「奥の細道」旅中と思える期間(元禄2年)に詠まれた作品の句碑集
 (芭蕉俳句集;中村俊定構注/岩波文庫 484~590をベースに現地撮影結果等を加味した句碑集です)
-全212句(句碑132・文学碑18、おくのほそ道全62句中句碑なし3句)芭蕉以外ならびに一部期間外含む-
番号は「芭蕉俳句集」(岩波文庫)の掲載句番
赤色は「おくのほそ道」掲載62句中59句(句碑なしも掲載)
句形は分る範囲で句碑に準じる
  
句碑写真集(No.01              ※ 詠み地に最も近い建立場所(建立年) 芭蕉俳句集 岩波文庫 *曽良書留
457 「朝よさを誰まつしまぞ片心」     宮城県松島町 雄島(1747.10.12
473 「元旦に田毎の日こそ戀しけれ」    長野県千曲市 姨捨公園(1937
474 「かけろふの我肩に立かみこかな」   宮城県白石市 益岡公園(1973.10.12)真蹟
477 「おもしろやことしのはるも旅の空」  句碑なし
あさよさを誰まつしまぞ片ごゝろ
元日は田ごとの日こそ戀しけれ
かげろふの我肩にたつ紙子哉
おもしろやことしのはるも旅の空
482 「草の戸も住み替る代そひなの家」   東京都江東区 深川芭蕉記念館(1984.10.12
483 「鮎の子のしら魚送る別哉」      東京都足立区 千住歴史プチテラス(2003
484 「行くはるや鳥啼魚の目はなみた」   東京都荒川区 素戔雄神社1820.10.12
485 「いと遊に結ひつきたるけふりかな」  栃木県惣社町 大神神社(1818
草の戸も住替る代ぞひなの家
鮎の子の白魚送る別れかな
行くはるや鳥啼うをの目は泪
糸遊に結びつきたる煙哉 *
句碑写真集(No.02)  
486 「入かゝる日も糸ゆふの名残かな」   句碑なし
487 「鐘つかぬさとは何をか春の暮」    栃木県佐沼市 種徳院(1792.5
488 「入あひのかねもきこへすはるのくれ」 栃木県鹿沼市 掬翠園2009.3
489 「あらたふと青葉わか葉の日の光」   栃木県日光市 東照宮宝物館(1956.9
000 「あらたふと木の下闇も日の光」    栃木県日光市 高野家1867
*** 「剃捨てて黒髪山の故露もかへ」    曽良 長野県諏訪市 四吟碑
490 「志はらくは瀧に籠るや夏の初」    栃木県日光市 安良沢小学校1956.5
491 「郭公うらみの瀧のうらおもて」    句碑なし
入りかゝる日も程々に春のくれ *
鐘つかぬ里は何をか春の暮 *
入逢の鐘もきこえず春の暮 *
あらたうと青葉若葉の日の光
あらたふと木の下闇も日の光 *
 
しばらくは瀧に籠るや夏の始
郭公うらみの瀧のうらおもて
句碑写真集(No.03)  
492 「うら見せて涼しき瀧の心哉」     曽良 福島県須賀川市 神炊館神社
*** 「かさねとは八重なてしこの名なるへし」曽良 栃木県矢板市 沢観音寺
493 「秣おふ人を枝折の夏野かな」     栃木県大田原市 玉藻稲荷神社(1958
000 「今日も又朝日を拝む石の上」     栃木県大田原市 明王寺
494 「山も庭もうこき入るや夏座敷」    栃木県大田原市 浄法寺桃雪邸跡(1959.5
000 「夕食くふ賤が外図に月出て」     栃木県大田原市 浄法寺桃雪邸跡1980.2
*** 「秋來にけりと布たぐる也」      曽良
495 「木つゝきもいほはやふらす夏こたち」 栃木県大田原市 雲巌寺1879.9
496 「田や麦や中にも夏のほとゝぎす」   栃木県大田原市 黒羽城黒門跡
 
 

