼフィルスの仲間。  
 
 これより4種の見分けは非常に難しい。オスは、金緑色に輝く表翅を持つが、見る角度や光線の具合により薄青から金緑色まで貝殻のように変化する。農道奥の沢をはさんだ竹藪付近までの間で観察出来るゼフィルスは「ウラゴマダラシジミ・ミズイロオナガシジミ・アカシジミ・オナガシジミ・ミドリシジミ・オオミドリシジミ」の6種である。農道の空地にクヌギを植えてみようかと思っていたが、これだけ観察出来ればよしとしよう。
 
【平成28年3月3日】蝶の図鑑(No.029);ハヤシシジミ No.047
短夜や出勤まえの蝶々撮り
みじかよの ねおきおそう ちょうマニア
樫叩き落葉や蝶が泣き別れ(初案)→樫叩き落葉の中や初夏の蝶(改案)
 初夏の早朝、ブナ林を抜ける小道で犬と散歩をする。そこで小枝を叩く蝶マニアの姿を見掛ける。就寝中の蝶を叩き落とし、朝日を浴び開翅するゼフィルスの撮影をするのだという。(撮影はマイフィールドだが、情景と俳句はかつて長野から通い詰めた白馬村である)
   ハヤシミドリシジミは、ブナ科のカシワを食樹とし、年1回、6~7月にカシワ林で発生する。オスの翅表はやや青みをおびた金緑色、メスは黒褐色に淡灰斑を持ち夕方に活動する。
 
 発生地である林道沿いは、マツにブナ科が混じり、大半は雑木(知らないゆえの失礼な表現)。マツはマツクイムシにやられ伐採が進んでいる。以前より明るい二次林になっているが・・・・ゼフィルスの生息環境としてはどうだろうか。樹木の名前を学習しマップ化してみたいと思う。そして、何処で何が観察できるかも書き込めたらいいのだが・・・・。
 
【平成28年3月3日】蝶の図鑑(No.030);エゾミドリシジミ No.048
ゼフィルスや名札にせぬか樫落葉
ゼフィルス なふだにせぬか かしおちば
樫落葉ハヤシやエゾか裏表(初案)→ゼフィルスや名札付けぬか初夏の蝶(改案)
 ゼフィルスで、同定に自信がない6種(ミドリ・メスアカミドリ・オオミドリ・ハヤシミドリ・エゾミドリ・ジョウザンミドリ)、せめてハヤシミドリとエゾミドリだけでも名乗って欲しい。ブログで同定のお願いをしたら「エゾ」で良いとのお墨付きを頂いた。
 エゾミドリシジミは、山地のミズナラ林や山麓のクヌギ・コナラ林で発生する。ブナ科のコズナラ・コナラ・クヌギを食樹とし、年1回、6~8月に発生する。  
 
 生息が判明したゼフィルスは13種、そのうち7種(ウラゴマダラ・アカ・ウラナミアカ・ウラミスジ・オナガ・ミズイロオナガ・クロミドリ)は一見して同定が出来る。残す6種は図鑑と睨めっこしても、類似種の比較でしか説明していない図鑑では翅縁が直線的とか、この部分が広いとか狭いという抽象的な相違点。写真では一方向からの部分的比較検証なので思い込みを払しょくできなく偏見的検証に陥る。
 
【平成28年3月4日】蝶の図鑑(No.031);ジョウザンミドリシジミ No.049
南風や煌めく蝶に憂さ晴らし
なんぷう きらめくちょうに うさばらし
耀くやブナ林てらす夏の星(初案)→梅雨明や未来照らすか蝶の星(改案)憂さ晴らし/煌めく蝶や/梅雨の山
 占有行動(テリ張り)から卍巴飛翔を行う朝方が撮影に適し、写真はテリ張り。同じ場所に止りテリ張りをするので、やや高い位置から撮影できる環境を確保して待っていると写真のような絵が撮れる。地味なクロミドリシジミと派手なジョウザンミドリシジミ、同じゼフィルスの仲間で「・・・・萩と月」と表現したくなる。
   ジョウザンミドリシジミは、ブナ科のミズナラ・コナラを食樹とし、落葉広葉樹林で、年1回、6~8月に発生する。午前の早い時間帯に活動、梢上で占有行動をとりながら活発に飛翔する。
 
 活発に活動する時間帯別に分けると、早朝はミズイロオナガ・クロミドリ、朝から昼前はメスアカ・オオミドリ・ジョウザンミドリ、午後の日中から夕方はウラゴマダラ・エゾミドリ、夕方から日没はアカ・ウラナミアカ・ウラミスジ・オナガ・ミズイロオナガ・ミドリ・ハヤシである。撮影は不活発な時間帯の方が良いので朝方から午後の明るいうちになろう。
 