秣負ふ人を枝折の夏野哉
今日も又朝日を拝む石の上
山も庭もうごき入るや夏座敷 *
夕食くふ賤が外図に月出て
 
木啄も庵はやぶらず夏木立
田や麦や中にも夏のほとゝぎす
句碑写真集(No.04)  
497 「夏山に足駄を拜むかどでかな」    栃木県大田原市 修験光明寺跡
498 「鶴鳴や其聲に芭蕉やれぬへし」    栃木県大田原市 芭蕉の広場
499 「野を横に馬牽むけよほとゝきす」   栃木県那須塩原市 八坂神社(1808.10
500 「落くるやたかくの宿の郭公」     栃木県那須町 高久家跡
*** 木の間をのそく短夜の雨」      曽良(同上)
*** 「一と間をしのくみちか夜の雨」    誤刻/曽良 栃木県那須町 高福寺(1913.6
501 「湯をむすふ誓もかなし岩清水」    栃木県那須町 温泉神社
502 「むすふよりはや歯にひ清水哉」  長野県御代田町 真楽寺(1843.10.12
503 「いしの香やなつ草あかく露あつし」  栃木県那須町 殺生石
夏山に足駄を拜む首途哉 *
鶴鳴や其聲に芭蕉やれぬべし *

野を横に馬牽むけよほとゝぎす
落くるやたかくの宿の郭公
 
誤刻
湯をむすぶちかひもおなじ岩清水 *
結ぶより早歯にひゞく泉かな
石の香や夏草赤く露暑し
句碑写真集(No.05)  
504 「田一枚うゑてたち去る柳かな」    栃木県那須町 遊行柳(1799.4
505 「早苗にも我色くろき日數かな」    福島県白河市 宗祇戻し1843.10
506 「西か東か先早苗にも風の音」     福島県白河市 白河関跡
509 「關守の宿を水鶏にとはふもの」    福島県白河市 関山満願寺
***
「卯の花をかざしに関の晴着かな」   曽良 福島県白河市 関山満願寺
507 「風流のはしめや奥の田うへ唄」    福島県白河市 境明神玉津島神社1777.5
508 「世の人の見付ぬ花や軒の栗」     福島県須賀川市 可伸庵跡1959.4.22
510 「五月雨の瀧降うつむ水かさ哉」    福島県玉川村 乙字ヶ滝1813.11.12
000 浅香山帷子ほして通里介李」     福島県郡山市 善導寺(2020
田一枚植て立去る柳かな
早苗にもわがいろ黒き日數哉 *

西か東か先早苗にも風の音
關守の宿を水鶏にとはふもの    
風流の初やおくの田植うた
隠家やめにたゝぬ花を軒の栗
*
五月雨は滝降うづむみかさ哉
五月雨は滝降うづむみかさ哉
淺香山帷子ほして通りけり
   
句碑写真集(No.06)  
511 「早苗とる手もとや昔しのふ摺」    福島県福島市 文知摺観音堂(1794.5
000 「早乙女にしかた望まむ信夫摺」    福島県福島市 市立第一小隣接公園1879.5
512 「笈も太刀もさつきにかされ紙のほり」 福島県福島市 医王寺1800.10
513 「佐くらより松盤二木を三月越し」   宮城県岩沼市 竹駒神社(1793
514 「笠島はいつこ皐月のぬかり道」    宮城県名取市 道祖神路
515 「あやめ草足に結ん屮鞋の緒」     宮城県仙台市 陸奥国分寺薬師堂(1782.10
*** 「松島や鶴に身をかれほとゝきす」   曽良 宮城県松島町 雄島(1809.)
517 「夏草や兵共か夢の跡」        岩手県平泉町 毛越寺1769.)真蹟
早苗とる手もとや昔しのぶ摺
五月乙女にしかた望んしのぶ摺 *

笈も太刀も五月にかざれ紙幟
櫻より松は二木を三月越シ
笠島はいづこさ月のぬかり道
あやめ草足にむすばん草鞋の緒
 
夏草や兵共がゆめの跡
句碑写真集(No.07)  
*** 「卯の花の兼房見ゆる白髪かな」    曽良 岩手県平泉町 卯の花清水(1938.5.14.)
518 「五月雨の降殘してや光堂」      岩手県平泉町 中尊寺(1746.10.12.)
519 「螢火の昼は消つゝ柱かな」      句碑なし
520 「蚤虱馬の尿する枕もと」       宮城県大崎市 尿前の関
521 「凉しさを我か宿にしてねまる也」   山形県尾花沢市 養泉寺1762.)
522
まゆはきを俤にして紅粉の花」    山形県東根市 斎藤本店焼麩工場
523 這い出でよ飼屋したのひきの声    山形県尾花沢市 みちのく風土記の里
523 蚕飼する人は古代の姿かな」     曽良 山形県尾花沢市 みちのく風土記の里
***
鹿子立をのへのし水田にかけて」   曽良 山形県尾花沢市 みちのく風土記の里
 
五月雨の降のこしてや光堂

螢火の昼は消つゝ柱かな
蚤虱馬の尿する枕もと
涼しさを我宿にしてねまる也
まゆはきを俤にして紅粉の花
這出よかひやが下のひきの聲
 
句碑写真集(No.08)  
524 行すゑは誰肌ふれむ紅の花」     山形県天童市 念仏寺跡
525 「閑さや巌にしみ入蝉の聲」      山形県山形市 立石寺1853.4.)
525 「静かさや岩にしみ入蝉の聲」     山形県山形市 立石寺
526
「五月雨をあつめて早し最上川」    山形県新庄市 芭蕉乗船の地
000 「さみたれをあつめてすゝもかミ川」  山形県大石田町 高野一榮邸跡1989.7.14.)
*** 瓜ばたけいさよふ空に影待ちて」   曽良(同上)
*** 水雲重しふところの吟」       芭蕉(同上)
527
「水の奥氷室尋る柳哉」        山形県新庄市 柳の清水跡
528 「風の香も南に近し最上川」      山形県舟形町 猿羽根山地蔵堂
529 「有難や雪をかほらす南谷」      山形県鶴岡市 羽黒山南谷別院跡1818.4.21.)
行すゑは誰肌ふれむ紅の花
閑さや岩にしみ入蝉の聲
山寺や石にしみつく蝉の聲 *

五月雨をあつめて早し最上川
五月雨を集て涼し最上川 *
 
 
水の奥氷室尋る柳哉 *
風の香も南に近し最上川 *
有難や雲をかほらす風の音 *
句碑写真集(No.09)  
530 「凉しさやほの三日月の羽黒山」    山形県鶴岡市 羽黒山出羽神社(1825.4.)
000 「涼風やほの三か月の羽黒山」     山形県鶴岡市 三山大愛教会
000 「五月雨やほの三か月の羽黒山」    不詳 山形県鶴岡市 芭蕉翁三日月塚
000 「凉さやほの三か月の羽黒山」     山形県天童市 将棋むら天童タワー
531 「雲の峯いくつくつれて月の山」    山形県鶴岡市 大進坊 1922.8
531 「雲の峯いくつ崩れて月の山」     山形県西川町より登山 月山山頂(1958.9.8.)
531 「雲の峰いくつくつれて月の山」    山形県西川町 志津御番所跡
532 「語られぬ湯殿にぬらす袂哉」     山形県鶴岡市 湯殿山神社 1817.)
涼しさやほの三か月の羽黒山
掠風やほの三ケ月の羽黒山 *

 
涼しさやほの三か月の羽黒山
雲の峰幾つ崩て月の山
雲の峰幾つ崩て月の山
雲の峰幾つ崩て月の山
語られぬ湯殿にぬらす袂かな
句碑写真集(No.10)  
*** 「湯殿山銭ふむ道の泪かな」      曽良 山形県鶴岡市 湯殿山神社
533
「其玉や羽黒にかへす法の月」     山形県鶴岡市 三山大愛教会
534 「月か花かとへど四睡の鼾哉」     句碑なし
535 「めつらしや山をいて羽の初なすひ」  山形県鶴岡市 長山重行邸跡(1969.12.)
536 「暑き日を海に入れたりもかみ川」   山形県酒田市 日和山公園(19799.16.)
537 「象潟や雨に西施かねふの花」     秋田県にかほ市 象潟駅(1988.8
537 「象潟の雨や西施かねふの花」     秋田県にかほ市 蚶満寺1763.9
000 「腰長や鶴脛ぬれて海涼し」      秋田県にかほ市 象潟駅(1972.6.16
 
其玉や羽黒にかへす法の月

月か花かとへど四睡の鼾哉
めづらしや山を出羽の初茄子
暑き日を海にいれたり最上川
象泻や雨や西施がねむの花 *
象泻の雨や西施がねむの花
腰長や鶴脛ぬれて海涼し
句碑写真集(No.11)  
*** 「象潟や料理何くふ神祭」       曽良 句碑なし
540 「あつみ山や吹浦かけてゆふ凉み」   山形県鶴岡市 塩俵岩1968.8.28
541 「初眞桑四にや断ン輪に切ン」     山形県酒田市 日和山公園1867.)
*** 「初瓜やかふり廻しをおもい出つ」   曽良(同上)
542 「花と実と一度に瓜のさかりかな」   句碑なし
000 さわらねは汲まれぬ月の清水かな」  不詳 新潟県村上市 北中芭蕉公園
543 「小鯛さす柳涼しや海士かつま」    新潟県糸魚川市 室川医院
000 「稲つまや顔のところか薄の穂」    新潟県新潟市 林徳寺
000 「文月や加羅さけ拝む乃寿三山」    不詳 新潟県長岡市 西生寺
 