【平成28年3月5日】蝶の図鑑(No.030);カラスシジミ No.050
幼虫の食樹頼りや初夏の蝶
ようちゅうの しょくじゅだより 初夏の蝶
春楡や何処探せど初夏の蝶(初案)→夏山や春楡いずこ蝶に聞け(改案) 
 ハルニレ(春楡)という響きのよい落葉高木樹で発生するカラスシジミ、食樹探しと蝶探し、どちらが先かといえば、本種のように食樹依存性の強い蝶は、言うまでもなく植樹探しが優先する。
 カラスシジミは、渓谷沿いの樹林にあるニレ科のハルニレ等を食樹に、年1回6~8月に発生する。成虫になっても食樹の近くにいるというので発生地を捜してみよう。  
 
 近似種にミヤマカラスシジミがいる。発生数は本種が少なく、偶然見掛ける程度。農道のヒメジョオンに普通に訪花するのはミヤマカラスシジミ、たまたま500mm望遠ズームを装着していたので試し撮り程度の軽い気持ちで覗いてみたら本種、ピントが合う距離まで後退し撮影した。後翅裏にある白帯が、翅縁に沿って平行に走っているのがミヤマカラスシジミ、それに比べ内側に入り込んで走るのがカラスシジミである。
 
【平成28年3月6日】蝶の図鑑(No.031);ミヤマカラスシジミ No.051
蝶棲や集くに勝る庭づくり
ちょうすむすだくにまさる にわづくり
夏蝶や思う心が的外れ(初案)→蝶に媚び手入のたびに廃る庭(改案)
 農道の両側にフジバカマを増植しアサギマダラの回廊づくりを進めた結果、ヒメジョオンやアカツメクサそして地肌も激減した。やり過ぎたのか少なからず影響が出始めている。
   ミヤマカラスシジミは、クロツバラやクロウメモドキを食樹とし、年1回7~9月に発生する。林縁の遊休耕作地のヒメジョオンに訪花しているのを見掛ける。本種は普通にマイフィールドに飛来する。
 
 ヒメジョオンに訪花し、夢中で吸蜜するので撮影には苦労しない蝶の一つ。農道環境の整備をし過ぎたたのかヒメジョオンの数が減り2015年度の訪花は初めてゼロを記録した。アカツメクサも根こそぎ除草したので2016年のシーズンはどうなるだろうか・・・・。ウスバシロチョウにと植えたヤマカラシ、こぼれ種であちこちに増えた。
 
【平成28年3月6日】蝶の図鑑(No.030);コツバメ No.052
老いいるや蝶と遊ぶは四季の庭
おいいる ちょうとあそぶは しきのにわ
 山里や集く蝶みて思い知る(初案)→親しげに話掛けるや山の蝶(改案)
 「ゼフィルス」から連想できる家は・・・・「別荘」。「コツバメやミヤマセセリ」から連想できる家は・・・・「人里離れた古民家」かも。我が家は、どうみても中山間地域。そこが、終の棲家になるとは思ってもいなかった。
 ヤマツツジ・ガマズミ・ボケ・ユキヤナギ等を食樹とし、年1回、4~5月に発生する。樹林の林縁や落葉樹林内の日溜りで見られる。  
 
 日溜りで横倒しになり日光浴、また敏速に飛翔し占有行動をとる。時には、何十倍もの大きなキアゲハ等を追いかけるさまに勇ましさを感じる。いい絵の西側のイチゴ畑や庭のユリに止っている姿を見かけたときは、我が家が「山里の家」であることを実感した。どうと言う話ではないが、東京の地下鉄で「国会議事堂前駅」(丸ノ内線)から「溜池山王」(銀座線)、ホーム両端を2往復すれば、我が家から最寄りのしなの鉄道の駅まで着いてしまう。比較してみると、ここ中山間地域も、さほど不便ではなさそうだ。(東京の地下鉄、とにかく歩くのは骨が折れる)
 
【平成28年3月9日】蝶の図鑑(No.031);トラフシジミ No.053
すり足や根本踏みつけ逃す蝶
すりあしねもとふみつけ のがすちょう
長玉や近寄り過ぎてこずく蝶(初案)→驚くや呪文効き過ぎ逃げる蝶(改案)→すり足や根本踏みつけ逃す蝶(改案)
 普段は翅を閉じている蝶、その表翅を撮影したく「開け!開け!」と呪文を唱える。人によって「好みの呪文」があるようだ。そして、強力な念じ力を持っているひとも中にはいる。最近になってLEDライトを撮影の補助光として用いる人も多く、そのLEDライトで照射し科学的(?)に開翅させる方法も用いられている。
   トラフシジミは、マメ科・ユキノシタ科・バラ科等、広範囲にわたる食草の花や若い実を食す。年2回、春型(4~5月)・夏型(7~8月)発生する。
 