あつみ山や吹浦かけて夕すゞみ

初眞桑四にや斷ン輪に切ン
 
花と実と一度に瓜のさかりかな
 
小鯛さす柳涼しや海士がつま *
稲つまや顔のところか薄の穂
 
句碑写真集(No.12)  
*** 「海に降る雨や悲しきうき身宿」    存疑 新潟県新潟市 合祀船江神社1857.)
545
「文月や六日も常の夜には似す」    新潟県上越市 琴平神社(1867.)
546 「荒海や佐渡に横たふ天の川」     新潟県出雲崎町 妙福寺1755.3.12.)
547 「薬欄にいつれの花を艸まくら」    新潟県上越市 金谷山対米館(1806.10.)
000 「曙や霧にうつまくかねの聲」     存疑 新潟県糸魚川市 白山神社(1832.)
548 「一つ家に遊女もねたり萩と月」    新潟県糸魚川市 長円寺1925.)
549 「早稲の香や分け入る右は有磯海」   富山県射水市 放生津八幡宮(1843.)
550 「あかあかと日はつれなくも秋の風」  石川県金沢市 成学寺(1755.)
海に降る雨や哀しきうき身宿
文月や六日も常の夜には似ず

荒海や佐渡によこたふ天河
薬蘭にいづれの花をくさ枕 *
曙や霧にうづまく鐘の聲
一家に遊女もねたり萩と月
わせの香や分入る右は有磯海
あかゝゝと日は難面もあきの風
句碑写真集(No.13)  
551 「熊坂かゆかりやいつの玉まつり」   句碑なし
552 「秋涼し手毎にむけや瓜茄子」     石川県金沢市 長久寺1988.9.18.)
000 ちる柳あるしも我も鐘をきく」    存疑 石川県金沢市 宝泉寺
553 「つかもうこけ我泣聲は秋の風」    石川県金沢市 願念寺(1967.8.)
*** 「心から雪うつくしや西の雲」     一笑 石川県金沢市 願念寺
543 「小鯛さす柳すゝしや海士の軒」    石川県金沢市 本龍寺(1949.6.)
544 「風かをる越しの白嶺を國の華」    石川県白山市 白山比咩神社(1965.)
554 「しほらしき名や小松吹萩すゝき」   石川県小松市 建聖寺1763.)
熊坂が其名やいつの玉祭 *
秋涼し手毎にむけや瓜茄子

散柳あるじも我も鐘を聞
塚も動け我泣聲は秋の風
 
小鯛さす柳涼しや海士が家
風かほるこしの白根を國の花
しほらしき名や小松吹萩薄 *
   
句碑写真集(No.14)  
*** 「露を見しりて影うつす月」      鼓蠣 石川県小松市 本折日吉神社
555 「濡れて行くや人もをかしき雨の萩」  石川県白山市 小舞子公園1958.8.10.)
556 「あなむさん甲の下のきりきりす」   石川県小松市 多太神社
000 「むさんやな甲の下のきりきりす」   石川県小松市 多太神社
*** 「幾秋か甲にきえぬ鬢の霜」      曽良 石川県小松市 多太神社
557 「山中や菊は手折らし湯の匂ひ」    石川県加賀市 醫王寺
558 「桃の木の其葉ちらすな秋の風」    石川県加賀市 桃の木公園
*** 「紙鳶きれて白根ヶ嶽を行方かな」   桃妖 石川県加賀市 芭蕉堂
 
ぬれて行や人もをかしき雨の萩
*
あなむざんや甲の下のきりゞゝす
むざんやな甲の下のきりゞゝす
 
山中や菊は手折らじ湯の薫 *
桃の木の其葉ちらすな秋の風

 
句碑写真集(No.15)  
*** 「旅人を迎に出れはほたるかな」    桃妖 石川県加賀市 泉屋の趾
*** 山人の昼寝をしはれ蔦かつら」    桃妖 石川県加賀市 桃の木公園
559
「いさり火にかしかや浪の下むせひ」  石川県加賀市 大木戸門跡(1960.1.)
000 「かゝり火に河鹿や波の下むせひ」   石川県加賀市 こおろぎ橋(1898.)
*** 子を抱いて湯の月のそく猿かな」   北枝 石川県加賀市 こおろぎ橋
560
「湯の名残今宵ハ肌の寒からむ」    石川県加賀市 泉屋の趾1979.2.)
560 月よしと角力に袴踏ぬきて」     句碑なし
*** 「行行てたふれ伏すとも萩の原」    曽良 三重県桑名市 大智院
 
 

いさり火にかじかや波の下むせび
かゞり火にかじかや波の下むせび
 
湯の名残今宵は肌の寒からむ
 
句碑写真集(No.16)  
561 「今日よりや書付消さん笠の露」    石川県加賀市 大木戸門跡
*** 「終宵秋風聞くや裏の山」       曽良 石川県加賀市 全昌寺
562 「石山の石より白し秋の風」      石川県小松市 那谷寺
563 「庭掃て出はや寺に散柳」       石川県加賀市 全昌寺
564 「物書て扇引さく餘波哉」       福井県永平寺町 天龍寺1978.8
565 「名月の見所問ん旅寝せん」      福井県福井市 左内公園1981.8
566 「月見せよ玉江の芦を刈らぬ先」    福井県福井市 玉江二の橋1959.3
567 「朝六つや月見の旅の明けはなれ」   福井県福井市 朝六つの橋1971.9 
今日よりや書付消さん笠の露
 

石山の石より白し秋の風
庭掃て出ばや寺に散柳
物書て扇引さく余波哉
名月の見所問ん旅寝せむ
月見せよ玉江の芦を刈ぬ先
あさむつや月見の旅の明ばれ
句碑写真集(No.17)  
568 「あすの月雨占なはんひなか嶽」    福井県越前市 ミニ庭園
000 うくいすの初音きかせししるへかな」 存疑 石川県南越前町 初音小坂
569 「月に名を包みかねてやいもの神」   福井県南越前町 湯尾峠
570 「義仲の寝覚めの山か月悲し」     福井県南越前町 旧今庄役場
571 「山中や越路も月はまた命」      福井県敦賀市 氣比神社
*** 「月のみか雨に相撲もなかりけり」   (同上)
572 「國々の八景更に氣比の月」      福井県敦賀市 市民文化センター
573 「月清し遊行のもてる砂の上」     福井県敦賀市 常宮神社1822
000 「なみたしくや遊行のもてる砂の露」  福井県敦賀市 氣比神社1956
あすの月雨占なはんひなが嶽
 

月に名を包みかねてやいもの神
義仲の寝覚の山か月悲し
中山や越路も月はまた命
月のみか雨に相撲もなかりけり
國々の八景更に氣比の月
月清し遊行のもてる砂の上
なみだしくや遊行のもてる砂の露
句碑写真集(No.18)  
574 「名月や北國日和定なき」       福井県福井市 足羽公園
575 「月いつこ鐘は沈めるうみのそこ」   福井県敦賀市 金前寺1761.10
577 「ふるき名の角鹿や恋し秋の月」    福井県敦賀市 杉津SA(下)1988.4
578 「小萩ちれますほの小貝小盃」     福井県敦賀市 本隆寺1954.11.13
579 「衣着て小貝拾わんいろの月」     福井県敦賀市 本隆寺1983.8
580 「浪の間や小貝にましる萩の塵」    福井県敦賀市 本隆寺
581 「寂しさや須磨にかちたる濱の秋」   福井県敦賀市 本隆寺開山堂
580 芭蕉翁と西邑家」(素龍清書本)      福井県敦賀市 孫兵衛茶屋
名月や北國日和定なき
月いづこ鐘はしづみて海の底