 春型は小型で翅裏面は灰白色と褐色のトラフ模様、夏型は黄褐色で模様は目立たない。本種も頻繁に訪花するが春型に比べ夏型の方が圧倒的に多い。翅表の群青色/青紫色(♂)が美しい。V字開翅も良いが180度超えも撮影してみたい。幼虫に興味はないが、食べる花の色によって色が代わるというから面白い。
 
【平成28年3月10日】蝶の図鑑(No.030);ベニシジミ No.054
蝶の顔浮かべ描くや庭づくり
ちょうのかお うかべえがく にわづくり
(ひとり言)普通とは昨日も明日も同じなり & 生き物に日々の変化や当たり前
 雑木林や耕作地、家の周辺も手を加えると蝶の発生環境も変わり種類や個体数に変化が表れる。反対に、放置しても同様の減少が表れる。目の前に広がる広大な遊休地がメガソーラーに変ると、どのような変化が表れるだろうか。
 ベニシジミは、タデ科等、幅広く食草とし広く普通に生息する。多化性で4~11月まで見られる。春型(明るい色合い)と夏型(黒ずんだ色合い)、秋には春型も見られる。  
 
 片方の翅の色素が消え白化個体(2014.7)として見られることもあった。夏型は黒ずんでくるので、撮影には春型が綺麗に撮れる。バタフライガーデンの庭造りで自然度が薄らいだのか、本種も少なくなったと感じられる蝶の一つだ。草刈り一つとっても、再生する植物もあれば絶滅する植物もある。肥料も過大だと逃げ足をもたない植物は死滅する。そんな植物を食草とする蝶(昆虫他)も逃げ場が減る。原発が与える人類の生活史にも同様なことが起きる。
 
【平成28年3月10日】蝶の図鑑(No.031);ウラナミシジミ No.055
信濃路や北上するか秋の蝶
しなのじ ほくじょうするか あきのちょう
年毎に山河越えるも棲めぬ蝶(初案)→山河越え秋来たる蝶死せるかな(改案)
 初夏から秋にかけ、分布地から食草を求め北へ北へと移動する。そして冬の訪れとともに死に絶える。小指にも満たない小さな蝶でありながら、逞しくも哀しい“さまよえる蝶”である。
   マメ科の花や若い果実を食草とし、初夏から秋にかけ分布地から食草を求め北へ北へと移動する。長野県では越冬出来ない。
 
 西の分布地(千葉県房総半島以西)から「秋を告げる」シジミチョウ。ときには、北海道までも北上することがあるという。温暖化が進む中、そう遠くない時期に長野県でも越冬が認められるかと思う。そう遠くない時期に・・・・地球は何も変わらないであろう。しかし、私達人間にとっては、取り返しがつかない事態に刻々と近付いている。
 
【平成28年3月10日】蝶の図鑑(No.030);ヤマトシジミ No.056
寂しげや狗尾草をつかむ蝶
さびしげ エノコログサを つかむちょう
 草の葉にじっと止まるや露時雨(初案)→寂しげや狗尾草に止る蝶(改案)
 高嶺ルビーは、発芽して少し大きくなったところで「おひたし」にしたら美味しかった。観賞用なので普通のソバに比べ1/5ぐらいしか種にならない。高嶺ルビーには、ツバメシジミやウラナミシジミ、もっと大きなシロチョウやタテハチョウの仲間も吸蜜訪花する。
 食草のカタバミが小規模でもあれば環境を選ばず発生する多化性の蝶。春は少ないが夏から秋にかけ多く発生する。  
 
 ヤマトシジミは、何処にでも普通に見られるというが、マイフィールドでは目立たない存在だ。春は稀に見掛ける程度で夏から秋でも、やっと探し出す程度だ。カタバミは、厄介な雑草の一つなのでヤマトシジミの食草だといっても移植したいとは思えない。全くいないわけでもないので現状維持でOKとしましょう。食草頼りでなく、好んで訪花する花を増やそう。写真は、鑑賞用の紅花ソバで高嶺ルビーというものだ。わざわざ種を取り寄せてある。

 
  1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12
句数 16   24   16                                    
累計 16   40   56                                    
合掌