ふるき名の角鹿や恋し秋の月
小萩ちれますほの小貝小盃
衣着て小貝拾はんいろの月
浪の間や小貝にまじる萩の塵
寂しさや須磨にかちたる濱の秋
 
   
句碑写真集(No.19)  
582 「鳩の聲身に入わたる岩戸哉」     岐阜県大垣市 明星輪寺1972
583 「胡蝶にもならて秋ふる菜虫哉」    句碑なし
584 「其まゝよ月もたのまし伊吹山」    岐阜県大垣市 旧竹島本陣跡1963.10
585 「こもり居て木の実草のみひろはゝや」 岐阜県大垣市 園通寺
586 「はやはやさけ九日もちかし菊の花」  句碑なし
587 「藤の實は俳諧にせん花のあと」    宮城県大和町 吉岡八幡神社
588 「隠家や菊と月とに田三反」      岐阜県大垣市 水門川遊歩道
589 「蛤のふたみへ別行秋そ」       岐阜県大垣市 水門川遊歩道1961.9.22
000 萩にねようか萩にねようか」     (同上)
鳩の声身に入わたる岩戸哉
故蝶にもならで秋ふる菜虫哉

其まゝよ月もたのまじ息吹山
こもり居て木の実草の実ひろはゞや
はやはやさけ九日もちかし菊の花
藤の実は俳諧にせん花の跡
かくれ家や月と菊とに田三反
はまぐりの二見へわかれゆく秋ぞ
 
句碑写真集(No.20)  
589 「蛤乃ふたみに別行秋そ」       岐阜県大垣市 水門川遊歩道1957.9.6
590 「うき我をさひしからせよ秋の寺」   三重県桑名市 大智院1970.)
蛤のふたみにわかれ行秋ぞ
うきわれをさびしがらせよ秋の寺
 
440 「西行も草履もかゝれ松の露」     埼玉県深谷市 路傍1861
926
「旅に病て夢は枯野をかけ廻る」    滋賀県大津市 義仲寺1893
*** 春にわれ乞食やめても筑紫か奈」   曽良辞世の句 長野県諏訪市 正願寺
000 當歸より哀は塚のすみれ草」     呂丸への追悼句 山形県鶴岡市
                         島崎稲荷神社
1793.2
*** なきからを笠に隠すや枯尾花」    其角 芭蕉の「臨終」其角を筆頭に
                         門人
43人による百韻俳諧 句碑なし
*** 「木曽殿と背中合せの寒さかな」    又玄 滋賀県大津市 義仲寺
西行の草鞋もかゝれ松の露
旅に病で夢は枯野をかけ廻る

 
當歸より哀は塚のすみれ草
 
 
 
 
- 編集後記 -

      芭蕉が引き合わせてくれたご縁



 「碑撮り旅」の体裁を借りて、
  人の営みや情け、邂逅と別離、・・・・

 細道を碑撮り馳せるや走馬灯(忙しい碑撮り旅)
  たつな弛めて想ひめくらす(古希の旅は穏やかに)
 緑なす松や細道ゆかりの地(おくのほそ道風景地)
  自然ゆたかな郷土の誇り(所在地の活性化)
 旅人の心和ます芭蕉哉(芭蕉への感謝)

  そらに響くは信濃の木魂(曾良への感謝)
 
 
蓬莱に聞ばや伊勢の初便り
 市振宿からさほど離れていない「陽厳寺」、場所が特定出来ず尋ねたご婦人(84歳)が、「判らないと気の毒」と小走りで数分後に到着。今も心に残る彼女の言葉・・・・「芭蕉が引き合わせてくれたご縁」。
 
おくのほそ道の風景地
「史跡・名勝・天然記念物」の国指定名勝に「おくのほそ道の風景地」(松尾芭蕉が“おくのほそ道”に記した一群の名所・由緒・来歴の地から成る一体の風致景観)が指定
草加松原(埼玉県草加市) ガンマンガ淵(栃木県日光市) 八幡宮(栃木県大田原市) 殺生石(栃木県那須町) 遊行柳(栃木県那須町)
黒塚の岩屋(福島県二本松市) 武隈の松(宮城県岩間市) つゝじが岡・天神の御社(仙台市) 木の下・薬師堂(宮城県仙台市) 壺碑(宮城県多賀城市)
末の松山(宮城県多賀城市) 興井(宮城県多賀城市) 籬が島(宮城県塩釜市) 高館(岩手県平泉町) 金鶏山(岩手県平泉町)
さくら山(岩手県平泉町) 本合海(山形県新庄市) 三崎大師崎(秋田県にかほ市遊佐町) 象潟汐越駒留島(秋田県にかほ市) 親しらず(新潟県糸魚川市)
有磯海(富山県高岡市) 道明ガ淵・山中温泉(石川県加賀市) 那谷寺奇石(石川県小松市) 氣比神宮境内(県平泉町) 大垣船町川港(岐阜県大垣市)